『王妃の帰還』

『王妃の帰還』
柚木 麻子
実業之日本社文庫、2015/4/4、¥600(有隣堂亀戸)

お嬢様女子中等部2年の範子は、自分たちの地味グループにクラスの姫グループから追放された滝沢を受け入れることになる。それまで平和だったクラス派閥は入り乱れ、権力闘争につぐ権力闘争、そして自分たちのグループも崩壊の危機を迎える。

多感な女子中学生の世界はこんなに厳しいのか、とため息をつきながら読んだ。登場人物の説明が若干わかりづらく、誰が誰でどういう関係か把握するまでは読み進めるのが辛かったが、それを把握し、権力闘争が激しくなってからは一息に面白く読めた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『動物農場〔新訳版〕』

『動物農場〔新訳版〕』
ジョージオーウェル
ハヤカワepi文庫、2017/1/7、¥756(有隣堂亀戸)

ソビエト革命を風刺した小説。

どの政治体制を選ぼうと指導者は独裁を築くものだ、と言う一般論としても読める。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『ばけもの好む中将 七 花鎮めの舞』

『ばけもの好む中将 七 花鎮めの舞』
瀬川 貴次
集英社文庫、2018/5/18、¥583(有隣堂亀戸)

宣能は花見を企画し、12の姉と春若が出会うよう仕向ける。それを右大臣に見られたことで宣能は右大臣の後継者としての仕事を承諾する。右大臣に導かれ裏の仕事を請け負う多情丸に引き合わされ、幼い頃自分を襲ったのが彼であると知る。

ばけもの好むと言いながら、もはや怪談ではなく人間同士の政略物語になった本シリーズ。書中「本当に恐ろしいのは人間」「それを言うな」と言う会話があるが、本書への書評に対する解答と見て良いのだろう。

難しく考えずに読む本。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『笑う書店員の多忙な日々』

『笑う書店員の多忙な日々』
石黒 敦久
メディアワークス文庫、2018/5/25、¥659(有隣堂亀戸)

四谷にある書店で働く奈津の元に新人バイトの紗和が入ってくる。認知症気味のお客様の接客、小学5年の男の子がビブリオバトルで女の子に告白するための本を探す手伝い、サイン会を開いた著者の娘が乱入して大騒ぎになる話、そして奈津がゲラを読んで気に入り全店フェアを仕掛けるために奮闘する話、の四編が収められている。

書中に「ビブリア古書堂」への言及があり、著者が意識しているのがわかるが、本書はそれに匹敵するくらい面白く読んだ。今年一番のあたり作品。ファンレターを送った。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『羽生善治 闘う頭脳』

『羽生善治 闘う頭脳』
羽生善治
文春文庫、2016/3/10、¥713(BO410)

2016年までの羽生のインタビューをまとめたもの。
勝負師としての生活、考え方、正解のない虚無と向き合う心構えなど自分の人生の役に立つ部分が多くある。

●[池谷裕二] 特に寝る1〜2時間前が記憶に定着しやすいんです。私は「ゴールデン・アワー」と呼んでいて、毎日この時間帯に仕事wするようにしています。[略] お腹が空いている時の記憶力がバカにできません。空腹になると胃から脳の食欲中枢へグレリンというホルモンが出るのですが、これが記憶を司る海馬も刺激し、記憶力を上げることがわかって来ました。これは動物本来の姿を考えればある意味当たり前です。空腹時には、食料の在りかや獲物の動きなどを覚えてなければならないですからね。あと、水は重要ですよ。体から水分が1%抜けると、実は記憶力や思考力が低下するんです。(pp.58-59)

●[羽生] 勝手知ったる道を行くことはもちろんできるわけですが、そうではなくて可能性を広げて行く方の道を選んでいきたいという気持ちはずっとあります。それを選んで上手くいかない場合はもちろんある。ただ、長い目で見ると、瞬間的な損得勘定ではない選択が、多分いい方向なのだろうと思っています。(p.314)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『不機嫌は罪である』

『不機嫌は罪である』
齋藤孝
角川新書、2018/5/10、¥907(有隣堂亀戸)

現代を生きる上で機嫌が悪ことは許されない、という身も蓋もない認識から、いかに自分の機嫌を保つかについての心得を説いた本。

いうは安く行うは難しの一例。

▲[胆力が練られ、穏やかな上機嫌になる3・2・15呼吸法の] やり方はとっても簡単。名前の通り「鼻から3秒吸って、2秒お腹の中にぐっと溜めて、15秒間かけて口からゆっくり吐く」だけです。(p.115)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『キャロリング』

『キャロリング』
有川浩
幻冬舎文庫、2017/12/6、¥745(BO510)

クリスマスに倒産が決まっている子供服メーカの社員大和。会社に併設された学童に来ていた小学生航平が両親の離婚をなんとか止めようと奮闘するのを手伝うために、元恋人で同僚の柊子と協力する。

大和の子供の頃の環境や航平の環境など、現代の子供をめぐるハードな現実が描かれていて読むのが苦しくなる場面もあったが、最後にはこれもまた現代的な終わり方をしていて面白く読んだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『小説家の作り方』

『小説家の作り方』
野崎 まど
メディアワークス文庫、2011/3/25、¥572(BO310)

プロデビューしたばかりの駆け出し小説家物実のところに「小説の書き方を教えてください」と言うファンレターが届く。ちょっと変わった女性紫に教えるうち、人工知能の大家としてネットで知られる「アンサーアンサー」こと在原露に紫が人工知能にしたがって動いた別人であることを教えられ、急展開となる。
結末はさらにもう一捻りしているが、本書が出て8年でAIの進歩が予想を超えているのか、本書の展開があながち奇想天外とも言えなくなってきているのが面白い。

読み始めて再読であることに気づいたが、内容を忘れていたので面白く読めた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『わが家は祇園の拝み屋さん8 祭りの夜と青い春の秘めごと』

『わが家は祇園の拝み屋さん8 祭りの夜と青い春の秘めごと』
望月麻衣
角川文庫、2018/5/25、¥562(有隣堂亀戸)

一段落した京都で小春は澪人が冷たいことに気をもむ。祖母吉乃が嫁に来たばかりの頃に周りに受け入れられていく時に経験した事件を皆に話す。

本巻はあまり大きな話はなく、中休みといった趣。今までのダイナミックさは感じられないが小春と澪人の関係が少し進むのでそこを楽しむ巻。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『吉原百菓ひとくちの夢』

『吉原百菓ひとくちの夢』
江中 みのり
メディアワークス文庫、2018/2/24、¥659(BO360)

吉原で料理が評判の中見世で働く太佑。菓子を専門に作り、客に合わせて出すことで花魁だけでなく菓子が目当てでくる客もいる。太佑になぞかけをしにきたり、相撲取りの心に響く菓子を出す。ただ幼い頃から一緒に働き今は店一番の花魁朝露だけは太佑の菓子を食べない。なんとかして食べさせようと奮闘する。

吉原が本書のようにほんわかしていたとは思わないが、ファンタジーとして読む分には良いのではないか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧