『ブルースカイ』

『ブルースカイ』
桜庭一樹
文春文庫、2012/5/10、¥679(BO360)

正体不明の少女が、時代を超えて追っ手から逃れる話。第一部は1600年代のドイツ、マリーという少女が祖母と暮らす中、魔女狩りの嵐が吹き荒れて身の危険が迫る。その時、正体不明の少女が現れてともに逃げる。第二部は2022年のシンガポール。草食系の青年は、同世代の女性に圧倒されながら生活しているが、ある時突然正体不明の少女が現れ、つかの間だが一緒に逃げることになる。そして第三部で正体不明の少女の正体が2007年の鹿児島に住む17歳の青井ソラとわかる。彼女の日常生活が描かれたのち、突然の火山噴火で全てが破壊され、わずかな少年少女が時空の谷間を逃げる。そして時空管理人に追われ、全員が捕まってその時点に引き戻される。

中世ドイツの話はとても魅力的だったが、その話が大きく膨らまず、結局色々な伏線は回収されずに少女が追っ手に捕まって終わる、というのは話としてよくわからなかった。

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『京都ぎらい 官能篇』

『京都ぎらい 官能篇』
井上章一
朝日新書、2017/12/13、¥842(有隣堂亀戸)

前著とは趣が違い、京都の裏面とも言える下半身の話。一言で言えば、武力を持たない天皇が美女を侍らせ、それを武士に与える褒美とすることで権力を保ってきた、というのが著者の主張といえようか。

しっかりした論拠はあまりなく、著者の印象論といった趣の本なので、軽い読み物として読めば面白い。

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『向う端にすわった男』

『向う端にすわった男』
東直己
ハヤカワ文庫、1996/9/1、¥756(410)

ススキノ探偵の短編集。映画をみてハードボイルドな気分になった男の話、口から出まかせに調子のいいことばかり言って生命保険詐欺を働いた男の話、知能の低い女を助けようとして大きなお世話だった話、ホームレスの息子が中央大学に入ったことから男に起きた悲劇、IT企業の社長・右腕が学生運動の活動家だったことから殺人を犯す話。

最後のIT企業の経営者と右腕が実は潜伏中の学生運動家の仮の姿で、それに気づかれたことから右腕が殺人を犯して消える、というなんとも言いようのない話が印象に残る。著者の書きぶりからあまり学生運動をよく思っていないことがわかる。

どれも秀逸で面白い短編集。

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『探偵は吹雪の果てに』

『探偵は吹雪の果てに』
東直己
ハヤカワ文庫、2004/2/10、¥886(BO460)

ススキノ探偵シリーズ。昔の女と病院で再会した俺は、彼女に届け物を頼まれる。北海道の田舎町に届けた俺は、町ぐるみの陰謀に巻き込まれる。

いきなり45歳になり、春子は子供を連れて出ていって、俺は相変わらずその日ぐらしをしている。そんな俺が昔の女のために一肌脱いだことから巻き込まれる事件。動きが鈍くなって格好悪くなっても一生懸命というところが本書の真骨頂か。町の住人の会話のしつこさが町の閉塞感をよく現していて、現実もそんなものなのかな、と少し悲観的になったが、話自体は面白く読んだ。

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『アイスクリン強し』

『アイスクリン強し』
畠中恵
講談社文庫、2011/12/15、¥596(BO360)

明治維新により江戸が東京になった頃、築地の居留地で孤児として育った皆川真次郎は、西洋菓子屋風琴屋を開く。友人の元幕臣の警官や、成金のお嬢様沙羅に囲まれ、色々な事件に立ち向かう。

しゃばけシリーズは著者のふわっとした文体にあっていたが、本書はもう少しキレの良い文体でもよかったかもしれない。

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『ヒア・カムズ・ザ・サン』

『ヒア・カムズ・ザ・サン』
有川浩
新潮文庫、2013/9/28、¥529(BO310)

出版社に勤める真也は、物に触ると人の記憶が見える。同僚のカオルの父がアメリカから20年ぶりに帰国する。その設定から二つの違う物語を紡いでいる。

父親の気持ちがよく描かれていて、感情移入して読んだ。


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『機長からアナウンス第2便』

『機長からアナウンス第2便』
内田 幹樹
新潮文庫、2005/8/28、¥432(BO260)

A社の機長をしていた著者が、勤務中に体験したことを徒然に語ったエッセイ。JAL倒産の前の話なので、まだ牧歌的なところもあるが、戦闘機パイロットだった凄腕キャプテンの話など、面白く読んだ。

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『言ってはいけない 残酷すぎる真実』

『言ってはいけない 残酷すぎる真実』
橘 玲
新潮新書、2016/4/15、¥842(BO460)

知能は遺伝、美貌格差は3600万円、犯罪者の子供は犯罪者になる確率が高い、現代社会は教育すれば皆一定レベルの知識を獲得することができるという前提で成り立っているがそれは嘘、など身もふたもないことを根拠をあげて説明している。読んでいてあまり気分の良いものではなかったが、本当のことが書かれているという意味で読む価値があった。

●「知識社会」とは、知能の高い人間が知能の低い人間を搾取する社会のことなのだ。(p.72)

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『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』

『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』
橘 玲
講談社+α文庫、2011/10/21、¥905(BO360)

海外投資の達人である著者が、個人でもできる様々な投資の方法を解説する。

読んでいると簡単にできるような気がするが、そんな簡単なものではないだろうということは想像できる。

▲元ニューヨーク州立大学教授のトマス・スタンリーは、自分が金持ちかどうかを知るための「期待資産額」をを計算する方程式を紹介している。

期待資産額=年齢×年収/10  (p.328)

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『警視庁捜査二課』

『警視庁捜査二課』
萩生田 勝
講談社+α文庫、2015/10/21、¥756(BO410)

公務員の収賄を数多く手がけた元刑事の経験談。

人は金があればどうしても誘惑に勝てないんだろうなということがよくわかった。

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