« 2019年7月 | トップページ | 2019年9月 »

『続 昭和の怪物 七つの謎』

『続 昭和の怪物 七つの謎』
保阪正康
講談社現代新書、2019/4/10、929(丸善日本橋)

三島由紀夫、近衛文麿、橘孝三郎、野村吉三郎、田中角栄、伊藤昌哉、後藤田正晴の6名について著者が歴史的に残すべきと思った出来事について述べている。前著に比べ若干小粒かなとも思うが今まで光の当たらなかった各人の思考を著者が描き出しそれを面白く読んだ。

| | コメント (0)

『性と欲望の中国』

『性と欲望の中国』
安田 峰俊
文春新書、2019/5/20、¥918(吉田書店大島)

まだ清貧だった改革開放初期から豊かになるにつれ中国人の性への欲望も大きくなった。その過程で売春婦の町、売春婦の島などが発達したが最近の習近平政権の方針で売春は厳しく取り締まられるようになったがその分ネットの発達で不倫チャットの流出や痴漢情報交換掲示板などの問題も大きくなっている。ラブドールを彼女代わりに愛でる文化が独特の発達をみせ、蒼井空をはじめとする日本人AV女優が人気を博すようになった。一方LGBTなど少数派に対しては相変わらず厳しい態度が取られている。

豊かになった現代中国の裏側を丁寧に取材したノンフィクション。

| | コメント (0)

映画『天気の子』

19/08/15
映画『天気の子』
TOHOシネマオリナス

9ヶ月雨が降り続く東京。花の死をきっかけに天気を晴れにできるようになった陽菜。島から出たくて東京に来たもののまともなバイトもない帆高はオカルト記事を書いて糊口をしのぐ須賀に拾われる。怪しい連中とホテルに入ろうとする陽菜を帆高は助けようとする。天気を晴れさせることができることを知った帆高は陽菜とその弟凪と天気を晴れさせるアルバイトを始めるが、次第に陽菜の体が透き通っていく。天気を通常に戻すための人柱になったと知った陽菜は自分から天に昇るが、帆高は陽菜を連れ戻す。そのため雨が降り続き東京は水没する。

ハッピーエンドなのかよくわからないモヤモヤした新海誠ぽい映画。大人の事情を子供が忖度せずに自らの意思を通す話だが、それによって多くの人は大きな痛手を被る。ただ須賀が言ったように本当に彼らが天気を変えたかどうかはわからないし元からずっと雨が降るということになって東京も水没していたのかもしれない。「君の名は」の瀧が晴れバイトの依頼主の孫として、三葉が帆高が陽菜の誕生祝いの指輪を買った店の店員として登場していた。

絵はきれいだけど大人の目線では子供たちがピストル撃つような不良行為をし雷でトラックを破壊し人々が営々と築いた東京が水没するなどそこまでカタルシスはなく、子供の視線で見ればハッピーエンドなんだろうなという映画。

| | コメント (0)

『三体』

『三体』
劉 慈欣 (著), 立原 透耶 (監修), 大森 望 (翻訳), 光吉 さくら (翻訳)
早川書房、2019/7/4、¥2,052(有隣堂亀戸)

中国で3000万部売ったSF小説三部作の第一部。文化大革命で父親を亡くした葉文潔は、中国のSETIプロジェクトに引き抜かれる。約4光年先にあった三体世界との交信に成功した彼女は地球を滅ぼすため宇宙人に地球に来るようメッセージを送信する。四十数年後すでに地球に向かって出発した艦隊を迎え撃つために対策が練られる。

細部に渡り科学的によく考えられた筋書きで、面白く読んだ。アシモフのファウンデーションシリーズのような空気感がるように感じた。

| | コメント (0)

『海の見える理髪店』

『海の見える理髪店』
萩原浩
集英社文庫、2019/5/17、¥626(有隣堂亀戸)

直木賞受賞作ということで書店に平積みになっていたので買ってみた。

表題作ほか全6編の短編集。表題作は店主が一人で営む海辺の理髪店に若者がやってくるが、彼にはひめた思いがあった、という話。その他、母と喧嘩して家を出たが弟に頼まれて戻ってみると痴呆になった母が家族をどれだけ大事にしていたか分かる話、夫と喧嘩して実家に戻った妻が昔の彼との手紙を見て考え直す話、虐待された子供が男に一晩保護してもらうが彼が警察に逮捕される話、家族に去られた時計店主が過去に生きてしまっている話、15歳で亡くなった娘の成人式の案内が来たことで母親が娘の格好をして夫と出席する話。

それぞれ立ち止まって人生を考えさせるような話がまとめられた一冊。

| | コメント (0)

『面倒だから、しよう』

『面倒だから、しよう』
渡辺和子
幻冬舎文庫、2017/04/15、¥540(BO241)

「置かれた場所で咲きなさい」の実践編という位置付け。
一般的な処世術の本だが気持ちが落ち着く一冊。

| | コメント (0)

『これは経費で落ちません! 6 ~ 経理部の森若さん ~』

『これは経費で落ちません! 6 ~ 経理部の森若さん ~』
青木祐子
集英社オレンジ文庫、2019/7/19、¥616(有隣堂亀戸)

総務の玉村志保が室田千晶に制服の依頼を渋って嫌がらせしたり、以前からクラブで働いていた秘書課の有本マリナが役員と競合企業の役員との密談を仲介したり、太陽の先輩の鎌本が年下の彼女に振り回されたり盛りだくさん。
社内の権力闘争に一枚噛むことになってしまった森若は、黒幕が社長の右腕の新島総務部長だったことを知り、一計を案じて企業転覆を未然に防ぐ。同期の美月は社長の息子の専務と結婚し、専務が社長になる。権力闘争で息子を排除しようとしていた古参幹部たちは敗北する。

今までは社内の小さな不正やいざこざなどが主な話だったが、本巻ではいきなり話が大きくなって会社の買収を画策する幹部の陰謀を森若が防ぐことになる。経理部門は地味だが一番会社の動きが分かるところなのでそういうこともあるかなと思いながら面白く読んだ。

| | コメント (0)

« 2019年7月 | トップページ | 2019年9月 »