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『投資家が「お金」よりも大切にしていること 』

『投資家が「お金」よりも大切にしていること 』
藤野 英人
星海社新書、2013/2/26、¥886(有隣堂亀戸)

お金とは何か、と150円のペットボトルジュースを買うことが経済へどのように波及していくかから説起し、お金は悪いものではないこと、清貧の思想が日本をダメにし、清富の思想こそが日本を救うこと、ブラック企業を生んでいるのは消費者であること、日本人はすべて投資家であることなどをわかりやすく説明してある。自分が漠然と思っていたことを明確にまとめて書いてあり、大変勉強になった。良書。

●私の座右の銘に「自他不二」という言葉がありますが、これはまさに互恵関係と同じことを言っています。自分と他人は二つに分けることはできない、という意味であって、もともとは大乗仏教の考え方なんですね。
 自分の喜びは他人の喜びにつながり、他人の幸福は自分の幸福につながる。だからみんなの幸せを考えることが、最終的に自分の幸せを考えることにつながっていく。(p.95)

●私たちは、孤独を埋めるための商品やサービスに、思わずお金を使ってしまっている。[略]
 60代や70代の人たちは、自分たちの子供が独立しているので、単身世帯か二人世帯が多いです。お金は余っているけれど、話し相手がいない。そういう人がたくさんいるのが現実です。
 そういう生活の中で、大銀行や大証券会社の若手営業マン・営業ウーマンが、自宅の玄関まで投資信託を売りに来ます。自分お息子や娘、孫世代の、しかも感じの良い若者たちが来て、話し相手をしてくれるわけです。[略]
 販売員は「毎月分配型」の商品などをお勧めするわけですが、だからと言って、老人たちは毎月のお小遣いが欲しいわけではありません。必要だから買うわけではなく、心の寂しさを埋めてくれるから買っているわけですね。[略]
 だから、私たちのような投資信託をうる人間からしてみれば、高齢者の"孤独スイッチ"を押してあげれば、すんなり契約に結びついてします。[略]
 結局、孤独を埋める商品・サービスが売れるからと言って、そのことになんの疑いも持たず、単に孤独を煽ってしまえば、結果として孤独感は増幅していき、孤独な人がさらに増えていくことになるでしょう。(pp.117-119)

●世の中に「虚業」なんてひとつもない(p.121)

●「私の成功とは、長期的な人間関係を築いて、人に奉仕することだ」ウィプロテクノロジーズ会長(p.157)

●スタートトゥデイの社是は「カッコいいこと」です。[略] 「カッコいいかどうか」という問いは、非常に本質的で深いものです。それは、あいさつや遅刻といったことだけでなく、ビジネス全般にも関わってくる問いです。(pp.160-161)

▲ビルゲイツは未来の話しかしない。〇〇という未来を実現したいから、我々は存在している−こういった「ミッション・オリエンテッド(使命志向)」な考え方は、インドのインフォシスやウィプロ社と同じでしょう。

☆プロダクトやサービスがいかに優れているかではなく、その「価値観」を共有し、「あるべき未来」を実現していくという考えが重要。


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