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『大奥の座敷童子』

『大奥の座敷童子』
堀川 アサコ
講談社文庫、2016/5/13、¥713(BO410)

徳川家定の治世。奥州野笛藩では財政が逼迫し、50年前に江戸に座敷童子が行ってしまったことが原因と考えた家老が藩一の美女今井一期(いちご)を大奥に送り込む。

春画を城内にばらまく怪しい人物や妖怪に翻弄されながら座敷童子を探すイチゴだが、最後に意外な真実を見つける。

軽い読み物で楽しく読めた。

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『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』

『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』
加藤 陽子
新潮文庫、2016/6/26、¥810(有隣堂亀戸)

明治以来戦った四つの大きな戦争について時系列を追いながらその理由を考える。栄光学園の歴史部部員の中高生に向けて講義したものを書籍化した本。

その時々の日本人の置かれた立場と考え方、世界の流れがよくわかる大変勉強になる本だった。
そして、太平洋戦争に至る最後の分岐点が1933年2月の熱河作戦だったこともわかり、陸軍の頭の悪さ、政治の弱腰がどうしようもなく悲しい。

▲国際連盟は満州国を認めたいなくて、中国の領土だと言っている。だから、日本が「満州国内で軍隊を動かしている」と考えていても、連盟から見ればそうではない。33年2月は連盟が和協案を提議して、日本側に最後の妥協を図っている時だった。その連盟の努力中に、れっきとした中国の土地である熱河地域に日本軍が進行することは、「第15条による約束を無視して戦争に訴えたる」行為、つまり連盟が努力している最中に新しい戦争を始めた行為そのものに該当してしまう。そうなれば、日本はすべての連盟国の敵となってしまい、連盟規約の第16条が定める通商上・金融上の経済制裁を受けることになり、また除名という不名誉な事態も避けられなくなる。(p.366)

▲1938年に駐米国大使となった国民党中国の胡適はものすごく頭の良い人だった。彼が唱えた「日本切腹、中国介錯」論は壮絶である。中国はアメリカソビエトの力を借りなければ救われない。日本は両国の軍備が完成しないうちに中国に決定的打撃を与えるために戦争を仕掛けてくるだろう。つまり日米戦争や日ソ戦争の前に日本は中国と戦争を始める。そこで米ソをこの問題に巻き込むためには中国が日本との戦争をまずは正面から引き受けて、2・3年負けなければならない。
 第1に中国沿岸の港湾や長江の下流域がすべて占領される。そのために敵国は海軍を大動員しなければならない。第2に河北・山東・チャハル・綏遠・山西・河南と言った諸省は陥落し占領される。そのためには敵国は陸軍を大動員しなければならない。第3に長江が封鎖され、財政が崩壊し、天津・上海も占領される。そのためには日本は欧米と直接に衝突しなければならない。これを2・3年耐えることで次の効果が期待できる。
 満州に駐在した日本軍が西方や南方に移動しなければならなくなり、ソ連はつけこむ機会が来たと判断する。世界中の人が中国に同情する。英米及び香港、フィリピンが切迫した脅威を感じ、極東における居留民と利益を守ろうと、英米は軍艦を派遣せざるを得なくなる。太平洋の海戦がそれによって迫ってくる。(pp.379-384)

☆これだけ優秀な人物のいる中国に対して日本側のなんと尊大で無能だったことか。

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『銀行員大失業時代』

『銀行員大失業時代』
森本 紀行
小学館新書、2017/8/1、¥842(吉田書店)

フィンテックで銀行員の5割は職を失う。フィデューシャリーデューティーの重要性が増し、顧客満足から顧客本位へ。フィンテックでまかなえない専門知識のある人間だけが生き残る。無意識に自分の個人情報を垂れ流すな。

どんなことが書いてあるか興味があり購入した。普通のことが書いてあった。

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『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』

『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』
川上 和人
新潮社、2017/4/18、¥1,512(有隣堂亀戸)

日本に1200人しかいない鳥類学者の著者が、鳥の研究のために絶海の孤島に行ったり、できたばかりの西ノ島に上陸したりと悪戦苦闘する様を描いたノンフィクション。

そんなに鳥に興味があるわけではないが、学者先生は大変だなあと思いながら読んだ。

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『バッタを倒しにアフリカへ』

『バッタを倒しにアフリカへ』
前野ウルド浩太郎
光文社新書、2017/5/17、¥994(有隣堂亀戸)

昆虫に魅せられた著者が、非常勤から常勤の職を得るためにアフリカモーリタニアに渡り、バッタの研究をする話を描いたノンフィクション。綺麗事ではないポスドクの必死な姿が描かれており、大変面白かった。

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『影の権力者 内閣官房長官菅義偉』

『影の権力者 内閣官房長官菅義偉』
松田 賢弥
講談社+α文庫、2016/1/21、¥886(BO460)

菅官房長官の生い立ちと現在に至るまでの政治経歴を解説した本。政治家秘書からスタートし、横浜市議会、衆議院議員、そして各派閥を渡り歩いて安倍首相を総理に持ち上げるまで事細かく描かれ、大変面白く読んだ。

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『ばけもの好む中将 六 美しき獣たち』

『ばけもの好む中将 六 美しき獣たち』
瀬川 貴次
集英社文庫、 2017/6/22、¥540(博文堂書店)

今まで出ていなかった九番目の姉が主役。本当は帝の前で踊るはずだった踊りを譲った八の姉が更衣となったことで妬みを持っていた九の姉は、ひょんなことから帝の前で踊る機会を得るが、帝と更衣の間に入ることはできず、右大臣に声をかけられて右大臣の娘初草の女房になるところまで。

宗孝の姉を巻き込んだどろどろの政争が始まりそうな予感がするが、すでに妖怪の話とは全く違うところに来てしまっている。面白いからそれはそれでいいが。

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『これは経費で落ちません! 2 ~経理部の森若さん~』

『これは経費で落ちません! 2 ~経理部の森若さん~』
青木祐子
集英社オレンジ文庫、2017/4/20、¥594(有隣堂亀戸)

石鹸会社の森若さんシリーズ第2巻。広報が自分の彼氏のために経費で買った物品を流用、コーヒーメーカー購入をめぐる女の戦い、営業をやめたくて出張経費を水増しするも天才的に仕事を取れてしまうため上司が手放さない営業社員、取引先から不正にリベートをもらって家計に入れていた製造部員、と今回もなかなかシビアで身につまされる話が目白押しだった。

森若さんの恋も少し進展し、まだまだ続きそうなシリーズなので、今後も追っていきたい。

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『プライベートバンカー カネ守りと新富裕層』

『プライベートバンカー カネ守りと新富裕層』
清武英利
講談社、2016/7/13、¥1,728(有隣堂亀戸)

野村證券からシンガポール銀行ジャパンデスクに転職した杉山を中心に、日本人富裕層がどのようにしてシンガポールで税逃れをしているか実名で描くノンフィクション。

何十億という資産を持ちながら相続税逃れのためにシンガポールに5年滞在しなければならない老人、プライベートバンカーに裏切られ殺されかけた元病院長など、カネをめぐる生々しい話がこれでもかと書かれている。

シンガポールバンクのジャパンデスクもドロドロしていて、金が絡むと人間は狂うなあ、とつくづく思った。

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『捨てられる銀行2 非産運用』

『捨てられる銀行2 非産運用』
橋本 卓典
講談社現代新書、2017/4/19、¥864(有隣堂亀戸)

森信親金融長官が指導する方針のもと、大きく変わった金融行政を説明した「捨てられる銀行」の続編。本書では、金融機関が顧客に対して誠実に運用をする「フィヂューシャリーデューティー」を無視し、自らのグループ企業の利益だけを追求している現状を明らかにし、今後はそれが通用しないことを明らかにする。

森長官がいる間はいいが、今だけ面従腹背するんじゃないかと読みながら思った。(著者はそれでは通用しないと言ってはいるけれど)

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『幻想映画館』

幻想映画館 (講談社文庫)
堀川アサコ
講談社文庫、2013/5/15、¥596(BO310)

学校で無視されるようになったスミレは、商店街の映画館でバイトをすることになる。幽霊が見えるスミレは、そこであの世へ行くときにみる映画「走馬灯」を巡る事件に巻き込まれる。

スミレが幻想郵便局で出ていた楠本の大御所の孫であり、真理子さんや郵便局の面々もところどころに顔を出すなど、続編であることが明らかになっている。

読み始めはですます調の文章に戸惑うが次第に気にならなくなり、最後まで楽しく読めた。

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『新・所得倍増論』

『新・所得倍増論』
デービッド・アトキンソン
東洋経済新報社、2016/12/9、¥1,620

見かけ上の数字はまだまだしっかりしているが、一人当たりで見ていくとすでに日本はかなり落ちていると言う認識のもと、どうすれば良いか処方箋を示した本。

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