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『たましくる―イタコ千歳のあやかし事件帖』

『たましくる―イタコ千歳のあやかし事件帖』
堀川 アサコ
新潮文庫、2011/5/28、¥594(BO108)

情夫と無理心中を遂げた双子の姉の娘を前の男の実家に預ける為に幸代は弘前に向かう。そこで出会った盲目のイタコ千歳に世話を頼まれ住み込むことになると色々な事件が起こる。

北森鴻ほどの重厚さはないが、昭和初期の暗さがうまく描かれ、オカルト+ミステリーを組み合わせた物語を楽しく読めた。

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『君の膵臓をたべたい』

『君の膵臓をたべたい』
住野 よる
双葉文庫、2017/4/27、¥720(博文館書店)

本屋大賞2位ということとどの書店に行っても平積みになっていたので試しに購入。

ライトノベルやアニメでよくある「友達がいないボクがたまたま巻き込まれて可愛い女の子と仲良くなっちゃう」設定と、世界の中心で愛を叫ぶ、四月は君の嘘、いちご同盟を足して割ったような小説。

たまたま病院で出会った同級生の女子の日記を垣間見た僕が彼女に気に入られて色々付き合ううちに彼女のことを好きになっていくが、不治の病の彼女は通り魔に刺されて死んでしまう。実家に線香をあげに行ったら母親に日記を渡されて彼女の感動的な告白を読むことになる、というストーリー。

「四月の嘘」は、彼女の病状の悪化と主人公はしっかり向き合っていたが、本書の著者はそれさえ放棄して通り魔殺人で片付けてしまう。ちょっと残念な小説。

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『食堂かたつむり』

『食堂かたつむり』
小川糸
ポプラ文庫、2010/1/5、¥605(BO108)

ツバキ文具店が良かったので同じ作家のものということで。

同棲していたインド人の男に全てを持ち去られた倫子は、田舎に帰って1日一組だけの食堂を始める。幸せになれる食堂という評判が次第に広がり色々な客が訪れる。しかし久しぶりにあった母はガンで余命いくばくもなかった。倫子は母が飼っていた豚のエルメスを最後に皆で食べることにする。

大事に飼っていたエルメスをシメるところがこの小説のクライマックスだと思った。人間は命を頂いて生きている、そのことを忘れてはいけない。

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『幻想郵便局』

『幻想郵便局』
堀川 アサコ
講談社文庫、2013/1/16、¥627(BO380)

就職浪人中のアズサは探し物が得意なことから、この世とあの世を結ぶ不思議な郵便局のアルバイトに採用される。郵便局を通ってあの世に行く人を見送る中、実は郵便局の場所は狗山比売の住まう狗山神社を壊して作られたものだった。アズサにつきまとう幽霊の真理子を殺した犯人探しが解決し、郵便局が狗山比売に奪還され郵便局の面々が比売に食われたあと、アズサは都会に就職する。久しぶりに田舎に戻ったアズサは懐かしい郵便局員と再会する。

堀川 アサコはオカルト+ミステリーが得意な作家のようで、楽しく読めた。

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『100回泣いても変わらないので恋することにした。』

『100回泣いても変わらないので恋することにした。』
堀川 アサコ
新潮文庫nex、2017/6/28、¥637(有隣堂亀戸)

表紙の絵につられて購入。

学芸員の手島沙良は、孤独な人にだけ見える小さなおじさんに出会いう。祖父母に育てられた沙良のもとを長らく音信不通だった母が訪れ、同時にイケメンい言い寄られるが彼が母の愛人であり、魂胆のあることを知る。
河童伝説も絡んで不思議と現実が入り混じった物語が描かれる。

軽く読めて面白かったが、母の愛人だった男と最後に結ばれるというのはちょっと納得がいかない。

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『多動力』

『多動力』
堀江貴文
幻冬舎、2017/5/27、¥1,512(有隣堂亀戸)

「自分の好きなことだけをやれ」という堀江の一貫した主張が本書でも貫かれている。一つの仕事をコツコツやるな、人生の目的など持たず今やりたいことをやれ、など一般的な常識とは違うことを言っているが一理あるので参考になる。

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親子で楽しむ歌舞伎教室『「鬼一法眼三略巻 一條大蔵譚』

2017/07/20:国立劇場大劇場(2等席3階11列1番)

平成29年7月歌舞伎鑑賞教室「鬼一法眼三略巻 一條大蔵譚(きいちほうげんさんりゃくのまき いちじょうおおくらものがたり)」


解説 歌舞伎のみかた 坂東亀蔵  

文耕堂・長谷川千四=作
中村吉右衛門=監修
鬼一法眼三略巻(きいちほうげんさんりゃくのまき)                                 
一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり) 二幕
 檜垣茶屋の場
 大蔵館奥殿の場

一條大蔵卿長成:尾上菊之助
常盤御前:中村梅枝
鬼次郎女房お京:尾上右近
吉岡鬼次郎:坂東彦三郎

T氏ご息女が学校の歌舞伎教室で見たのを知り、菊之助の初役とのことで残り10席程度だったところ急遽チケットを購入。親子教室の日で親子がほとんどだが3階席には外国人も多数。休憩を入れて2時間半程度で1500円と大変お得だった。

亀蔵の解説は工夫が凝らされていてわかりやすかった。黒御簾を外してくれて、中を初めて見た。国性爺合戦での実演では虎が出てきて立ち回りをし、下がる時に二足歩行で帰って行ったのが受けていた。

一條大蔵譚は多分初めて見たが、わかりやすい演目で楽しく見られた。

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『あつあつを召し上がれ 』

『あつあつを召し上がれ 』
小川糸
新潮文庫、2014/4/28、¥432(有隣堂亀戸)

ツバキ文具店の著者による短編小説集。食をキーワードにさまざまなシチュエーションの話が描かれる。

最初の一編は、死の床に着いた痴呆症の祖母に、孫がかき氷を買って食べさせる話。痴呆症になってまもなく亡くなろうかという時に、まだ父母が離婚せず、祖母自身も元気だった頃に家族で食べたかき氷が、幸せの象徴として描かれて胸をうった。

他にもそれぞれ趣のある短編が描かれるが、自分は最初の一編が一番感動した。

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『格差社会を生き延びる“読書”という最強の武器』

『格差社会を生き延びる“読書”という最強の武器』
大岩 俊之
アルファポリス、2016/10/1、¥1,620

表題の通りの内容。自分の読み方と比較して参考になる点を取り入れる読み方をすれば良い本。

▲成毛によれば、「本棚は、4段×2列の、セルが最低でも8つに分かれているものが理想だ。セルに割り当てていくジャンルは、原則として、自分の好きなジャンルでいい。ただし、最低限1)サイエンス2)歴史3)経済 のせるのない本棚は、社会人として作ってはならない」(p.61)

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『キケン』

『キケン』
有川浩
新潮文庫、2013/6/26、¥594(BO108)

買ってすぐに読んでいたのを忘れてもう一度読んでしまった。

成南電気工科大学の機械制御研究部は部長上野、副部長大神に率いられた危ないサークル。一年生で入った元山と池谷は、他に入った7名の一年生と共に危ない大学生活を満喫する。

卒業してかなり経った元山の回想として語られる物語は、誰にでもある大学時代へのノスタルジーと今の自分はもう若くないという若干の失望をないまぜにした感情をうまく描いている。特に二章を費やす文化祭でのラーメン屋台の話はとても面白く読んだ。

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『ツバキ文具店』

『ツバキ文具店』
小川糸
幻冬舎、2016/4/21、¥1,512(有隣堂亀戸)

本屋で何度か平積みになっていて、本屋大賞ノミネートの帯にもつられて購入。

鎌倉で祖母が営んでいた文具店兼代書屋。祖母が亡くなってから鎌倉に戻った鳩子通称ポッポちゃんは、文具店を再開する。代書を頼みにくる客の頼みに応じながら、隣に住むバーバラ夫人や学校の教師であるパンティーたちとの交流をして流れる穏やかな時間が四季折々に描かれる。

代書で書いた手紙が手書きのまま本に印刷されていることで、ポッポちゃんの気持ちと代書を頼んだ人の気持ち、そして受け取るであろう人の気持ちになりながら読むことができる。また、うまくいかなかった祖母との関係が、ポッポちゃんの中で鎌倉の時間の流れとともに和解に至る。誰にでもある様々な問題を、優しい眼差しで見つめながら鎌倉の四季を描く、穏やかで心温まる本。

良書。

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