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『氷平線』

『氷平線』
桜木紫乃
文春文庫、2012/4/10、¥637(博文堂信濃町)

北海道を舞台にした短編集。特に印象に残ったのは、

「雪虫」 フィリピンから嫁をとった達郎は、すでに人妻となった幼馴染の四季子と不倫をしていたが、健気な嫁マリーと暮らすうち、彼女を嫁として大事にすることを決心する。

「霧繭」 着物の仕立てを生業とする真紀は、師匠の千代野から看板を譲られる。市内の大手呉服店の女将ひな子は、ひな子は、真紀がかつて関係を持ったことのある呉服店の部長山本との関係を復活されるために一計を案じる。

「水の棺」 西出歯科クリニックで働く歯科医師良子は、院長の西出との関係を清算し、僻地の歯科医院へ赴任する。西出はその経営方針を誹謗中傷され、閉院を余儀なくされる。良子は、脳梗塞で倒れた西出を引き取ることを決意する。

●結婚と離婚を経て四十を目前にしてみると、困った時に一人で切り抜ける覚悟さえしておけば、案外困難などは訪れないものだということもわかってきた。厄災は、人に頼る気持ちが引き寄せる。今頃になって、それが母の口癖だったことを思い出した。(「霧繭」p.70)

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