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『無花果とムーン』

『無花果とムーン』
桜庭 一樹
角川文庫、2016/1/23、¥691(博文堂信濃町)

18歳の女子高生月夜は、血の繋がらない次兄奈落をアレルギーで亡くなるところを見て動転する。周りが気を使う中、月夜は奈落をあの世から呼び戻し、外からやってきた青年の体を借りた彼と一夏の不思議な経験をする。

この小説は、あとがきに書かれた本書の発想についての解説が面白かった。本書は内田樹の「もう一度村上春樹にご用心」に書かれた腹式夢幻能を下敷きに書かれていて、それは「正しい壮麗を受けていない死者が吹く模写の任に当たるべき聖者の元を繰り返し訪れるという話題は人類の発生と同じだけ古い。だから、あらゆる文学作品の中にその話型は繰り返される」という引用によって明らかにされている。

本書は内容も面白かったが、形式を意識して読むと一層面白さがわかる小説と言える。

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