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『桐島、部活やめるってよ』

『桐島、部活やめるってよ』
朝井リョウ
集英社文庫、2010/2/5、¥514(借)

バレー部のキャプテン桐島が退部した、という事実をめぐり、その噂を聞いた高校の生徒が見せる反応をオムニバスで見せた本。何か大きな物語があるというわけではなく、あくまで高校生の心象風景を描く、という形式なので、単調。それぞれの登場人物の心の傷や、感情には興味を持てるが、文章が非常に読みづらく、物語世界に入りづらかった。桐島が出てこないので、最後までスッキリしなかった。

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『泣き虫弱虫諸葛孔明 第四部』

『泣き虫弱虫諸葛孔明 第四部』
酒見 賢一
文藝春秋、2014/11/21、¥2,376(amazon)

劉備の蜀入りから、関羽、張飛の死、曹操の死、劉備の死まで。この辺りから三国志もスターが続々鬼籍に入り、血湧き肉躍る物語も終わりを感じさせるようになる。次巻は孔明の死まで描かれるだろうが、最後まで読めるか自信がない。

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『天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある』

『天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある』
山口 真由
扶桑社、2014/1/16、¥1,404(amazon360)

7回読みの著者による努力の方法論。努力を続けることで、天才に等しい成果を生むことができる、というのが著者の主張。が、東大、司法試験を通った人物にそう言われても、そもそもそれができない人もいる、と考えれば、すべての人に当てはまる本ではないとも言える。ところどころ参考になる点はあるので、参考にしたい。

▲努力を始めるための方法論として、ちょっと気恥ずかしい話ですが、私が個人的にやっているのは、パソコンのパスワードを努力目標のキーワードにしてしまうことです。(p.97)

▲選挙の投票行動(R=reward)について、一つの指揮を習いました。
R=P*B-C+D
Pというのは、自分の投票行動が選挙結果に影響を与える確率(possibility)についての、ある有権者による主観的予測のこと。Bh、ある有権者にとっての政党間の期待効用差(benefit)のこと。P*Bで投票行動によって得られる効用が出る。Cは投票参加にかかる労力や費用。一般的に投票行動によって得られる効用からコストを引くとマイナスになる。
 そこで、Dが重要になる。Dは、投票に参加すること自体が長期的にはデモクラシーの体制維持に寄与するという信念の強さ、あるいは投票しなければならないという義務感(duty)のことを指す。
 Dは自分は自分で決めたルールを守り続けてきたという信念に関わる指標。(pp.123-124)

●二兎を追う者は一兎をも得ず。このような諺がありますが、努力はまさにこれに当てはまります。二つのことを同時に折ってしまうと、結局失敗してしまう。(pp.147-148)

●ルールを決める際には、必ず抜け道が必要であるということです。また、その抜け道は自分を説得するための正当な理由がつけられることがポイントです。(p.179)

☆例えば、「自ら遊びを提案してはいけない。また、人の誘いは2度までは断る」というもの。

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『君はどこにでも行ける』

『君はどこにでも行ける』
堀江貴文
徳間書店、2016/3/25、¥1,404(amazon)

世界の中での日本の立ち位置を、堀江が自らの旅行体験などにより分析した本。日本はかつてと異なり、世界の中で非常に安い国になり、アジアの中での地位も相対的に低くなった。我々は、その安い日本をデミリットと思わずにメリットに変えるよう努力するべき、というのが主な主張。

●移民反対派の人たちは、重要な現実を一つ理解していない。
移民が解禁されたとして、アジアから日本へ移民が大挙してやってくると考えているのかもしれないが、そんなことはない。移民は、予想されているほどには来ない。日本はアジアの新興国の移民たちから、一番に選びたい国ではなくなっいるのだ。(p.56)

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『泣き虫弱虫諸葛孔明 第参部』

『泣き虫弱虫諸葛孔明 第参部』
酒見 賢一
文春文庫、2015/2/6、¥1,015(amazon)

三国演技を基礎に描かれながらも、ところどころ突っ込みを入れるという独特のスタイルの三国志の第3部。赤壁から周瑜の死まで。

文庫にもかかわらず厚い本だが、内容が濃く、一気に読んだ。

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『ワーキング・ホリデー』

『ワーキング・ホリデー』
坂木 司
文春文庫、 2010/1/8、¥670(BO360)

売れないホストをしていた沖田大和の元に突然息子を名乗る小学生・進が現れる。客を殴ったことでクビになった大和は、オーナーのジャスミンの計らいで宅配便の配達員に転職する。家に上がり込んだ進は料理屋掃除など何でもこなすできた少年だった。不思議な同居生活を始めた二人は夏休みの間に様々な経験を通じ親子の絆を深めていく。

ホストをしているような男がいきなり現れた小学生を本書のように自然に受け入れるかどうか。また、別れて10年も経ち連絡も取らなかった妻由希子が、どのような気持ちで息子を父の元に送ったのか。少し現実味が乏しいとも言えるが、ある種のおとぎ話として楽しく読んだ。本書の登場人物のようにお互いをいたわれる人達ばかりであればもっといい世界になっていただろう、としみじみした。

▲「あたしと仕事と、どっちが大切なの!』
女はこの台詞が意味なんかなさないことを最初から知っている。けれど、それでも口に出さずにはいられない時があるのだ。それは。
「…寂しいんだよね。会えなくてつらくって、高らあえてすっごく嬉しいのに文句言っちゃうんだ。それでいっつも喧嘩になっちゃう」
 そうしてこんなに寂しい思いをさせるの。あなたが好きだからこんなに辛いんだよ?月じゃなきゃこんなに怒らないんだからね?そこんとこ、わかってるの?
「ただ、ごめんねって抱きしめてほしかっただけなの…」(pp.234-235)

▲あいつが背中を向けて去った後、俺はただ落ち葉の舞い散る路上に呆然と立ち尽くしていた。
 ホストのヤマトから言わせてもらうと、これは典型的な馬鹿男の行動だ。苗zなら、この時点で彼女の心はまだ取り返しがついたから。自分のために馬鹿をやる男に絶望し、別れを告げる。それは、例の痴話喧嘩と同じで、翻訳が必要な女の言葉だ。
 どうしてこんなに辛い思いをさせるの。あなたが好きだからこそ、あなたが怪我したら私も辛いんだよ?好きじゃなきゃこんなに辛くないんだからね?そこんとこ、わかってるの?
(ごめん、って抱きしめればよかっただけなのに)
 あの時、すぐに追いかけていれば。どんなに怒られても謝っていれば。しかし正解を知らない俺は、自分の感情に溺れるだけ溺れて由希子を置き去りにした。まさかその腹のなかに、俺たちのガキがいるなんて考えもせず。(pp.239-240)

☆自分を省みて、あのときああしていれば、と思い出すことが少し。

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『レインツリーの国』

『レインツリーの国』
有川 浩
角川文庫、 2015/9/24、¥511(BO310)

伸行は昔読んだ一冊の本についてネットで調べるうち、「レインツリーの国」というブログに行き当たる。ブログ主ひろみとメールを交わすうち、恋に落ちた伸行は、ひろみと会う約束をする。しかし、デートの最中彼女に鈍さに苛立ち彼女にきつい言葉を投げかけてしまう。実は難聴で耳が聞こえなかったひろみは、失望しつつ伸行の元を去る。再度メールを交わすうち、真剣な恋に発展し、伸行はひろみを叔母の美容室に連れて行き、ロングヘアを短く切らせ、補聴器が外から見えるようにし、自信をもたせていく。

主に文通形式で物語が進むが、その部分は書体が違い、若干読みづらかった。物語自体は自分にはちょっと甘すぎて読み通すのに苦労した。もう少し薄味の方が好み。

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『池袋ウエストゲートパーク』

『池袋ウエストゲートパーク』
石田 衣良
文春文庫、2001/7/10、¥637(BO310)

今まで読まず嫌いをしていたので読んでみた。

一時期渋谷などでカラーボーイズが流行っていて、多分彼らを題材にしてストリート系に仕上げた小説。池袋にはあまり縁がないが、何度か行った感じでは本作ほど荒れている感じはしなかったので、あくまでも小説世界での池袋tという設定だと思う。小説のテイストとしては村上龍を少し軽くした感じで、北森鴻の親不孝通りシリーズに似ている。文章に体言止めが多く、若干読みづらく小説世界に合わせるのに苦労したが、展開が早くどんどん読み進められるので、リアリティを横に置いた小説としてそれなりに面白く読んだ。

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『天鬼越: 蓮丈那智フィールドファイルV』

『天鬼越: 蓮丈那智フィールドファイルV』
北森 鴻 (著)、浅野 里沙子 (著)
新潮文庫、2016/3/27、¥680(有隣堂亀戸)

蓮丈那智シリーズ。北森が亡くなった後、残ったプロットで浅野が書き、それ以外は浅野が構想から書いた短編集。

これで最後と思うと残念。

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『ファーストクラスに乗る人の人脈-人生を豊かにする友達をつくる65の工夫』

『ファーストクラスに乗る人の人脈-人生を豊かにする友達をつくる65の工夫』
中谷 彰宏
きずな出版、2015/5/21、¥1,512(BO1,060)

タイトルと内容が今ひとつ一致しない本。ファーストクラスに乗る人と友人になるためには、ファーストクラスに乗る人の習慣を学び、三流から一流になることが重要だ、という趣旨だが、内容は、帯に「一人になると、味方が現れる」と
あるように、今周囲にいる人たちと群れず、一人になることを目指そう、と主張している。結果として、タイトルとは特に関係なく、一般的な自己啓発を列挙した本になっている。ファーストクラスを期待するとあまり満足できないが、一般的な自己啓発書としてはところどころ参考になる点はあった。

●仲良し友達3人の平均が、あなたの年収だ。
 誰もがそれぞれのレベルでちゃんとしているのです。そのレベルは、付き合っている仲間で決まります。三流校は、勉強していないのが普通です。進学校は、勉強しているのが普通です。だから、「普通のことしかしていません」というのです。(pp.124-125)

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『バベル九朔』

『バベル九朔』
万城目 学
角川書店、2016/3/19、¥1,728(amazon)

小説家を目指す主人公は、会社を辞め祖父が建てた雑居ビルバベル九朔の管理人になる。応募してもなかなか受賞しない主人公はいよいよ追い詰められた日々を送っている。そんな時、カラスが女に化けて「バベルはどこ?」と謎の問いを発しながら主人公に迫ってくる。追いかけられながら不思議な絵に触れた瞬間、その世界に取り込まれ、祖父が作ったバベルの世界に迷い込む。出口を探すうち、叔母の影である少女初恵に導かれ、塔の上へ上へと登っていく。祖父に陥れられたことを察した主人公は、少女をバベルの世界から逃し、自らはバベルの管理人となることを決心する。

前半は、著者が小説家になる前の焦燥感を描いた自叙伝風小説。後半は裏返しになった世界で主人公に決心を迫っていく物語。後半は村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」風。10周年記念ということで純文学風を狙ったのかと思うが、著者の思うほど上手く練りこまれていないように感じた。「世界の終わり」に似た世界観だが、ところどころ意味の不明な展開があり、同じ難解な展開でも、一応理屈が通る村上と違い、理屈が今ひとつ判らなかった。同じk「影」を扱った小説ではあるのだけれど、例えば、なぜ自分が逃げずに影である少女を元の世界に逃したのか。そこに何らかの意味はあるのか、自分の読解力ではスッキリしなかった。

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