« 『フリーター、家を買う。』 | トップページ | 『いつか陽のあたる場所で』 »

『青空の卵』

『青空の卵』
坂木 司
創元推理文庫、2006/2/23、¥802(博文堂書店)

「和菓子のアン」の作者のデビュー作。引きこもりのプログラマー鳥井真一と、彼の面倒を見る親友の僕、坂木司。僕の身近に起こった不思議な事件を鳥井が鋭い観察眼で解決していく。ミステリーというより人情物という感じの小説。鳥井は幼い頃母に捨てられ、父との関係もうまく結べず、唯一坂木とのつながりが世間への窓口になっている。

デビュー作としては非常に良くできている。構造としては北森鴻の香菜里屋シリーズに似て、登場人物がどんどん増えて行くようになっているが、ほんのすこし練り込みが足りず、作者がすこし話の筋を無理に持って行っている部分が感じられた。

●「優しくしてあげればいいんだよ。困っている人には、声をかけてあげればいい。なに、簡単なことじゃないか。一番近くにいる人からはじめて、まだ手がとどくようだったら、もう少し先の人に優しく。そういう風にしていけば、いつか遠くにも届くだろう?」(坂木の祖母の言葉、p.392)

|

« 『フリーター、家を買う。』 | トップページ | 『いつか陽のあたる場所で』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/40886/63485245

この記事へのトラックバック一覧です: 『青空の卵』:

« 『フリーター、家を買う。』 | トップページ | 『いつか陽のあたる場所で』 »