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『ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく』

『ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく』
堀江 貴文
ダイヤモンド社、2013/11/1、¥1,512(BO510)

堀江の出所後の心境が語られた本。毀誉褒貶のある人物だが、本書を読むと一貫した思想を持っていることはわかる。それが妥当かどうかは人によって評価は分かれるが、一つの生き方として感銘を受けた。

特に、離婚して一人取り残された時の孤独感は、真実の響きがあり、そこからの立ち直りの過程など、著者に感情移入した。

●重傷ば僕は、ずっと前から知っていた。
 働いていれば一人にならずに済む。働いていれば、誰かと繋がり、社会と繋がることができる。そして働いていれば、自分が生きていることを実感し、人としての尊厳を取り戻すことができるのだと。
 だからこそ、僕の願いは「働きたい」だったのだ。(p.27)

☆働く理由。

●もし、あなたが「変わりたい」と願っているのなら、僕のアドバイスは一つだ。ゼロの自分に、イチを足そう。(p.33)

☆0になにをかけても0だから、まずは足し算から。

●僕には確信がある。どんなにたくさん勉強したところで、どんなにたくさんの本を読んだところで、人は変わらない。自分を変え、周囲を動かし、自由を手に入れるための唯一の手段、それは「働くこと」なのだ。(pp.13-14)

●過去問を何度も読み返した結果、僕の辿りついた結論はこうだった。
 受験英語とは、とにかく英単語を極めることに尽きる。文法に惑わされてしまうのも、すべては単語の意味を散り違えているからだ。単語力の強化が、そのまま英語力の強化に直結する。[略]
 ただ暗記すると言っても、よくある単語カードによる暗記ではない。単語帳の隅から隅まで、派生語や例文も含めて全ての文言を「丸暗記」していくのだ。(pp.75-76)

●チャンスだけは誰にでも平等に流れてくる。[略]
 目の前に流れてきたハンスに躊躇なく飛びつくことができるか。そこが問題なのである。(p.100)

●ルールづくりのポイントは、とにかく「遠くを見ないこと」に尽きる。
 受験の場合も、例えば東大合格といった「将来の大目標」を意識し続けるのではなく、まずは「1日2ページ」というノルマを自分に課し、来る日も来る日も「今日の目標」を達成することだけを考える。
 人は本質的に怠け者だ。長期的で大きな目標を掲げると、迷いや気のゆるみが生じて、うまく没頭できなくなる。そこで「今日という1日」にギリギリ達成可能なレベルの目標を掲げ、今日の目標に向かって猛ダッシュしていくのである。(p.130)

●「できっこない」という心の蓋さえ外してしまえば、「やりたいこと」なんて湯水のように溢れ出てくるのだ。(pp.133-134)

●ハッタリをかますこと、背伸びをすることは、決して悪いことじゃない。他者からの信用を獲得していくために、絶対に乗り越えなければならないハードルなのだ。(p.149)

●やりたいことは全部やれ!
 なぜなら、人は「ここでいいや」と満足してしまった瞬間、思考停止に突入してしまうのだ。(p.154)

●もともと座右の銘など持っていないのだが、あまりに多く聞かれる質問なので、いつの頃からか「諸行無常、ですよ」と答えることにしている。これは座右の銘でも仏教的な心構えでもなく、世の中の真理だ。(p.183)

☆諸行無常。

●僕の結論ははっきりしている。ネガティブなことを考える人は、ヒマなのだ。ヒマがあるから、そんなどうでもいいことを考えるのだ。[略]
 もしあなたがポジティブになりたいというのなら、やるべきことはシンプルである。うじうじ悩んでないで、働けばいい。「自分にはできないかもしれない」なんて躊躇しないで、目の前のチャンスに飛びつけばいい。与えられた24時間を、仕事と遊びで埋め尽くせばいいのだ。(p.206)

☆ネガティブなのはヒマだから。

●仕事の質は、ひとえに「集中力×時間」で決まるものだ。(p.209)

●インターネットの普及によって、アイデアの価値はどんどん均一化されてきている。アイデアは頭の中からひねり出す時代から、インターネットで検索し、組み合わせる時代になっているのだ。
 そこで勝負を分けるのが、スピードと実行力である。
 手持ちのアイデアを、いかに具体的な行動に落とし込めるか。そのために一歩踏み出す勇気を持ち合わせているか。(p.215)

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映画『オデッセイ』

映画『オデッセイ』
109シネマズ木場

『火星の人』の映画化。かなり忠実に映像化されていて、しらけることなく楽しめた。

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『ニッポンの文学』

『講談社現代新書』
佐々木敦
講談社現代新書、2016/2/17、¥929(有隣堂亀戸)

著者の経験に基づく「文学」論なので、1970年代から2010年代までの大まかな流れについて私見を述べた本。取り上げられる分野や著者は必ずしも網羅的ではなく、著者の好みが出ているので、これ一冊で全てを理解したことにはならない。ただ、大文字の権威ある「文学」が、時代を経るにつれ、SFやミステリーなどと同列のジャンル小説としての「文学」になっていく、という著者の主張は説得力があった。

著者と自分の読書嗜好が同じではないので、なぜこの著者が取り上げられないのか、という不満は当然あるが、それを承知の上で書かれた本であり、それを承知した上で読むべき本である。そして、「文学は芥川賞や直木賞があるから文学なのである」という著者の言明は、非常にわかりやすく、小説全体の中に置かれた「文学」の立ち位置について理解することができた。

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『お金持ちにはなぜ、お金が集まるのか』

『お金持ちにはなぜ、お金が集まるのか』
鳥居 祐一
PHP文庫、2016/2/3、¥648(有隣堂亀戸)

お金は貯め方ではなく、使い方で集まり方が変わる、というコンセプトで書かれた本。一言で言えば、ただ貯めるのではなく、使いどころでは気前よく使え、ということ。

●私がメンターから教えられた人付き合いに関することの中で、すごく印象に残っているのが次の一言です。
「お金のない人とは付き合うな!」(p.149)

●もし、あなたがグチや人の悪口ばかり言っている人たちと付き合っているのなら、今すぐ付き合うのをやめましょう。そして、今の自分よりも高いステージで活躍している人、経済的にも精神的にも豊かな人とだけ付き合うようにしましょう。
 類は友を呼ぶといいますが、付き合う人によってあなたの人生が決まってしまうからです。残念ながらこれは事実です。(p.153)

●ここで人生を上手く行かせるちょっとしたコツをお教えします。それは、誰かに何かを頼まれたら、進んで喜んでやってあげるということです。それもすぐにやってあげるのです。私はこの考えを実践してきて、人生、どれだけ得をしてきたかわかりません。この「すぐにやる」というスピードがとても大事なのです。
 もし誰かに「こう言う人を紹介してもらえませんか?」と聞かれたら、私はその場で、「では今から◯◯さんに電話してみますね」と対応します。(p.190)

●また、ジム(メンター)は「『正しい人』とだけ付き合いなさい!」と口を酸っぱくして行っていました。
「正しい人」というのは、あなたの成幸を手助けしてくれる人、あなたの目標や夢の実現をサポートしてくれる人、あなたを成幸に導いてくれる人、あなたを応援してくれる人、その人から学べるような人のことです。一言で言えば「あなたの目標達成にプラスになる人」であり、単に同情してくれたり、慰めてくれる人ではありません。(p.231)

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『神の子どもたちはみな踊る』

『神の子どもたちはみな踊る』
村上 春樹
新潮文庫、2002/2/28、¥529(BO108)

それぞれまったく違うプロットの短編を集めた本のように見えるが、通底しているのは、阪神大震災、サリン事件とそれまで盤石だと思われた社会構造が大きな揺らぎを見せる中で、人々が無意識にその動揺に立ち向かう姿勢を描いているところ。

「かえるくん、東京を救う」は、まさに人々の無意識的集合意識が社会を維持しているのだ、ということを比喩しているように読めた。

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『いとみち 三の糸』

『いとみち 三の糸』
越谷 オサム
新潮社、2014/4/22、¥1,512(L)

津軽メイド珈琲店でアルバイトする相馬いとは、高校3年生になり、進路に悩むようになる。友人たちはそれぞれ進路を決め、親友の早苗は看護師を目指す。いとは、オープンキャンパスで東京と仙台の大学を見学し、都市工学を学ぶために仙台の大学を目指す。先輩メイドで漫画家を目指して上京した智美の妹チハルの不真面目な態度に業を煮やしたいとは、ついに我慢できず説教し、雨降って地固まるの通り、チハルは素直に言うことを聞くようになる。

弘前二号店の開店に伴い、新しいメイド募集が行われ、早苗といとの祖母ハツエが新人メイドとして採用される。いとは、夏休みと冬休みの間に三味線を弾くためにバイトを続けることになり、三味線を弾ける後輩こまもメイドとして採用される。

相馬いとの成長物語としての三部作はこれで完結した。安心して読み進めることができ、楽しく読めた。

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『いとみち 二の糸』

『いとみち 二の糸』
越谷 オサム
新潮文庫、2015/1/28、¥724(L)

青森のメイドカフェでバイトをする内気な相馬いとは、高校2年になる。新しい後輩バイトも入り、親友たちと写真部を作る。写真部に入った男子後輩に淡い恋心を抱きつつ、親友と初めての喧嘩をしてしまう。メイドカフェでの先輩メイドの一人智美は漫画家を目指していたが、新人賞に入選し、上京することになる。チーフメイドの幸子は、店長との恋が実る。三味線を持つと人が変わり大胆になるいとは、少しずつ成長する。

三味線の勢いそのままに、楽しく読むことができた。青春小説としてとてもよくできている。上京後の智美を描いた短編も、智美らしさが出ていて面白く読んだ。

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『しんがり 山一證券最後の12人 』

『しんがり 山一證券最後の12人 』
清武 英利
講談社+α文庫、2015/8/21、¥972(有隣堂亀戸)

1997年に自主廃業した山一証券。破綻が決まり、会社幹部のモラルが崩壊し、会社がバラバラになりかかった時に、粛々と清算業務と社内調査を進めた部署があった。それまで場末といわれ軽んじられてきた業務監理本部に所属する社員たちだった。

山一破たんの原因となった「にぎり」取引の発端から、簿外債務の隠蔽まで、いかに社外の調査を免れてきたか、どのように破たんに向かって突き進んでしまったのか、が克明に描かれ、当時の緊迫感を覚えている自分としては、臨場感をもって読むことができた。

「しんがり」を務めた業監の話が主題ではあるが、「会社は頭から腐る」を地でいく例として、反面教師として自らを戒めながら読んだ。山一トップのいかに優柔不断で遵法意識の低かったことか、本当に信じられないほどひどいものだと思った。

大変な力作。

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『宿澤広朗 運を支配した男』

『宿澤広朗 運を支配した男』
加藤仁
講談社+α文庫、2016/1/21、¥778(有隣堂亀戸)

早稲田大学を卒業し、住友銀行に勤めながらラグビー日本代表監督を務めた宿澤の生涯を描いたノンフィクション。三井住友銀行の頭取候補と言われながら山登りの途中で心筋梗塞で夭折し、世に惜しまれた。

162cmという身長でありながら努力を重ね、大学ラグビーで2年連続優勝、社会人との対戦でも勝ち、2年連続日本一という偉業を達成できたのはなぜか。「努力は運を支配する」という信念を持ち、常に前向きに事に当たったという宿澤の生き様は、読んでいて魂が震えた。

●「努力は運を支配する」(p.20)

●"絶対に勝て"とか"死ぬ気で頑張れ"とかいうのは比較的易しいことである。また、そのような言葉で選手の気力を向上させることも容易な場合がある。しかし本当に必要なことは、"絶対に勝て"ということより"どうやって"勝つのかを考え指導することであり、"頑張れ"というなら"どこでどのように"具体的にかつ理論的に"頑張る "のか指示することではないだろうか。(p.37)


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『俺は、中小企業のおやじ』

『俺は、中小企業のおやじ』
鈴木 修
日本経済新聞出版社、2009/2/24、¥1,836(BO360)

スズキの会長兼社長(当時)による経営論。売上3兆円になっても付加価値ベースでは中小企業に過ぎないという認識から常に危機意識を持ち、いかに会社を導いてきたかが書かれている。一度は娘婿に渡すことを考えながら、その夭折によって断念せざるをえなかった時の無念が真に迫っている。

二つのポケット(仕入れ金額に至るまでは一つのポケットにお金を入れ、それを超えた時に初めてもう一つのポケットにお金を入れる。それが利益として使える金ということ)の考え方は単純だがわかりやすく参考になった。

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『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』
村上 春樹
文春文庫、2015/12/4、¥788(有隣堂亀戸)

主人公の多崎つくるは、名古屋の高校で仲良し5人組だったが、大学受験を機に東京に上京し、2年の夏に突然名古屋に残った4人から絶縁を言い渡される。理由も全くわからず自我が崩壊したつくるは、死の淵に追いやられるもなんとか踏みとどまり、鉄道会社の駅を作る仕事に就く。16年後、付き合い始めた沙羅にそのことを打ち明けたつくるは、なぜ絶縁されたか彼らに聞いて解決すべきだと諭される。そしてつくるの巡礼が始まった。

村上春樹の小説は、具体的な説明がなく投げっぱなしのエピソードがよくあるが、本作では、大学で一時期友人となった灰田の父親が、若い頃に出会った緑川という人物についてのエピソードがそれにあたる。死神と契約すると、世の中について全てを見通すことができるが、近日中に死に至る、という話だが、何を言いたいのか全くわからなかった。

話の筋としては、心に傷を抱えた主人公が様々な経験を通じて自分を取り戻す、という村上春樹に共通したよくある話だと思うが、結局最後に結論が沙羅に投げられているところで終わるので、救われるかどうかはわからない。現実問題として、別に女に振られたから死ぬというのはあまりないことだが、村上小説の中では現実として受容できるだろう。

「だから何」という説明を許さないのが村上春樹小説だと思うので、それを受け入れた上で、楽しく読むことができた。

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『The Lake House』

『The Lake House』
Kate Morton
Mantle; Air Iri OME版、2015/10/22、Kindle¥1,200

Kate Mortonの長編ミステリー。主人公の刑事が受け持っていた事件、謹慎中に遭遇したコールドケース、彼女自身の問題、と三種の事件が並行するので流れを理解するまで時間がかかった。

7*44lines*596pages*0.85density=156,000words
156,000/19h/60=136words/minute

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『本をめぐる物語 栞は夢をみる』

『本をめぐる物語 栞は夢をみる』
大島 真寿美、柴崎 友香、福田 和代、中山 七里、雀野 日名子、その他

「本」をテーマにダヴィンチ編集部がまとめた短編小説8編。何かテーマがあるわけではなく、「本」に関係あれば何でも良いということで書いたらしく、暖かい物語からホラー風まで一貫性なくまとめられている。

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