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『江ノ島西浦写真館』

『江ノ島西浦写真館』
三上 延
光文社、2015/12/16、¥1,296(有隣堂亀戸)

亡くなった祖母が経営していた江ノ島の写真館。遺品整理を頼まれた孫の桂木繭は、昔友人を写真で傷つけたことから写真を見ることを避けていた。写真を受け取りに来た青年真鳥に手伝われ、遺品整理を進めるうちに昔の事件を思い出す。

もともと一つの短編だったものを、単行本化するにあたり連作化した小説。友人に裏切られ、写真をメディアに売られたことで幼馴染で芸能人だった琉衣を失い、最後に再会するという話で、かっちりしたミステリーではないが、ふわっとした読後感があり、帯に書かれた「さめない夢のようなミステリ」という謳い文句が言い得て妙。

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『いとみち』

『いとみち』
越谷 オサム
新潮文庫、2013/10/28、¥637(有隣堂亀戸)

青森の高校に通う16歳の相馬いとは、メイド服を着たいというちょっとした願いから、メイドカフェでバイトを始める。津軽訛りがひどく、人見知りでドジないとは、先輩メイドで子持ちの幸子や漫画家になるのが夢の智美らに鍛えられながら次第に成長していく。思わぬ事件でオーナーが逮捕され、津軽メイド珈琲店が閉店の危機に立った時、いとは特技の三味線を弾くことで店を盛り上げる決心をする。

解説にもあるが、ラノベと一般小説のちょうど境目にあるような、多少デフォルメされたところはあるがギリギリ現実として通じるような小説。いとの成長を微笑ましく眺め、メイドカフェの客の一人になったような気持ちで読むことができた。

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『異人館画廊 幻想庭園と罠のある風景』

『異人館画廊 幻想庭園と罠のある風景』
谷 瑞恵
集英社オレンジ文庫、2015/8/20、¥616(L)

図像術が施されているという噂のブリューゲルの絵を見るために離島に住む波田野を訪ねた千景と透磨。絵を見るために庭園の謎を解け、と言われた千景は父・伸郎の設計による庭園を見て苦しむ。波田野の息子が起こした事件を追ううち、実はその手下と目されていた男が真犯人と気づく。

題材が図像術という聞きなれないものではあるが、展開としては最近流行りの「ビブリア系」と言って良いと思う。ビブリアが古書をめぐる人間関係や謎を解き明かし、同時進行で親との葛藤を描くのに対し、本シリーズは図像術をダシにして千景をめぐる人間関係と両親との葛藤を描く、という構造。とりあえず難しく考えず。著者の用意した舞台位に素直に乗って楽しむ本。

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『ロスジェネの逆襲』

『ロスジェネの逆襲』
池井戸 潤
文春文庫、2015/9/2、¥756(BO410)

半沢直樹シリーズ第3作。東京中央銀行の証券子会社東京セントラル証券に出向した半沢の元にIT企業電脳雑技集団による企業買収案件が持ち込まれる。しかし途中で銀行に横取りされ、様々な経緯により、買収される側の東京スパイラルの財務アドバイザーになる。買収防衛を進める中で電脳雑技団の秘密に気づいた半沢は、逆転の道を探る。

読み始めたら止まらずに一気に読んだ。

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