『人生を面白くする 本物の教養』
『人生を面白くする 本物の教養』
出口 治明
幻冬舎新書、2015/9/30、¥864(丸善日本橋)
「教養とは人生における面白いことを増やすためのツール。 であるとともに、グローバル化したビジネス社会を
生き抜くための最強の武器である」を謳い文句に、教養とは何か、どのように身につけるか、について書いた本。出口にしろ佐藤優にしろ、「教養」が最近のキーワードになっているようだ。
●日米の大学生が在学中にどのくらい本を読んでいるかを調べた調査がありました。それによると、日本の大学生が平均約100冊の本を読んでいるのに対して、アメリカの大学生は平均約400冊という結果が出ていました。実に日本の四倍、勉強量に圧倒的な差があります。(p.42)
▲オックスフォード大学のあるカレッジの学長が、オックスフォードの学生には自国の没落をリアルに認識し、いかにそのスピードを緩めるかがいかにチャレンジングな難しい仕事であるかを理解してほしいと言いましたが、驚くと同時に感動を覚えました。オックスフォード大学は恐ろしいほどのリアリズムと深い哲学のもとに、未来のリーダーたちに本当に必要な教育を展開しようとしているのです。(p.48)
☆佐藤と同じことを考えている。
●物事を考えるには、いくつかのコツがあります。その第一は、「タテ」と「ヨコ」で考えるということです。「タテ」は時間軸、歴史軸、「ヨコ」は空間軸、世界軸です。(p.63)
●日本の新聞に加えて英字紙を読めば、「世の中」が世界に広がります。私は前職で海外業務を担当していた時には、FT(フィナンシャルタイムズ)やエコノミストを読んでいました。タイトルを眺めるだけでも、欧米人はどのようなテーマに敏感なのかが、なんとなくわかるようになります。(p.82)
●「門前の小僧、習わぬ経を読む」ということわざがありますが、それは当たっていて、とにかく大量の情報に接すると、おのずとその分野に関して造詣が深くなるものです。好きな分野であれば四の五の言わずに情報収集に努めること、ひたすら量を積み重ねること、それも知の蓄積のコツの一つです。(p.84)
●本を読むスピードを上げる最も効果的な方法は、本をたくさん読むことです。例えば、英語の文章を読むのに、英語に通じている人が読むのとそうでない人が読むのでは、格段にスピードに差が生じます。(p.104)
●グローバル基準で考えれば手捕り年収の半年分ないし1年分は預貯金に置いておくのが普通です。(p.167)
●[中国の大学での] 講義を終えて、大学のゲストハウスに泊めてもらうことになり、そこへ行ったら、女子学生が薄暗い受付に座っていました。彼女はひたすら英語の本を読んでいて、私が近づいても気付かないくらい集中していました。ハングリーの度合いが日本人とはまるで違うのです。このエネルギーが中国の高度成長の下支えになっているのではないでしょうか。(p.212)
●一年は1日24時間×365日で8760時間です。っでは、そのうち仕事をしている時間はどれくらいかというと、残業を入れてもせいぜい2000時間程度です。ということは、私たちが使徒後に費やしている時間は、8760分の2000ですから二割ちょっとにしかなりません。(p.232)
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