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『ニコニコ哲学 川上量生の胸のうち』

『ニコニコ哲学 川上量生の胸のうち』
川上 量生
日経BP社、2014/11/14、¥1,620(BO760)

角川と合併したドワンゴの社長となった川上の考え方を、ウェブメディアcakesの加藤貞顕が聞き手としてインタビューした内容の書籍化。

作者を不要とし、コピーのみでコンテンツ流通を考えると大塚英志が指摘した歴彦の角川との合併で、川上がどのように考えているか興味があったので読んでみた。それについては、本書の冒頭で、KADOKAWA・DWANGOについて「出版社ってコンテンツをつくるというより、プラットフォームとビジネスモデルを提供するところだと思うんです」(p.23)と川上が述べていることで、オリジナルとしてのコンテンツ制作より、コピーであろうとなんであろうと流通させる、ということに主眼を置いていて歴彦と親和性があることがわかった。

そのほかにも、経営を考える上でいろいろ参考になった。

⚫︎川上-CTO勉強会をやっています。CTO勉強会って何かというと、CTOが勉強する勉強会です。(p.44)

☆社長勉強会してもいい。

▲優秀なクリエイターは論理的にコンテンツを作る。思いつきは5秒で出てくるが、それを実装するには数ヶ月、数年かかることもある。そのためには論理性が必要。(p.68)

⚫︎僕は日本において、メディアの使命が批判だという時代は終わったと思っています。むしろ今の日本には、ただ淡々と情報を伝えるメディアというのが必要でしょう。(p.97)

▲オープンなマーケットで、みんながコンテンツをつくれるようになるほど、コンテンツの実質的な多様性は減るというのが僕の持論です。数が多いということは、ある解に向かって自動的に収束していくってことですから。(p.113)
 最終的には競争者の数を減らす仕組みがクリエイティブの寿命をのばすと思っています。(p.118)

⚫︎結局コンテンツはどこに紐付いて試乗が出来るかといったら、メディアなんです。コンテンツにはメディアが必要なんですよ。(p.121)

▲(Appstoreのように)クリエイターがブランドを貯める仕組みが、プラットフォームの中に組み込まれていないと、クリエイターは常にゼロからの競争を強いられる。(p.124)
 参入障壁があって、数が少ないっていうのは重要ですよ。そして限られた人の中で、プラミッドができる構造が必要なんです。ピラミッドが形成されて、上のほうにいくと落ちにくいという仕組み。それがないと、ピラミッドを管理しているプラットフォーマーに対して、クリエイターが弱くなる。プラットフォーマーにとって一番いいのは、突出したクリエイターがいなくて、取り替えられる消耗品としてのクリエイターがたくさんいるという状態です。(p.126)

☆オープンな市場での新規参入は勝てる確率が低くなるので、参加者が少ないマーケットを探して勝負しろ、とのこと。

▲リスクは細分化していけば計算できるようになる。一つの大きな勝負をしているように見えても、中では計算して勝負しているから危なくない。(p.169)

⚫︎起業で成功するためには、競争相手を減らすことが重要です。オープンなマーケットで、ライバルがたくさんいるようなところに行くのはほんとバカだと思います。起業がやりやすくなった時代こそ、起業なんかやっちゃダメに決まってます。(p.175)

⚫︎文系は論理を手段にし、理系は論理で真理を探究する(p.216)

☆文系は、結論が先にあって、それを論理で正当化するから、宗教論争のようになりやすい、とのこと。

⚫︎感情が大事、みたいな物語的な説明はしたくないんですが、「自分とはなにか」というところは、非論理的な部分にしか現れないと思います。(p.257)

☆論理で考えれば人による違いはなくなるから、人の違いは非論理的な部分にしか残らない、という話。

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