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『シンデレラ・ティース』

『シンデレラ・ティース』
坂木司
光文社文庫、2009/4/9、¥617(L)

大学二年の夏、バイトを探していたサキこと叶咲子は、歯医者がきらいなサキは、母親に騙されて叔父の勤める歯科クリニックの受付をすることになる。優しいクリニックの人や色々な患者に接するうち、次第に歯医者に対する考えを改めたサキは、歯科技工士の四谷と付き合うようになり、最後には自分もずっと避けていた歯科治療を受けることを決意する。

サキの親友ヒロちゃんが主人公の『ホテルジューシー』と対になった物語で、ミステリー風味を適度に混ぜながらサキの成長を描いていて、安心して読み進められた。ただ、せっかく付き合うようになった四谷がドイツ留学で二年不在にするというのは、どう考えても自然消滅のパターンだと思うので、そこだけはちょっとどうかと思った。

▲成瀬先生は三本の指を立てて突きつける。
「ナンパの注意点、三ケ条!共感、去り際、情報。これが揃ったら危ないからね」
一つ、と先生は人差し指を示した。
「人と人とがつながるには、どんな小さなことでも声に出して共感を煽っていけばせいこうしやすいんだ。なにも話題がなくたって、雨ですね、ぬれちゃいましたね、で充分。話題は何だっていい」
「その二。去り際がやけにあっさりしていること。でもそれには条件があって、その三の情報を得ていること、というのが大前提にある。つまり、サキちゃんが品川クリニックに勤めているということを知ったからこそ、相手はあっさりと別れたわけだ」
 他にもおおまかな会社の場所とか、よく行く店とか、聞いておけば出会う確率の高い情報ってのを初回に聞いておくわけ。そうすれば、運命の再開ってやつをやりやすくなる。(pp.156-157)

☆ナンパだけでなく、色々な場面で役立ちそうなノウハウ。

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