『香菜里屋を知っていますか』
『香菜里屋を知っていますか』
北森 鴻
講談社文庫、2011/4/15、¥627(BO360)
香菜里屋シリーズ最終作。今までビアバー香菜里屋に登場してきた常連がそれぞれの事情で去る。飯島七緒は結婚で山口へ、東山・石坂の叔父甥は雫石の旅館へ転職。そしてマスター工藤も修行したレストランの令嬢香菜からの頼みを受けて彼女を助けるためにいずこかへ去る。香菜里屋開店の由来等今まで明かされなかった事情が明らかになる。そして最後に北森キャストがそれぞれの立場から北森について語り、シリーズは閉じられる。4巻というシリーズの中で起承転結が比較的はっきり出され、それぞれの短編も面白く、秀逸だった。
本巻後半は、北森の急死により未完となった、厩戸皇子と蘇我蝦夷の争いにたたら製鉄や鬼が島の謎を交えた「双獣記」が収録されていた。これも大変面白く、北森の死が惜しまれる。
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