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『書店ガール 2 最強のふたり』

『書店ガール 2 最強のふたり』
碧野 圭
PHP文芸文庫、2013/3/19、¥720(フタバ書店スナモ360)

書店ガールシリーズ第二弾。ペガサス書房吉祥寺店の閉店に伴い、大手書店チェーンの吉祥寺店長に転じた理子は、ペガサスから移ってきた亜紀を始め数人の部下と、新興堂書店生え抜きの副店長田代他の新しい部下をまとめ、順調に店を軌道に乗せていた。亜紀の仕掛けた本が本屋大賞を授賞し、亜紀もメディアに取り上げられるようになった矢先、妊娠が発覚する。保守的な夫の伸光との意見の相違から夫婦仲が危うくなるが、伸光が編集するコミック誌に南京大虐殺を巡るトラブルが発生し、責任を取らされて解任される。
一方、理子は副店長の田代の献身的な支えにより次第に心を寄せるが、田代には妻子があり、葛藤を深める。そんな中、吉祥寺近辺の書店でフェアをやることになり、吉祥寺店の入るマルシェの他業種の店舗とも協力して成功させる。
伸光は閑職への異動を機に心を入れかえ、亜紀との仲も修復する。田代は妻子を選び、福岡本店へ帰っていく。

本作は、出版社・流通・書店を巡る問題の根深さが余すところなく描かれ、その川下業界にいる人間にとっては他人事とは思えず、一息に読んだ。著者の作風の手触りはが自分の感覚とは少しずれているようで、今ひとつ没入できない部分があったが、恐らく女性著者で女性特有の心理描写に理解できない部分があったからかもしれない。また、池波正太郎や北森鴻といった、料理描写の上手な著者を比較的読んでいることもあり、碧野の食事場面の描写が淡白すぎて現実味を感じづらいこともあったかもしれない。他の場面についても、もう少し丁寧に書いても良いのではないか、と思うことが時々あった。ただ、あくまで主題は出版業を巡る問題提起であり、取材も行き届いていて内容はよく練られているので、面白くよんだ。

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