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『新釈 走れメロス 他四篇』

『新釈 走れメロス 他四篇』
森見 登美彦
祥伝社文庫、2009/10/15、¥607(BO360)

表題の通り「走れメロス」を始めとする日本文学の名作4編を、著者の解釈で構造のみ借受け、新しい設定で物語を構築する。自らを頼むところすこぶるあつい京都のとある大学生齋藤秀太郎が、永遠に完成しない小説を書きながらついに狂う、という「山月記」に始まり、女性を主人公にした自主映画を巡る人間模様を描いた「藪の中」、必ず戻るという約束をいかに守らないかに腐心する主人公を悪役が追跡する「走れメロス」、齋藤に私淑しながら女の言うことを聞いてベストセラー作家になったものの幸せになれない「桜の森の満開の下」、百物語をやると言われて会場に行ったものの主催者は一向に姿を見せない「百物語」、とそれぞれ個性的な作品に仕上がっている。

構造のしっかりした名作を森見風に換骨奪胎するとこのようになる、という味わいのある本。

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