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『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』

『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』
岸見 一郎、古賀 史健
ダイヤモンド社、2013/12/13、¥1,620(L)

世間で話題になっていたので図書館で予約。一年ほど待った。

フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称されるアドラーの心理学を哲人と迷える青年の対話という形でわかりやすく説く、という体裁の本。心理学といいながらどちらかというと自己啓発的な内容で、「こうすると人生の生き方が変わる」という部分に重点がおかれている。

・原因論(失業したから引きこもった)ではなく、目的論(引きこもりたいから失業した)と考える。
・すべての悩みは人間関係。
・「課題の分離」(たとえば勉強するのは本人だから周りが「勉強しろ」というのは間違い)
・人間は何かをしているから、ではなくそこに存在しているだけで価値がある。
・対人関係のゴールは「共同体感覚」(仕事場に居場所を求めるのではなく、世界にいるということを居場所として細かいことにこだわらない)

といった点が主な論点。一見説得力があるように見えるが、よく考えると「鬱になるためにいじめられた」とか、「痴呆で徘徊などして家族に死んでほしい、とまで言われても存在するだけで価値がある」という例が導かれ、かなり無理がある考え方ではないか。

最近よくある対話形式の本ということと、日本語が翻訳調ということもあり、最初は海外からの翻訳本かと思って読んでいたが、実は日本人が著者ということで、マーケティング的にかなり「狙っている」本だと思った。

自己啓発本として読むならば、内容としては中村天風と似ているが、天風のほうがわかりやすく、また主旨も明快。本書はかなりのベストセラーになったようだが、それだけ対人関係に悩みの多い時代ということだろう。

読み方に注意を要するが、一つの考え方として参考になる本。

●ユダヤ教の教えに、こんな言葉があります。「自分が自分のために自分の人生を生きていかないのであれば、いったい誰が自分のためにいきてくれるだろうか」(p.135)

●「おまえの顔を気にしているのはお前だけだよ」(p.148)

●人は、ほめられることによって「自分には能力がない」という信念を形成していく(pp.202-203)

●どうすれば人は"勇気"を持つことができるのか?アドラーの見解はこうです。「人は、自分には価値があると思えたときにだけ、勇気を持てる」(p.203)

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