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『Nのために 』

『Nのために 』
湊 かなえ
双葉文庫、2014/8/23、¥680(借)

高層マンションでセレブ夫婦が殺される。現場にいあわせたのは20代の4人の男女。それぞれの証言によって当初考えられていたのとは違う真相が浮き上がってくる。

会話形式なのだが、相手がだれか判らない状態で話しているので、非常にわかりづらい。最初の章では多分警察での証言という想定で、その後それぞれの登場人物が自分の背景とともに事件に到る内面を語っていく。そして、さらに後の章で一人称で登場人物に語らせる形式に変わる。

本作はプロットがかなり甘くなっている。マンションの外側にチェーンをかけたのが誰か、室内で誰が誰を殺したのか、凶器は何か、すべて登場人物の語りによって明らかにされるが、普通に考えれば警察の鑑識によって最初の段階で全て明らかになっているはずで、当然その段階で不自然な点が出てくるから、彼らの目論見は本作の展開通りににはならない。タイトルにあるNについても、Nであることに意味があるというわけではなく、別にNでなくてもよかったんじゃないか、という程度の意味しかない。

また、色々大変な恋愛物語のように書いているが、結局ナルシストの作家志望の男が勝手に横恋慕して自爆した、という話になってしまい、あまり感動はできなかった。


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