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『メイン・ディッシュ 』

『メイン・ディッシュ 』
北森 鴻
集英社文庫、2002/3/25、¥679(借)

小劇団「紅神楽」を主宰する女優・紅林ユリエの家に正体不明の男ミケさんが転がり込み、恋人兼料理人のような立場で、劇団に起こる問題の数々を解決して行く。次第にミケさんの正体が明らかになると共に、姿を消すミケさん。そして意外な解決へ。

ミケさんの謎を解いているようで、その実劇団付作者小杉の推理だった、というのは意外な展開。しかもそれが当たっているようで微妙に違う、というところがよけい読者をミスリードする。池波正太郎の『食卓の情景』に出てくるどんどん焼き屋の町田のおやじ、の話が重要な役割を果たす。読んだことのある話だったので、著者の解釈には驚かされた。短編連作の形式を取りながら、一冊で一つのお話になっている、というのはよくある形式だが、よく計算されていて面白く読めた。

●わずかな可能性を信じて、自分と老いた妻が今でも元気であることがその人物の目に留まることを信じて、そしていつか目の前に現れてくれるのを待っている。それが池波正太郎のエッセイに書かれた、町田の親父の正体ではないか、そんなことを考えたんですよ。(p.146)

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