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『妖怪アパートの幽雅な日常 9』

『妖怪アパートの幽雅な日常 9』
香月 日輪
講談社文庫、2013/11/15、¥486(借)

高校三年の秋、稲葉夕士の通う条東商業高校は文化祭の季節を迎える。昨年はC組担任教師千晶がプロバンドを率いて歌を歌ったが、夏休みのアンティーク展強盗事件で負傷したため、今年は同級生田代他の発案で
C組はウェイター喫茶をやることになる。白ランを着せられた千晶に、学校の女子だけではなく、他校からも女性が押し寄せ、大盛況となる。

一方、文化祭の準備期間から同級生富樫が裏サイトに同級生の悪口を書き始める。進路に悩む富樫のために、夕士は千晶に、難病を患う同級生をなくした自分の過去を語るよう頼む。

難病の同級生は、臓器移植をしたが上手く行かず、再移植のためアメリカへ渡るが、間に合わず亡くなっていた。その同級生が表面は明るく、内面での苦悩をノートに書き残していたというのは、出来過ぎな話ではあるが同じ境遇なので気持ちがよくわかった。

本巻は、文化祭にスポットライトを当てているが、本シリーズの他巻同様あまり内容はない。ただ、勢いがあるので一気に楽しく読めた。

●これだけは間違えないでくれよ。あいつは、本当に前向きな奴だったんだ。スポーツをしたい。医者になりたいというのも、本当に夢見ていたことだった。ただその一方で、もう死にたいとも思っていた。どっちもあいつの正直な心だったんだ。どっちも本物なんだ。(千晶、p.115)

●目一杯今を生きている人間は美しい。(妖怪佐藤、p.170)

●つらいことや苦しいことを乗り越えるのは大変だ。自暴自棄になったほうが、ずっと楽チン。でも本人は、苦しい苦しいって言うんだよネー。楽なほうを選んだくせにさ。そういう人って、お前らに何がわかるんだって必ず言うけど、あんただって、苦難を乗り越えた人の苦労を素人もしないじゃんって言いたいよネ。(詩人、p.182)

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