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『人生と経営はタクシー運転手が教えてくれる』

『人生と経営はタクシー運転手が教えてくれる』
小宮一慶
サンマーク出版、2014/4/21、¥1,512(丸善日本橋)

著者がタクシー運転手との会話を通じて学んだこと、感じたことを述べた本。具体的な例は例として、本書の要点はカバー裏の「人は、どんなときにも、どんな人からも学ぶことができる。どんな人も、状況も、自分に気づきを与えてくれる『師』たりうることを、運転手さんは教えてくれました」(p.4)という一文に尽きる。

●経営コンサルタントとして、経営者にもよく言うのが、「あとで全部もらう気持ちで経営すればいい」ということです。お客さまに良い商品、良いサービスを適正な価格で提供し、従業員にも十分な賃金を支払う。株主にも払って、残り全部をもらえばいい。少なくとも経営者はそのぐらいの気持ちで経営しなければならない時代なのです。[略] 従業員は経営者のことをよく見ています。自分の取り分を最優先する経営者の下で、身を粉にして働く従業員などいるはずがないのです。(p.28)

▲朝の貴重な時間をSNSで無駄にするな!
 私に「志は氣の帥(こころざしはきのすい)」という孟子の言葉を教えてくれたのは、イエローハットの創業者である鍵山秀三郎さんです。[ある会議でやる気のでないときにどうすればよいか質問したときに] 鍵山さんは、私のノートに「志は氣の帥」と書いてくれました。そして、志というのは気持ちの親分みたいなものなのだという話をしてくれました。そのとおりだなと思うとともに、自分には志らしい志がまだないことに気づきました。今、自分が仕事に対して壁を感じるのは、自分の志が低いのが原因なのだと痛感した忘れられない出来事です。(pp.53-54)
 インターネット、とくにSNSは、志の高い人と、低い人の差を拡大させるものだと私は思っています。志の高い人にとっては、情報の宝庫。勉強しようと思えば、あらゆる知識が獲得できますし、学習機械や技術を身につけるための講座等の情報も満載です。[略] 上層は上層の人同士で交流し、下層は下層の人同士で交流して、上層と下層の人が交わることはありません。(p.56)

●経営者は能力差が大きく出る仕事ですし、私たち経営コンサルタントの仕事もそうです。[略] 能力差が出る仕事に就き、能力を出し続けるのは、「言うは易く行うは難し」で簡単なことではありません。そこで大事になるのが志なのです。[略]
 志こそが、自分の行動や考え方を導き、ときに諌め、支えてくれる、頼りになる「親分」なのですから。(pp.60-61)

●ある経営者に教えてもらったのですが、「100引く1はゼロ」なのです。たった一人の運転手の態度が悪かっただけで、そのタクシー会社は二度と私をお客さんにすることができなくなりました。たった一人で会社の信用をすべて失わせてしまったのです。(pp.73-74)

▲今やらない人に、「いつか」は永遠に来ない
 本気で何かをやろうと思って真剣に考えれば、今できることが必ずある。それをやろうとしない人は、余裕ができても何もやらない人なのだと思います。(pp.82-83)
 やろうと思えばすぐにもできる目の前のことを、おろそかにしてはいけない。小さなことでも気づいたら、気づいたときにすぐにやる。(p.84)

▲信用とは一回でも言ったことを必ずやること
 私には、一つのポリシーがあります。一回でも言ったことは必ずやる。やらない、やれないことは言わない。信用の「信」は「人」と「言」と書きます。言ったことを守れるかにかかっていると、私は思っているのです。(p.88)

●先人たちの言葉にできないような苦労と努力があって、今の私たちがあるのです。現代の日本は、こうした過去と比べても、世界的に見ても、とても豊かで自由な国です。しかし、その豊かさを当たり前のものだと思ってはいけないのです。
 中国の書経に「人を玩(もてあそ)べば徳を喪い、物を玩べば志を喪う」という言葉があります。他人を愚弄するようなことをすれば、その人は徳のない人だと見られるようになります。あれがほしい、これがほしいと物に執着するようになると一番大事な志を忘れてしまうことになります。(pp.104-105)

●すべてのものは「預かりもの」という意識をもつと、「差し上げる」という観点で考えられる(p.204)

●私は夜、何かを判断することはありません。重要な判断は必ず朝行うと決めています。[略]
 夜は疲れていますし、感情的になりやすく、頭にきたり、絶対に納得できないと思うこともあります。しかし、そこで感情を爆発させずに一晩寝ます。一晩寝ると、なぜあれほど怒っていたのだろうと思うことが多々あります。
 100パーセント正しい判断をすることはできません。しかし、100パーセントに近づけようと言う努力を怠ってはならない。(p.209)

●「損か得か」でものごとを判断するという人は多いと思います。それは必要なことですが、できれば、「正しいか正しくないか」で判断したほうがより良い判断ができると思います。そして原理原則が十分身についていれば、「好きか嫌いか」で判断してもいいのだと思うようになりました。(p.210)

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