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『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる』

『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる』
クリス・アンダーソン、 関美和 (翻訳)
NHK出版、2012/10/23、¥1,995(L)

パソコンが個人の手に届くようになったことでDTPが生まれ、ネットが個人に解放されたことでロングテールが生まれた。同様に、3D印刷が個人の手に届くようになったことで、誰でも物作りが簡単にできるような世界がすぐそこまで来ている。という本。大変興味深く、エキサイティングな内容だった。

●ウェブのすごさは、それが発明だけでなく生産の手段をも民主化したことだ。事業アイデアがあればソフトウェアのコードを組むだけでそれを商品かできる。(pp.13-14)

●デジタル生産は、これまでの物作りの経済をひっくり返すものだ。大量生産の場合、コストの大半は機会への初期投資で、商品が複雑になればなるほど、また変更が多ければ多いほど、コストも膨らむ。デジタル生産は、その逆だ。従来の物作りではコストのかかるものが、無料になる。(p.116)

●自分たちと小売業者の両方にそれぞれ50%の利益を確保しようと思えば、少なくともかかったコストの2.3倍の価格をつける必要がある(1.5×1.5=2.25)。自分たちへの50%の利益は、商売が拡大する前には予想しなかった隠れたコストを回収するためのものだ。[略] つまり、費用が20ドルなら、小売価格は25ドルではなく、46ドルに設定しなければならない。高すぎると思うかもしれないが、はじめに適正な値段をつけないと、商品を製造し続けられなくなり、誰もが損をする。(p.139)

☆重要な試算。

●サン・マイクロシステムズの共同創業者、ビル・ジョイが1990年のインタビューでぽろりと漏らした[略] 「いちばん優秀な奴らはたいていよそにいる」という彼の言葉は、いまでは「ビル・ジョイの法則」として知られている。彼が言わんとしたのは、取引コストの最小化を優先するともっとも優秀な人材とは一緒に仕事ができない、ということだった。だから、会社が雇える人材としか一緒に働けない。いくら優良企業でも、それではあまりに非効率だ。(pp.185-186)

●[square.comの創業者] マッケルビーの突飛な行動は伝説にもなっていて、難曲として名高いベートーベンの「月光」の第三楽章をマスターするためだけに三年を費やしたこともある。彼が弾けるのは、いまもってこの一曲だけだ。(p.253)

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