« 『二代目が潰す会社、伸ばす会社』 | トップページ | 『すべてはモテるためである』 »

『嘘だらけの日米近現代史』

『嘘だらけの日米近現代史』
倉山満
扶桑社、2012/9/1、¥798

米国の歴史や日米関係の通説が、実はまったく違うという視点から書かれた本。目から鱗が落ちるというか、新しい物の見方ができるので読んで楽しい本。ただ、あまりに過激で本当にそうなのかどうかについてはよくわからない。

ペリーの時代、米国は強国ではなかった。合衆国はそもそもEUのようなもので、脱退が認められていたにもかかわらず南北戦争によってその歴史が消された。アメリカは大日本帝国が恐ろしくてたまらなかった。など驚くような話がいくつも出てくる。本書の真偽はまったく判断できないが、大変面白く読んだ。

●[本書の] 三つのコアメッセージさえ理解できれば、アメリカとの関係はそう難しくありません。
その一、アメリカはバカ!
その二、アメリカはヘタレ!
その三、でも、やるときはやる!(p.8)

●石井菊次郎こそ、当時世界最高の外交官だったといってよい人物です。石井は恐竜のごとく暴れ回るウィルソン[大統領] の動きを止めました。(p.70)

☆著者はウィルソンが世界をむちゃくちゃにした張本人といっている。

▲ウィルソンが放り出した国際連盟に、石井始め外務省エース級の優秀な人物、佐藤尚武や松田道一、新渡戸稲造などが送り込まれた。彼らは1920年代の欧州の紛争をことごとく捌いていった。この時期の国際秩序はまさに日本が支えていたといって過言ではない。(p.72)

●戦間期の国際政治は英米の覇権交代が最大の争点です。しかし、ソ連という共通の敵がいるのに、敵・味方の優先順位を誤ったところから悲劇が始まるのです。(p.77)

☆ソ連のスパイ活動が第二次大戦の原因の一つという主張。

●最近の研究では、ソ連は世界中にスパイを放ち、特に日本の近衛内閣とアメリカのF・ルーズベルト政権の中枢を固め、日米両国を戦争に向かわせて共倒れに持ち込んだということが明らかになっています。(『ヴェノナ文書』)(p.83)

●日米戦争で得をしたのはソ連だけです。なぜかスターリンにだけ都合よく国際情勢が展開していったのです。日米戦争の起点となったハル・ノート[略]の文面を起草したハリー・デクスター・ホワイトはソ連のスパイだったということが戦後に判明しています。(p.90)

●本来ならば、大日本帝国・大英帝国・中華民国と協調すれば、ソ連の勢力などアジアから駆逐できたはずなのに、これら同盟国をみすみすつぶし、あげくには毛沢東の中華人民共和国という強敵まで育ててしまったのです。これすべて、スターリンの口車にのって。(p.112)

●アメリカの軍事力は、破壊力はあるのですが、占有力が極端に弱いのです。クリントン政権の空爆しかしない軍事介入は、この弱点がモロに出た格好で、国際秩序を破壊し、世界中の恨みを買っただけでした。ついでに言うと、クリントンの女性醜聞が問題化するたびに世界のどこかの地域を空爆するということを繰り返しました。ボスニアやスーダンやアフガンです。(pp.159-160)

●なお、コソボ紛争のときに飛び回った高村正彦外相は、日本ではほとんど無名ですが国外で絶賛されています。特に、紛争中にマケドニアに飛んでいます。当時のマケドニアは台湾を国家承認していた数少ない国の一つですから、「火薬庫」のど真ん中に飛び込むだけでなく、中国への牽制の意味もあったのです。(p.160)

●[震災の際に米軍が勝手に仙台空港を修理したことについて] 大事なことは、米軍はいざとなれば日本政府の意思や日本国の主権など歯牙にもかけないという事実が明々白々になったということです。たまたま、米国の行動が概ね善意に働いたようですが、これが完全な悪意だった場合は堂でしょう。日本政府の意思を無視して軍事占領することもいとわないということです。(p.167)
●そもそも、アメリカが「日本再占領」だの「日本征服」だのを企むはずがありません。アメリカは日本のことを「自分の持ち物」あdと思っているのです。[略] 日本人は、現実を厳しく認識すべきでしょう。(p.169)

●[震災後の天皇陛下ビデオメッセージをほとんどの国民が生放送で見ていないという事実は] 空襲警報や政府の非常事態宣言を全国民に伝達する手段すら持たない、恐ろしく脆弱な国家になってしまったということです。(p.171)

|

« 『二代目が潰す会社、伸ばす会社』 | トップページ | 『すべてはモテるためである』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/40886/58363254

この記事へのトラックバック一覧です: 『嘘だらけの日米近現代史』:

« 『二代目が潰す会社、伸ばす会社』 | トップページ | 『すべてはモテるためである』 »