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『有頂天家族』

『有頂天家族』
森見登美彦
幻冬舎文庫、2010/8/5、¥720(有隣堂亀戸)

アニメ放映中で未読だったので購入。京都に住まう狸一家を中心としたあれこれ。人間と天狗を交え、化かしたり喰われたりしながら「面白きことはよきことなり!」をモットーに暮らす下鴨四兄弟と母の物語。京都の狸を束ねる偽右衛門選挙が迫り、先代偽右衛門で今は亡き下鴨総一郎の長男下鴨弥一郎と総一郎の弟夷川早雲がその座を争う。

父総一郎が金曜クラブに入るために半天狗の女性弁天に喰われ、京都市中の狸に恐れられながら下鴨弥三郎は彼女と親しく付き合う、というところは、最後までよくわからなかった。特に、弁天は一体何を考えているのかがさっぱりわからない。赤玉先生がいやで飛び出したのかと思いきや、最後にはしっかり収まるところに収まっている。まさに女心と秋の雲というべきか。

●かつて祇園の雑踏でバスを待ちながら、父は長兄に語ったという。
「狸界にはいけすかん狸もいるし、おまえはまた頭の固いところがあるから、喧嘩をすることも多いだろう。だが、一匹の敵を作るときには一匹の友を作らなくてはいかん。五匹の敵を作るときには五匹の友を作らなくて廃刊。そうやって敵を増やしてゆき、いつか狸界の半分を敵に廻しても、かたわらを見ろ、おまえには三匹の弟がいる。これは大変心強いことだ。それがおまえの切り札となる日が必ず来る。俺がつねに哀しく思うのは、その切り札を自分が持たないことだ。俺は弟を信頼せず、弟は俺を信頼しなかった。俺たち兄弟が相争う仲になったのはそのためだ。血を分けた者が敵となるとき、それは最大の敵となる。だからおまえたちはつねにたがいを信頼しなくてはいけない。兄弟仲良く!忘れてはいけないよ。兄弟仲良く!なにしろ、おまえたちには、みんな同じ『阿呆の血』が流れている」(p.407)

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