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『1日1枚成功シート―これで僕はホームレスから上場企業の社長になった 』

『1日1枚成功シート―これで僕はホームレスから上場企業の社長になった 』
兼元謙任
東洋経済新報社、2008/05/08、¥1,470(BO¥750)

OK-wave社長の経営論と経験談。
「成功シート」は、日々の振り返りと将来の目標、当日の予定を一枚にまとめるための用紙で、頭の中を整理するためのもの。潜在意識をうまく使って目標を実現せよ、という本。
特に目新しい話はない。要はそれを毎日続けられるかどうかが重要だということ。

▲ユダヤ人は高所得層も低所得層も口癖が「またか」「めずらしいな」と同じだが、使い方が違うという話がある。
人生がうまくいっている高所得層:いいことが起こると「またか」といい、悪いことが起こると「めずらしいな」という
人生がうまくいっていない低所得層:いいことが起こると「めずらしいな」といい、悪いことが起こると「またか」という。(p.28)

☆「ラッキーおかわり」と同じ考え方。

●「自律神経さん」にはもう一つ、大きな注意点があります。それは、誰に向かってお言葉を発しようと、すべて自分に関する言葉としか判別できないことです。(p.34)

☆自分が他人に行った言葉も潜在意識は自分のものとして受け止めるので、悪口は言うな、という話。

●「手で書く」動作は有効です。なぜなら、思考の過程でマイナスイメージのことを思い浮かべたとしても、書くとなるとちゃんと、自分がやりたいことを正しく肯定形に修正してアウトプットすることができるからです。しかも、自分がやりたいことを毎日考え、書いていると、自然と行動の優先順位がつけられるし、なぜ自分がそれをしなければならないのかという理由も明確になります。つまり、モチベーションが上がるのです。(p.39)
●要するに、夢・目標に向かって生きる僕らにとって重要なのは、中長期目標、短期目標、日々の目標を1枚の成功シートに毎日書き続けることによって、いかに自律神経を鍛えるかにあります。この鍛錬さえ積んでいれば、常に無意識のうちに夢・目標を達成するべく動く体を手に入れることができます。(p.41)
●「成功シート」はとにかく毎日、書き続けることに意味があります。3年後を達成期限とする大目標は1年365日×3年で1095回、年間目標は365回、月間目標は30もしくは31回、週間目標は7回、同じ言葉を書き続けます。また、やり残しがあれば、やり遂げるまで毎日同じ言葉を書き続けます。(p.108)

☆本書のタイトル部分。繰り返し書くことで自分の潜在意識を有効に働かせる。

●目標は過去形で書く。[略] 「こうなった」と過去形で断定すると、夢・目標が未来にあるものではなく、「今ここにある」という現実を作り出すことができます。つまり、夢・目標を設定した時点で「すでに達成したのと同然」という感覚が持てるのです。(p.103)

☆独特な考え方。


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『スタンフォードの自分を変える教室』

『スタンフォードの自分を変える教室』
ケリー・マクゴニガル
大和書房、2012/10/20、¥1,680(有隣堂亀戸)

一時テレビのニュース番組などでだいぶ宣伝されていたので、購入。
「自分を変える」というより、「何をして何をしないか」について脳の特性を整理して考えた本。
書いてあることは類書とあまり変わらないが、網羅的に整理されているので、刺激的ではないが一読の価値はある。

●この本にはあまり手っ取り早い解決法は出てきませんが、意志力をてきめんにたかめる方法があります。それは、呼吸のペースを一分間に4回から6回までに抑えること。これだと10秒から15秒でひと呼吸することになるので、ふつうにこきゅうするよりもだいぶゆっくりですが、少し辛抱強く練習すればたいして難しくはありません。呼吸のペースを遅くすると前頭前皮質が活性化し、心拍変動も上昇します。
 これが、脳と体をストレス状態から自制心を発揮できる状態に切り替えるのに役立つのです。このテクニックを数分間試すうちに、気分が落ち着いてコントロールが利くようになり、欲求や問題に対処する余裕が生まれます。(pp.74-75)

●意志力の奇跡は、運動によってもたらされたのです。[略] エクササイズのこのような[運動が意志力を改善する] 効果は、自己コントロールの研究者らによって発見された「驚異の薬」と読んでもよさそうなほどでした。[略] 長期的なエクササイズの場合は、さらにすばらしい効果が表れました。日常生活のストレスが緩和されるだけでなく、プロザックのような抗うつ剤の代わりとしても効果が高かったのです。(pp.77-78)

●あなたがモラル化するものは何であれ、モラル・ライセンシング効果の格好のえじきになります。たとえば、エクササイズをちゃんと行ったときには自分を「よし」とほめ、さぼったときには「ダメ」トけなしていたりすると、今日はトレーニングに行っても、明日はさぼる可能性が高くなります。(p.132)

☆何かをモラルの問題にしてしまうと、意志力が働かなくなる。

▲失敗しても自分を批判したりしないこと。「人間だもの」の精神で。(P.225)

●未来に行って「将来の自分」に会う(P.266)

☆未来の記憶を作る、未来の自分に相談することなどで、(こうなりたい)未来から現在の自分を見る。

●意志力はうつる:
 一見自己コントロールの問題に思えることでも、いつは周囲の影響をかなり受けています。私たちは、自分の選択は他人の影響など受けていないと思いがちで、自立した自由な意志をもっていることに誇りを感じています。しかし、心理学やマーケティングや医学の研究が示している通り、私たち個人の選択は、他人が考えていることや、欲しがっているもの、やっていること、さらには他人が自分に期待していることなどに、強い影響を受けています。[略] こうした社会的な影響によって、私たちはさまざまな問題に巻き込まれます。しかし、逆に社会的な影響が意志力の目標を達成するのに役立つこともあります。意志力の問題における失敗が感染するいっぽうで、自己コントロールが感染することもあるのです。(PP.272-273)

☆朱に交われば赤くなる。

●このような感染のパターンは他の地域でも確認されました。しかも、禁煙以外にも薬物の使用や睡眠不足、憂鬱などが同様のパターンで広まっていました。不安になるかもしれませんが、これだけははっきりしています。つまり、悪い習慣も好ましい変化も、ともに人から人へウイルスのように感染するということ。そして、その影響をまったく受けない人はいないということです。(p.274)

●ルール違反も感染することがわかりました。[略] 他の人がルールを無視して好き勝手に振る舞った形跡を見ると、私たちも衝動に負けやすくなります。つまり、誰かが悪いことをするのを見ると、自制心が低下してしまうのです。[略] さらに重要なのは、実際に誰かがルール違反をしている現場を見なくてもルール違反に感染してしまうことです。病原菌を持っている人が通り過ぎた後も、ドアノブには菌がしばらく残っているように、誰かがルールを破った形跡を見るだけで、自分も感染してしまう恐れがあります。(pp.284-285)

●ソーシャルプルーフ[仲間がやっていることは自分もやったほうが賢明だと考えること] に関しては、他の人が実際に行っていることよりも、他の人たちが行っているだろうと思っていることのほうが重要だったりします。(p.292)

☆悪い習慣を放置しておくと拡大してしまうので、良い習慣で塗り替えていくことが重要。

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『和僑 農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人』

『和僑 農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人』
安田峰俊
角川書店、2012/12/15、¥1,890(L)

2ちゃんねるのVIP板に書き込みをした中国の少数民族イ族の女性と結婚して雲南省の奥地に住む日本人、マカオのサウナに出稼ぎする風俗嬢
、日本企業を守るために中国で組を作った日本人ヤクザ、中国国内の人さらいや住民同士の殺し合い乱闘など、いわゆるエリートで派遣されたのではない土着の日本人や中国事情を取り上げたノンフィクション。

上辺だけではわからない中国の実情や、そこに飛び込んだ日本人たちの様子が詳しく描かれ、大変興味深く読んだ。

●「和僑」とは、今世紀になってから日本人の間で作られた造語と言っていい。
 もともとは、中国人の奥さんをもらったミュージシャンのファンキー末吉が、在外華人を意味する「華僑」をもじって発明した言葉らしい。2000年代半ばに、中国の広東省や香港に在住する日本人の起業家たちが「和僑会」なる異業種交流会的なビジネスサークルを設立し、アジアの各地に支部を作って組織の規模を拡大したことで、広く社会的に認知されるようになった。(p.26)

●そもそも、一般人の女性が風俗店で働くことは、現代の日本では特殊な話ではない。
 通説では、現代の日本では性風俗産業に従事している女性の数は30万人程度だと言う話がある。日本の20〜30代の女性人口は約1500万人なので、単純に見積もれば、日本の若い女性の50人に一人が性風俗産業で働いている計算だ。(pp.73-74)

●「海外だと絶対にスキンをつけて行為をしますし、キスをしなくてもいい場合すらある。病気のリスクは、実は日本よりもずっと低いと思いますよ」
 ヒカルさんによると、マカオのサウナではマッサージ嬢が自分の身体を使ってお客の全身を使ってお客の全身を洗い、その後に性行為をおこなう。日本の性風俗と比較すると体液の接触が格段に少ないため、国内での仕事よりもずっと安心感を覚えるという。(p.124)

●中国語の俗語で、売春婦のことを「鶏(ji1)」と呼ぶ。これは発音が同じ「妓(ji4)」という感じを書き換えたものらしく、売春婦の元締めを指す「鶏頭」や、ストリート•ガールを指す「野鶏(野良ニワトリ)」など、派生した語彙も多い。なかには、売春窟を指す「鶏窩(ニワトリの巣)」という表現もある。(p.129)

●[日本人向けに開業している菅村医師]「こう言ってはなんだけれど、日本でワーキングプらやフリーターだった人は、上海に来てもやっぱりワーキングプアで不安定なんだ。でも、それでも上海でなら、日本人である限りはなんとなく生活できちゃうのも確かだし、一概に悪いとは言い切れないけどね。日本でも海外でも『通用しない人』だったら、せめて海外で暮らす方が人生のストレスは少ないかもしれないしさ」(p.160)

●駐在員たちは、自分の子どもを日本人学校に通わせている。つまり、日本的な礼儀と集団生活の作法をわきまえた、日本の社会でちゃんと通用する「日本人」を再生産しているということだ。「これからは国際化の時代」という煽り言葉に乗せられた両親の意向でインターナショナルスクールに入れられ、帰属先不明のアイデンティティと微妙な日本語能力を持つ「国際人」にされてしまうよりは、少なくとも確実に「日本人」になれるぶんだけ、子ども自身にとっても幸せな教育方針かもしれない。(pp.188-189)

●日中戦争では、当時の同時代的な価値観では「感心な日本人」や「尊敬すべき日本人」だった人たちが、日本の進路を大きく誤らせた。一方で、独にも薬にもならないただのサラリーマンたちは、中国にさっぱり関心がなく、日中間の政治問題に何の影響力も解決力も持たなかったかわりに、少なくとも日本や中国にマイナスの作用をもたらしもしなかった。(p.196)

●中国社会に積極的に飛びこむことを過度に称賛する、自称「中国通」の胡散臭い識者や、ビジネス分野のメディア関係者の主張の方が、よっぽどその言動をしっかり疑ってかかるべき対象なのかもしれないのである。(p.197)

●日本における「人権擁護」や「差別撤廃」といった言葉は、ある意図に基づいて恣意的に濫用されれば、国家の法律法規すらも公然と踏みにじれる凶悪な武器に転化する。
 金嬉老とは、そんな武器の効果を最大限に熟知した、したたかな犯罪者だったのではないか。(pp.206-207)

●金嬉老は、往年の日本の進歩的知識人の間における絶対的正義、人権教のご本尊様だった。生けるカミサマである以上、彼には信者からのお賽銭がたくさん集まったのである。(p.208)

●彼[義龍老人] の上海での組織「義龍会」は、2006年ごろに成立した。上海に進出した日系企業の経営者たちからの要請の結果である。特に関西地方の呉服店にルーツを持つ某大手有名百貨店の関係者や、上海市内に展開する日系スーパーマーケットの社長といった人々が、非常に積極的に団体の設立を希望してきた。(p.219)

●[イ族と結婚した高原博明さん] 「親しい協力者がいたから[誘拐されて雑技団に入れられた少女の脱出援助が] 可能だったって感じですね。自分ひとりじゃ絶対にできないですよ」
 中国でトラブルに遭ったときは、とにかく多数の現地人を抱き込んで自分の味方につけ、彼らのネットワークを利用する形で解決を図るとよい。
 彼は過去の自分自身の経験から、そんな中国の民間社会のルールを熟知していた。(p.288)

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『月とにほんご 中国嫁日本語学校日記』

『月とにほんご 中国嫁日本語学校日記』
井上純一、矢澤真人 (監修)
アスキー・メディアワークス、2013/2/22、¥1000(フタバ図書TERA南砂町)

中国嫁が日本語学校に通い、愉快な仲間たちと日本語を学ぶ。

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『中国嫁日記 (二)』

『中国嫁日記 (二)』
井上 純一
エンターブレイン、2012/3/10、¥998(BO¥580)

ブログ形式で掲載された中国嫁日記の続編。東日本大震災時の混乱など。


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『日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典』

『日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典』
蛇蔵、海野 凪子
幻冬舎、2011/8/25、¥945(BO¥500)

マンガによる古典解説。意外な発見があり、楽しく読んだ。


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『日本人の知らない日本語2』

『日本人の知らない日本語2』
海野凪子、蛇蔵
メディアファクトリー、2010/2/19、¥924(BO¥500)

『日本人の知らない日本語』の続編。

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『日本人の知らない日本語』

『日本人の知らない日本語』
海野 凪子、蛇蔵
メディアファクトリー、2009/2/18、¥924(BO¥500)

日本語学校に通う外国人によるおかしな日本語を通じて、正しい日本語について学べる。

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『ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア』

『ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア』
波戸岡 景太
講談社現代新書、2013/6/20、¥777(八重洲BC)

ライトノベルの興隆を起点として、戦後日本における若者たちの意識の変容を読み解こうとした本。

アメリカ文化をそのまま受け入れたポップカルチャーの時代→村上龍・村上春樹に代表されるポップの相対化→アメリカ文化を日本的に受容するオタクの時代→オタクを拒絶し(アメリカ文化を拒絶し)故郷の喪失という現実を取り入れたエヴァなど世界系→世界に一人で相対する「ぼっち」の時代
おおまかにはこのような認識のもとに書かれている。

そもそも、序章で「ラノベを読んだ大人がどれくらいいるだろうか」、とさも大人はラノベを読まないような考えでいることから、著者の意識の古さを感じた。いや、普通に読んでるし。

本書の分析で面白かったのは龍と春樹の違いで、龍はアメリカ文化を消費者の立場で読み解き、春樹は生産者・流通の立場で読み解いて、それぞれ小説という形で世に問うたという点。反面、タイトルにもなったライトノベルやオタクについては、あまりぴんとこなかった。引用しているライトノベルが少なくて偏りがあり、たぶん著者はもともとライトノベルを読まない人なのだろうと推察できる。また、オタクについての評論が、「オタク遺伝子がない」オタクwannabeである村上隆からの引用であったりして、著者も(多分)オタク遺伝子がないために、本書の記述のすべてが何か決定的にズレてしまっている。

また、「ぼっち」というキーワードでラノベと現代日本を読もうとしているが、べつにラノベは「ぼっち」物だけではないし、ちょっと無理があるのではないか、と思った。たぶん、時代の変化、というのは東浩紀や北田暁大らの分析のほうが説得力があるのではないか。

著者自身が(多分)よくわからないのに無理にラノベについて書かず、龍と春樹を中心に分析をする本にすれば面白かったと思う。そして、ラノベについて知りたいなら、ラノベを読めばよい、というのが本書を読んだ感想。それとも自分の読み方自体がずれてるのか?


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第80回2級中国語検定

13/06/23
第80回2級中国語検定
Score: L90 R77 T167 合格

2008年に3級合格してから5年、3回目の受験で2級合格。

英語と勝手が違い、学習のコツがなかなかつかめず「さまよえる中級者」の罠に落ちた。地道に単語、作文、過去問、ディクテーションなどを重ねたことで合格水準に達したのではないかと思う。ただ、実力が合格レベルに達しているという実感がまったくなく、また試験対策に特化してきたので、日常会話はできない。今年に入って注力したディクテーションがかなり効果的で、ここ数ヶ月は耳が慣れてきたことを感じていた。もう少し続ければ一段階段を上がれるところまではきているのではないか。

完全独学だったのでかなり遠回りした気もするが、ここまでできればまずは一段落。
下に使用した参考書等をまとめたが、これを見ると思ったより色々手を出していたな、という印象。

使用参考書等:
・中国語検定2級一ヶ月でできる総仕上げ:
  一番最初に使った参考書。レベル的には2級に達していないが、取りかかりにはよかった。
・聴読中国語―HSK(漢語水平考試)大綱準拠:
  量が多すぎて途中で挫折。
・中検2級問題集2009年度:
・中検2級問題集2010年度:
・中検2級問題集2011年度:
・中検2級問題集2012年度:
  過去問は一通りこなしたあと、大問ごとにまとめて、語彙選択など苦手な部分は諦め、正文判定など比較的点数を稼ぎやすいところを繰り返し学習。リスニングは聞き流し。中検は問題形式がよく変わるので、形式よりも頻出単語や文法問題に慣れるつもりで学習。
・中国語検定2級徹底攻略―筆記問題完全マスター:
  筆記に特化した参考書、内容が濃くて途中で挫折。
・合格奪取! 中国語検定2級 トレーニングブック 筆記問題編:
  一通り学習ののち、特に作文150題を繰り返し解いた。
・合格奪取! 中国語検定2級 トレーニングブック リスニング問題編:
  一通り学習ののちディクテーション。
・日本中国語検定協会実力養成通信添削講座2級挑戦コース(2012.5-2012.10):
  難しすぎてこなすだけで精一杯。復習がほとんどできず、役に立ったのかどうか不明。
・瞬訳中国語 初級編:
・瞬訳中国語 初中級編:
・瞬訳中国語 中級編:
  単語と短文をCD音声で聞きながら覚える単語集。2周とディクテーション。
・中国語重要文例集:
  重要構文がまとまった文例集。2周と特に覚えづらいものを重点的に学習。
・耳が喜ぶ中国語 リスニング体得トレーニング:
  ディクテーション。興味深い内容のスキットが多く、リスニングに効果的な参考書だった。

[今現在の実力自己評価]
ニュース等まったくわからない。日常会話もよくわからない。2級をとったものの、多分実際には使える実力ではないような気がする。

[今後継続する場合の指針]
これでしばらく中国語は休もうと思う。もし今後学習を継続するとすれば、今までが検定特化型学習だったので、会話方面に少し教材を振るほうが実用的だと思う。
1. 「耳が喜ぶ」のディクテーションを数回まわす
2. 「口が覚える」か、類似の会話型教材で会話定型文の学習
3. 機会があれば中国人と会話する機会を持つ
といった感じで進めるとよいのではないか。

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『不格好経営―チームDeNAの挑戦』

『不格好経営―チームDeNAの挑戦』
南場 智子
日本経済新聞出版社、2013/6/11、¥1,680(有隣堂亀戸)

タイトル通り、DeNAの創業者である著者による、創業から自身の社長退任に至る歴史の回顧録。津田塾大学からマッキンゼーと、エリート路線を突き進む著者と自分との能力差はいかんともしがたいので、多少なりとも参考になる点があればよいと思って購入。

「人」ではなく「事」にフォーカスするなど、今まで気づかなかったことが書かれており、他にも多くの示唆に富む経営論の良書。

●私は、苦しいときにふたつのことを意識する。
 ひとつは、とんでもない苦境ほど、すばらしい立ち直り方を魅せる格好のステージだと思って張り切る事にしている。そしてもうひとつは、必ず後から振り返って、あれがあってよかったね、と言える大きなプラスアルファの拾い物をしようと考える。うまくいかないということは、負けず嫌いの私には堪え難く、単に乗り越えるだけでは気持ちが収まらない。おつりが欲しい、そういうことだ。(p.5)

●ベンチャーですか?何ですか?と面食らう彼[茂岩]に、私たちは1冊の本を渡した。板倉雄一郎氏の『社長失格ーぼくの会社がつぶれた理由』。[略] あろうことか茂岩の心は躍ってしまった。(pp.20-21)

☆いずれ読む。

●[システム詐欺にあったことを夫に報告すると] 旦那は3つのことを言った。
1.諦めるな。その予算規模なら天才が3人いたら1ヶ月でできる。
2.関係者、特にこれから出資しようとしている人たちに、ありのままの事実を速やかに伝える事。決して過小に伝えるな。
3.「システム詐欺」という言葉をやめろ。社長が最大の責任者。加害者だ。なのにあたかも被害者のような言い方をしていたら誰もついてこないぞ。(p.33)

☆すごい旦那さん。

●我が社は声の大きいユーザーに左右されないように、サービス改良の指針としてリピート率や離脱率などの数字を最も重視する事を徹底しているが、インターネットサービスの黎明期、ノウハウが確立していないこの時代に、ユーザーと徹底的に対話することで、サービス業の本質を手探りでつかんでいったことは、その後のDeNAの姿勢の基礎となった気がする。(p.69)

●[ビッダーズの営業先で]「南場さんね、買ってもらえなかったときにどれだけいい笑顔が見せられるかが勝負なんだよ」といった、たくさんの心に沁みるアドバイスもいただいた。(p.83)

●同じ人物でも、モバイルユーザーのときとPCユーザーのときでは利用のパターンがまったく異なる別のユーザー人格となるというこの事実は、単にインターネットサービスの一端末としてモバイルを位置づけるのではなく、特化したサービスを展開する事の重要性を我々に強烈に刷り込み、同時に新しい巨大市場の可能性を示唆したのだった。(pp.102-103)

●社長という立場は一瞬にしてものをつくり出すことはできないが、一瞬にして破壊することはできるので、気をつけなければならない。(p.109)

☆上場最終面接を前にして。真理。

●DeNA内部の清々しさ、気持ちのよさは、川田の人格と仕事へのスタンスがべったり組織に乗り移ったものだと思っている。誰よりも働く、人を責めない、人格を認める、スター社員に嬉々とする、トラブルにも嬉々とする。そして、俺は聞いてない、バイパスするな、などという言葉も概念もいっさいない。とにかく一歩でも、ちょっとでも前に進むことしか考えない。
 その川田の姿勢が、成功やアイデアの帰属よりもチームの成功を優先し、「誰」でなく「何」を重視するDeNAの文化をしっかりと築いた。(p.130)

☆DeNAの文化についての大変重要な記述。川田は創業メンバーの一人でマッキンゼーでの南場の部下。

●人材は多様なほうが強い組織ができると信じている。クリエイティブな人、オペレーションが得意な人、数字に強い人、商売センスのある人、風が読める人、人に心を開かせることができる人、強い人、優しい人、いろいろな特技が必要だし、性格もバラバラなほうがチームは強いし面白い。(pp.135-137)

●社長業は12%全力投球でも足りないのだ。(p.170)

☆耳が痛い。

●検討に巻き込むメンバーは一定人数必要だが、決定したプランを実行チーム全員に話すときは、これしかない、いける、という信念を前面に出した方がよい。本当は迷いだらけだし、そしてとても怖い。でもそれを見せないほうが成功確率は格段に上がる。(p.204)

●事業リーダーにとって、「正しい選択肢を選ぶ」ことは当然重要だが、それと同等以上に「選んだ選択肢を正しくする」ということが重要となる。決めるときも、実行するときも、リーダーに最も求められるのは胆力ではないだろうか。
 ほかの諸々は誰かに補ってもらうことが可能だが、リーダーの胆力はチームの強さにそのまま反映される。(p.205)

☆大変重要な指摘。

●[コンサル人材を採用したときのアドバイスとして]
 ・何でも3点にまとめようと頑張らない。物事が3つにまとまる必然性はない。
 ・重要情報はアタッシュケースではなくアタマに突っ込む
 ・自明なことを図にしない
 ・人の評価を語りながら酒を飲まない
 ・ミーティングに遅刻しない(p.208)

●創業時から一貫して、どんな人手不足のときでも、人材の質には絶対に妥協しないことをポリシーとしてきた。何か深い考えがあったというより、とにかく優秀な人が純粋に好きだったからではないだろうか。便利だからとか必要だからとかではなく、すごい!と思える人、尊敬できる人と一緒にいると自身の気持ちも高揚し、怠惰な自分も最高に頑張れる。それもあって、黒字かのめども立っていない時代からひとりひとり、これでもか、というピカピカの人材を口説き落としてきた。(p.208)

●DeNAが逸材を引っ張り込むのを見て、どうやって口説くのかと訊かれることが多い。が、人を口説くのはノウハウやテクニックではない。「策」の要素を排除し、魂であたらなければならない。きれいごとを言うようで気恥ずかしいが、私が採用にあたって心がけていることは、全力で口説く、誠実に口説く、の2点につきる。
 全力で口説く、というのは、事業への熱い思いや会社への誇り、それから、その人の力がどれだけ必要かを熱心にストレートに伝えるということに他ならない。それはもう、全力であたる。欲しい人材は何年かかってもずっと追いかける。どの経営者もやっていることだと思う。
 そして、相手にとって人生の重大な選択となることを忘れずに、正直に会社の問題や悩み、イケてないところなども話さなければならない。経営者や人事担当者だけではなくなるべく多くの社員に会ってもらって会社の実態を肌で感じてもらうのもそのためだ。(pp.210-211)

●ビジネススクールに行くことで人脈ができるのでは、ともよく訊かれるが、そうも思わない。逃げずに壁に立ち向かう仕事ぶりを見せ合う中で築いた人脈以外は、仕事では役に立たないと痛感している。(p.220)

●DeNAでは、「誰が言ったかではなく何を言ったか」という表現を用いて、「人」ではなく「コト」に意識を集中するように声を掛け合っている。誰かが言ったことが常に正しいと思ったり、誰かに常に同意するようになったら、その人の存在意義がなくなるし、"誰派"的な政治の要素ともなり、組織を極端に弱くする。(pp.221-222)

●"選択"に正しいも誤りもなく、選択を正しかったものにする行動があるかどうかだけだと信じています。この考え方は、DeNAで学んだ多くのことのうちのひとつです。(p.229)

●国内外にかかわらず、あと10年もすれば、組織に属して仕事をするスタイルは主流ではなくなるだろう。目的単位でプロジェクトチームが組成され、また解散するような仕事の仕方に変わっていくはずだ。
 そして多くの場合、国境を超えた人材でフォーメーションが組まれていくことだろう。環境や貧困などの社会の大きな問題の解決にせよ、事業の立ち上げや推進にせよ、国境に閉じてなせることは少なく、世界中のリソースを柔軟に活用できるチームこそ大きな成果を生み出していくことは間違いない。独自の思考と力強い突破力で必ず結果が出せる人材は、言語や文化の境目にかかわらずユニバーサルに求められるだろう。(p.245)

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『99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ』

『99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ』
河野 英太郎
ディスカヴァー・トゥエンティワン、2012/3/12、¥1,470(有隣堂亀戸)

タイトルに釣られて購入。最近こういう内容はなさそうとわかっていてがタイトルに釣られることが多い。だいたい「一つだけ」とか「これだけ」といったタイトルはほぼはずれなのだけれど、それでも釣られるので、マーケティング的には効果があるのだろう。

内容はあたりさわりのない当たり前のことを羅列している。著者の考えるコツを色々並べているだけなので、「1%」は誇大広告。どこかで読んだような内容ばかりなので、思い出すために読む感じなので、斜め読み程度で十分だが、所々参考になる点はある。

●私が社会人になりたてのとき先輩から謂れ、まだに印象的で常に心がけているのが「『とりあえず』ではなく、『まず』と言え」です。[とりあえず、とばかり言っていたところ] 先輩から、「お前の仕事は、『とりあえず』のやっつけ仕事か?」と言われました。[略] 「『まず』と言い換えてみろ。そうしたら『次に』という言葉が続くはずだ」
 それ以降、必ず自分では「とりあえず」と言いたいところを「まず」と言い換えるようにしました。これが自分の言葉になっていくと行動もそれに伴って「まず」「次に」と、常に先のステップを意識するようになりました。(pp.30-31)

▲コミュニケーションにおいて「会話」はとても大切なツールです。この会話に置いて、守らなければならない大事なルールがあります。それは、「誰かが話しているときには絶対話をかぶせない」というものです。→1) 早とちりを防ぐため 2)相手の感情を害さないため(p.120)

●「『あいつ使えない』という表現は、『あの人は役に立たない』という意味ではなく『私にはあの人を使う能力がない』という意味だ。『あいつ』と指差した手の指のうち3本は自分に向かっている」(pp.156-157)

●今までにストレス解消できたときの成功例を思い出し、「自分はこうすればストレスが解消される」というパターンを複数持っておくということです。[略]
 映画鑑賞やドライブ、旅行やスポーツなど何でもいいと思います。自分の気持ちの治療法は自分でしか決められないもの。(pp.192-193)

●ピンチのときこそ教科書に立ち返る:結果を出している組織や人というのは、この「教科書」に書いてある基本に忠実です。[略] 何か困ったり、ピンチになったら、まずは教科書に立ち返ることが、実は目標達成への近道なのです。(pp.194-15)


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『「折れない心」をつくるたった1つの習慣』

『「折れない心」をつくるたった1つの習慣』
植西 聰
青春出版社、2011/4/10、¥1,000(有隣堂亀戸)

「たった1つの習慣」につられて購入したが、予想通り1つではなかった。自己啓発書でよく出てくるアドバイスをまとめた本なので、内容は悪くないがタイトルは誇大広告だろう。

●折れにくい心を作るためには、日頃から自分のことを好きになるような行動を心がけ、実践していくのが大切です。そのための方法の一つが、自分との約束を優先するということです。自分に自信がない人は、無意識のうちに自分よりも他人を大切にしようとしがちです。(p.77)

●脳はイメージと現実を区別できない:人の脳は、想像で感じた気持ちと、実際にそれを体験したことで感じた気持ちの区別がつかないそうです。そのため、想像で「このプロジェクトが成功して、うれしい」という気持ちを体感するのと、それが本当のことだと錯覚して、どんどん心にプラスのエネルギーを作り出すのです。(p.162)

●迷っているヒマがあったら、まずは手を付けてみて、それから自分なりにどうするか、対策を立てればいいのです。
 心が折れやすい人というのは、想像力が豊かで、マイナスの方向にイメージが膨らんでしまう傾向があります。それを避けるためにも、頭の中で考えて終わるのではなく、実際に手や足を動かすことを意識してみるといいのです。すると解決策が見えてくることもあります。(pp.164-165)

●捨てないと、新しいものは入ってこない:いらないものを捨てると、必要なものが入ってきます。自分を助けてくれる人が現れたり、必要なお金が手に入ったり、モチベーションがあがってやる気がわいたり…。そんな変化が、早い人では数日で現れます。モノを捨てるという行為は、過去の価値観や思い込み、つまり執着を捨てることにもつながっています。(pp.174-175)

●他人のいいところを見つけるクセをtうける:具体的には、出会った瞬間に相手のいいところを3つ探してみることを、ゲーム感覚で始めてみてください。[略] すると、今までは人に会うたびに心にマイナスの感情が増えていたのに、今度は人に会うたびにプラスの感情が増えるという急激な変化が心に訪れます。(pp.176-177)

●体を動かすことは、脳にもいい影響があるのです。(p.179)

●言葉をプラスに変えるだけで…:心にプラスのエネルギーを増やすために最も効果的なのは、自分の使う言葉を変えることです。言葉は、言霊と言われるようにパワーを持っています。[略]
「この薬を使うと、90%の確率で死にます」
「この薬を使うと、10%の確率で助かります」
この二つは、同じ意味のことを言っているのに、受ける印象がまったく違います。(pp.188-189)

☆厳密には同じではないが、言っていることはわかる。

●うらやむ代わりに喜ぶ:周囲の人の幸せを自分のことのように喜べる人は、心にプラスのエネルギーが増えるだけでなく、人から信頼され、いい人間関係が広がっていきます。(p.195)

●人生は、ふだん話している言葉通りになる:「人生は言葉の通りになっていく」という法則があります。[略] よいことも悪いことも、言葉の使い方一つで変わります。[略] もしそこまで前向きな言葉を使うことがムリなら、せめて悪口やグチを言う機会を減らすだけでも、心に与えるマイナスの影響を減らすことができます。(pp.196-197)

●成功者の言葉を真似する効果:成功者の言葉を真似することで、自分に自信をつけることができます。いってみれば、自分に暗示をかけるのです。(p.198)

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『嘘だらけの日中近現代史』

『嘘だらけの日中近現代史』
倉山満
扶桑社新書、2013/6/1、¥798(有隣堂亀戸)

中国は近代国家ではなく、古代と中世を繰り返しているだけ。中国に5000年の歴史などない。日本の政治は媚中派によってズタズタにされた。など、今までの常識とは一風違った主張を展開する本。すべてが本書の通りだとは思わないが、思いもよらなかった視点を与えてくれるという意味で一読の価値があり、大変面白く読んだ。

●手始めに、中国を理解する三つの法則を覚えてください。
1.力がすべて
2.陰謀でごまかす
3.かわいそうな人たち
 つまり、ただひたすら殺伐としているのが中国なのです。徹頭徹尾、暴力や金銭、あるいは社会的立場など、自分と相手のどちらが強いかだけを計算して行動します。この点で、世界一の冷徹さを持つ民族です。日本人など到底及びもつきません。弱肉強食、万人の万人に対する闘争こそが中国大陸の本質です。(p.9)

●まじめに中国の政治史を書こうとしたら、モンゴル語や満洲語ができなければ話になりません。しかし、日本で東洋史・中国史の権威とされる人のほとんどはモンゴル語や満洲語ができません。(p.14)

▲中国の歴史とは「宇宙の中心に存在する工程とその周辺に起きた出来事」なので、かなり簡単にパターン化できる。
1.新王朝成立 → 2.功臣の粛清 → 3.対外侵略戦争 → 4.漢字の一斉改変と改竄歴史書の作成 → 5.閨閥、宦官、官僚など皇帝側近の跳梁 → 6.秘密結社の乱立と農民反乱の全国化 7.地方軍閥の中央侵入 8.1へ戻る
 時々逆行したり順番を飛ばしたりするが、基本的にこのパターンを数千年繰り返して今に至っている。(p.16)

●中国文明の強みであり弱みでもあるのは、文字を持っていることです。古代世界では、文字を使う民族は北方騎馬民族に蹂躙される弱い集団なのです。陰で好き放題なことを書いて、はるかのちの時代にも好き放題書いて伝えているだけです。たとえば、「匈奴」という文字は「騒乱を起こす連中」といった意味です。しかし、そういう憂さ晴らしくらいしかできないのが当時の力関係です。[略] 喧嘩で勝てないから相手に聞こえないところで陰口を言っているだけなのです。このあたり、ヨーロッパ人がペルシャ人と戦争をするたびに大敗しているのに、たまに勝つとそれがすべてであったかのように記述するのに似ています。(p.19)

●中国の歴史を習うと「皇帝は辞典の編纂を行った」とする記述がありますが、あれは本当に言葉を変えているのです。たとえば「北京」の発音ですが、「ペキン」と読むのは明の時代の発音で、現在は「ベージン」が標準語です。中国では方言が外国語のように違うので、文字や発音を標準語として統一するということは、偉大な権力者の証でもあるのです。劉邦の場合は、まさに漢字を決めました。東アジアで最初の歴史書である『史記』が編纂されたのも漢帝国です。(p.20)

●「馬鹿」という言葉が生まれるのもこの[秦の三世皇帝の] 時代です。つまり皇帝が馬を見せて「これは鹿だ」と宣言し、「いえ陛下、これは馬です」と間違いを正した家臣を殺したという逸話に由来します。日本の漢文の授業では「このように正しい発言が通らなくなると国は滅ぶのだ[略]」という教訓話として教えてしまうので、中国人も日本人と同じ価値観の人たちなのだという間違いのもとになってしまいます。中国人にとっては逆で、殺されるかもしれないのに正しいことを言う人間こそバカなのです。生き残るためには平気で嘘をつく、真実・正義・良心の呵責などという何の役にも立たない世迷い言は捨ててしまう。このリアリズムこそが中国人の真骨頂です。(pp.24-25)

●ちょうど、現代アメリカの学者・評論家が自分の理論を掲げて時の政権に取り入るのに成功すると、あとはカネも権力も思いのまま、というのに似ています。ヘンリー・キッシンジャーが愚にもつかぬ外交理論を掲げてニクソン政権に取り入り、政府高官としての地位を利用して中国利権にどっぷりつかり、その後は欧米の学界で威張り散らしているようなさまを想像してください。古代中国、孔子の生きた春秋戦国時代も同じでした。(p.29)

●つまり、[南蛮の征伐によって] 孔明は今の雲南省やビルマ、ベトナムあたりから人を大量拉致していたということです。史実の三国時代は、人口の九割が減少、純粋な漢民族はこのときに消滅したと言われます。それでも三国鼎立の殺し合いは終わりません。だから、魏は北方の騎馬民族から、呉は台湾など沿岸から、蜀は南方から兵士を補充しなければならなかったのです。(p.41)

●[強敵孔明がいなくなると自分が粛清されるので] 「強敵」孔明に脅かされている方が、仲達にとっては都合がいいのです。その結果、魏がどうなろうと知ったことではありません。
 中国人にとって外敵など、政争の道具にすぎません。(p.43)

●[派閥抗争に明け暮れる明は] 「倭冦」を名乗る海賊に悩まされ続けます。最初は元寇で大虐殺の憂き目に遭った対馬や壱岐の住民など日本人が中心でしたが、だんだん九割以上が中国人や朝鮮人になります。腐敗しきった明には、これをまともに取り締まるだけの能力がありません。
 1523年には「寧波の乱」といって、日本の細川氏と大内氏の貿易船同士が寧波で勝手に合戦を始めるのですが、明の役人はただ見ているだけというお粗末な対応です。
 明にはまともな安定期が訪れないまま、末期は豊臣秀吉にタコ殴りにされます。[略] 要するに、明は自分の領地に等しい朝鮮で、秀吉が死ぬまで日本軍に居座られて何もできなかったのです。(pp.60-61)

●今までのところの話しですが、東アジアに二つの大国が存在したことはありません。日中は並び立たないのです。前近代のほとんどの時期、日本は外国と没交渉に等しい状態でした。裏を返せば、ユーラシア大陸の騒々しさとは無縁に暮らしてきたと言えます。(p.80)

●しかし、これだけは言えます。片方で孫文を立てながら、もう一方で孫文を支援した[犬養毅・宮崎滔天・頭山満・内田良平・梅谷庄吉などの] 人たちをあしざまに罵る。これが中国革命に対する中国人の態度です。ついでに言うと、日本の学界はこうした中国人の姿勢に右へ倣えです。(p.95)

●大日本帝国は、まさに中国動乱への対応を誤り、亡国の道を歩んでしまいました。(p.102)
●かつて伊藤博文は、日清戦争で首都北京攻略が見えて来たところで和議を結びました。日露戦争でもロシアを来た満洲に追い返し、満洲における日露の権益を確保しつつ、清国の主権を確認しました。中国大陸に深入りすると碌なことがないという法則を知っていたからです。どんな王朝も300年で滅んでいるのです。二千年間一度も歴史が途絶えたことのない日本がわざわざ不幸に巻き込まれることはないのです。(p.109)

☆軍部だけでなく外交の誤りが原因であると主張する。

●孫文に関しては「アジアの大義」を信じ、孫文に殉じた日本人も多いことから、純粋な革命家だと思っている日本人もいますが、それは甚だしい勘違いです。
 日米ソといった大国を天秤にかけながら、カネをせびり嘘をつき裏切り・・・ということの連続です。最晩年の孫文はコミンテルンと手を結びながら、神戸の女子学生の前で「アジア主義演説」をしているくらいですから、褒めるならばマキャベリスト、はっきり言えばインチキ革命家といったところでしょう。(p.125)

●陸軍内も、「首脳対中堅」「中央対出先」という対立があり、一枚岩になれません。「日本が中国を侵略した」という論者の問題点は、「統一された国策があれば、大日本帝国は苦労しなかった」という点を見落としていることです。(p.148)
 張学良の非人道的行為は、日本人の常識となっていましたから、名目さえあれば関東軍の軍事行動は当然という論理的帰結になったのです。関東軍に「戦闘をやめよ」というのは、「邦人を死なせよ」というのに等しいので、政治家としても勇気がいる発言だったのです。(p.148)

●外務省は[法的に日本人である] 朝鮮人への[中国による] 数々の嫌がらせに冷淡でした。吉林総領事であった石射猪太郎は「朝鮮人問題で苦労するとは、外交官も落ちぶれたものだ」と戦後に回想しています。[『外交官の一生』読売新聞社、1950、p.171] この箇所は1986年の中公文庫での再販では削除されています。[略]
 問題は、帝国主義の時代だからこそ国家の威信が大事だと言うことです。事件が起きたときは泣き寝入りしてはならないのは[略] 当然です。ところが、当時の外務省は事なかれ主義だったようです。(pp.151-152)

●日本の歴史学界で絶対に使えない学術用語があります。「中国のプロパガンダ」です。
 自分の見聞きした範囲ではっきり断言しますが、中国を研究している平成の日本人で、中国共産党に遠慮なくものが言える人など数えるほどしかいません。理由は三つあります。
 一つ目は、中国の悪口を言うと、基本的に入国させてくれませんし、必要な資料を見せてくれないなど研究にさまざまな支障が出ます。二つ目は、戦後の中国研究者のほとんどが親中派だったので、弟子や孫弟子は先生・先輩の業績を否定するような研究は許されなかったのです。三つ目は、さまざまな名目の「日中共同研究プロジェクト」に依存している研究者が多いので、研究資金を打ち切られる恐怖に打ち勝てる人は少数です。(p.153)

●歴史学者や外交官が国際社会で振る舞うべき二つの鉄則があります。
 1.疑わしきは自国に有利に
 2.本当に悪いことをしたなら自己正当化せよ
 歴史学者はよその国に及ばれしたときにはこっそりと本音を漏らす場合もあるのですが、中国の外交官が公式の場でこれら二つの鉄則を踏み外したという話を聞いたことがありません。うらやましい限りです。一方、日本の歴史学者や外交官には、三つ目の鉄則を叩き込む必要がありそうです。
 3.やってもいないわるいことを誤るなど、論外
 書いていて、情けなくなりました。(pp.156-157)

●たとえば、夫婦喧嘩でも日中の国民性は違うと言われます。
 日本人の場合は、相手と罵り合います。もちろん、家の中で。
 中国人の場合は、家の外に出て、相手の非を第三者に訴えます。夫と妻のどちらが「観客」の支持を得るかで勝者が決まるのが中国の夫婦喧嘩です。
 両国外務省の国際宣伝にしても、この通りです。幣原喜重郎に代表される典型的日本人は相手と直接話し合って解決しようとします。一方の中国人は国際社会に日本の非道を徹底的に訴えますから、日本は常に出遅れます。かくして、「日本悪魔化」が完了し、国際世論は日本の敵となるのです。
(pp.157-158)

☆現在の従軍慰安婦問題もまったく同じ経過をたどっているように見える。

●中国人にとって根拠や事実関係は問題ではなく、第三者を説得できるか否かが問題です。[略]
 これを知っていながら外務省は一笑に付したので宣伝戦でやりたい放題やられました。現に当時のアメリカ世論は信じてしまったのですから、「こんなデタラメを信じるバカはいないはずだ」では通らないのです。明らかに国益を損ねました。(p.158)

☆中国人がディベートに強いのは事実はどうでもいいと思っているから。

●満洲事変という日本の運命を決めた大事件に関して、日本人が真に反省すべきはなんでしょうか。繰り返しますが、「侵略という悪いことをした」という嘘についてではありません。
 負けたことです。そして、負けた反省をせずに同じことを繰り返していることです。(p.161)

●実は、植民地経営の経験が長いリットンは絶妙な解決策を用意していました。「日本には実を取らせ、中国には花を持たせよう」ということです。満洲国を否認して形式上は中華民国の領土と認めた上で、日本の満洲における権益を容認しようとしたのです。イギリス本国はこうした方針で、これをまとめたのが『リットン報告書』です。しかも、あまり知られていませんが、中国を「政府は党の一重要機関に過ぎず」と、蒋介石政権をファシスト国家だと指弾している反中レポートです。
 ところが、『朝日新聞』を筆頭とする日本のマスコミはこの報告書を反日文書だと糾弾しました。あおられた世論はリットンを蛇蝎のごとく憎悪し、ポピュリズムに流された政府は国際世論への説得ではなく、リットンと国際連盟への敵視を始めます。(pp.170-171)

☆今も昔も国益を損ねるのはマスコミ。

●この年[1933]、欧米では二人の凶暴な人種差別主義者が権力を握ります。ドイツのアドルフ・ヒトラーとアメリカのフランクリン・ルーズベルトです。[略]
 F・ルーズベルトは、先祖が中国人奴隷貿易で巨万の富を築いたことに罪悪感を抱き、終生を親中派政治家として行動したという人です。その一方で、「日本人の頭蓋骨は白人よりも小さい」と本気で信じていた人種差別主義者です。戦争をいやがるアメリカ国民をだまし、何の利害関係もない日本に喧嘩を売り、国際法を片っ端から破って無差別攻撃で非戦闘員である民間人を殺しまくりました。アメリカ大統領は再選までしか許されないのに、憲法の欠陥をついて有無を言わせず四選十二年も政権を独占した権力亡者でもあります。アメリカは、F・ルーズベルトの指導下で世界の覇権国にのし上がりました。(p.174-175)

●「満洲」などとサンズイのついている文字を使うと、火の王朝である漢民族の明を、異民族の満洲人が滅ぼし水の王朝を建国した意義を強調することになる、という政治的配慮です。[略] 敗戦後の我が国では残念ながらそういう自称専門家が幅を利かせているのですから嘆くしかありません。(pp.176-177)

●どちらも悪い意味で使われるので気づかないのですが、ファシズムと軍国主義は宿敵です。ファシストは愛国心や民族主義、そして軍国主義的な言説を煽ることが多いので勘違いしがちですが、厳密にはファシズムと軍国主義を同時に行うことはできません。
 ファシズムとは一国一党のことです。1920年代以降のイタリアのファシスト党やナチス・ドイツが」典型です。[略] 軍国主義とは国策の最優先事項に軍事を据えることです。国家を至上とする国家主義と前提としています。その国家より上位に独裁党が存在するファシズム下においての軍国主義など語義矛盾なのです。
 では1930年代以降の日本はどうだったのでしょうか。ファシズムにも軍国主義にもなれませんでした。憲政の常道は失われましたが、帝国憲法も議会も敗戦まで健在でした。[略] もうひとつ、当時の日本を軍国主義と呼ぶのも褒め過ぎです。[略] 政党政治の崩壊以後、だれも国策をまとめられなかったからこそ、満洲事変でも迷走したのです。むしろ元寇や日清・日露戦争のほうが正しい意味での軍国主義でしょう。昭和日本の悲劇は、軍国主義に走ったことではなく、軍国主義になれなかったことです。(pp.186-187)

●日本だけはこの[1933-1945]j十三年間に十三代の内閣で十一人の総理大臣が交代しています。英米ですら独裁者に匹敵する指導者を選んで戦争を行おうとしている時代に、日本政治は不真面目すぎたというべきです。(p.188)

●断言します。大日本帝国を滅ぼしたのは、近衛文麿とその側近たちです。彼らが中華民国との泥沼の戦いにに日本を引きずり込み、それだけでは飽き足らずに対米開戦を仕組んだのです。(p.190)

●日本は過去の自国の外交行動を全否定し、毛沢東の主張を全面的に受容しました。また、本当は「国交回復」したのではありません。国家承認の相手を台湾から北京に切り替えただけです。こうした呼称こそ国辱の原点です。田中と大平は何を急いだのでしょうか。当のアメリカが、中国と提携の姿勢は示したものの正式な国交樹立には、なお数年をかける慎重姿勢だったというに。(p.247)

●決戦は、1976年9月15日の三木内閣改造です。三木は松野を幹事長に据えた上で解散総選挙を断行し、田中は壊滅を狙っていました。しかし、福田は園田の進言を容れてこれを阻止します。ここに大勢は決しました。以後の30年間、田中角栄とその後継者たちの親中派政権が日本政治を我がものにする端緒となったのです。(p.249)

●福田内閣唯一の業績は園田外相が進めた日中平和条約調印として歴史に残されていますが、この内閣で尖閣問題が深刻化し、今となっては北朝鮮による日本人拉致が最も激しかったのもこの時期だとわかっています。何も考えずに首相の地位を求めた代償は大きかったと言えるでしょう。(p.250)

●こうした[白川日銀の円高で海外脱出した] 企業を受け入れた中国は、日本のGDPと雇用と優秀な技術を労せずして手に入れることができました。すべての源は日銀がお札を刷らないから、デフレ円高になったのです。日本銀行は中国の資金源と化しました。戦わずして日本を滅ぼす。日本はまちがいなく亡国前夜の様相でした。(p.258)

●マスコミのネガティブキャンペーンなど蹴散らすように支持率は絶好調です。不況でまともに予算をかけられず、しかも規制でがんじがらめの大メディアに真実がないことを、国民は気づき始めています。[略] 第二次安倍内閣は間違いなくネット時代の産物でしょう。(p.264)

●明治以来、中国には悩まされ続けてきました。共産党による独裁が続こうが、分裂して動乱状態になろうが、いずれにしても大迷惑な存在であることには違いはありません。日中平和共存など幻想です。聖徳太子や菅原道真のように距離を置くか、伊藤博文や桂太郎のように正しく対処するしかありません。(p.267)

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『社長は少しバカがいい。~乱世を生き抜くリーダーの鉄則』

『社長は少しバカがいい。~乱世を生き抜くリーダーの鉄則』
鈴木喬
WAVE出版、2013/2/14、¥1,470(八重洲BC)

エステー会長による経営論。業界では弱小であるエステーを率いて常に前向きに経営する考え方は参考になる。
色々な経営者の経営論を読んで思うのは、その多くが「運」や「博打」など理屈では測れない何かを信じていること。もちろん全力を尽くした上での話ではあるが、その先にある何か感じているというのは興味深い。

●なぜドイツは敗れたのか?チャーチルの挑発にヒトラーが乗ったからだ。
 イギリスの航空戦力を殲滅する。ドイツの狙いは戦略的に正しかった。[略] [しかし、ドイツのロンドン誤爆に対するチャーチルのベルリン爆撃という挑発に乗って] 航空戦力の殲滅から、イギリスの大都市空爆に作戦を変更したのだ。これが、イギリスを助けた。[略]
 他にも、挑発に乗って戦争に負けたケースはいくらでもある。[略] ビジネスの歴史を振り返っても、価格競争を真に受けた会社はみんなおかしくなってる。これは、世界中どこだって同じだ。(p.59)

●よっぽど自分のとこのコストが安くならない限り、価格競争は続けられない。時間がたてばたつほど、苦しくなる。おかげさまで、今でもウチの防虫剤が圧倒的にシェアトップだ。
 やはり、挑発は「する」ものであって、「乗る」ものではない。それを教えてくれた歴史に感謝している。僕は、あんまり経営書は読まない。役に立つのは歴史だ。特に、戦争の歴史にはヒントがたくさんつまってる。なぜなら、経営のいちばん凝縮した局面というのは、戦争そのものだからだ。
 社長をめざすのなら、歴史を学ぶのがいいと思う。(p.61)

●社長にとって、最後に頼りになるのは自分の直感なんだ。(p.70)

●彼ら[営業部隊] だけには任せておれん。そう思った僕も、[消臭ポット販売のために] 全国の販売店を駆け回った。その間、僕は毎日何万回も自己暗示をかけた。「売れる、売れる、売れる」。仕事で結果を出すために大切なのは、究極のところ熱意に尽きる。どこまで本気で「売れる」と思い込めるか。社長の思いの強さが試されるのだ。(p.76)

●「偉大な事業を起こしてみずからを類稀な模範として示すこと以上に、君主の名声を高めるものはない」。これは、マキャベリの『君主論』の一節だ。まさに、そのとおりだと思う。単に社長という職位に任命されたからと言って、「社長」になれるわけではない。周囲を圧倒するような「結果」を出して、はじめて「社長」になれるのだ。(pp.79-80)

●経営には、常に博打の要素がある。どんなに理屈で考えても決断できない選択を迫られることがある。ここで尻尾を巻いて逃げているようでは「結果」は出せない。必要なのは「博才」だ。
 日本海軍のトップは山本五十六以下、全員がブリッジをやっていた。鄧小平もブリッジ好きで有名だ。今のアメリカの金持ちも年に一回集まってブリッジの大会をやっている。儲けはすべて寄付するそうだ。要するに、成功者というのはだいたい博打ウチだということだ。要所要所で博打に勝った者が、成功者となる。難しい顔をして考えていたって博打には勝てない。いくら本を読んで勉強しても博打には勝てない。むしろ、勉強は身体に悪い。社長に必要なのは、「運」と「勘」と「度胸」なのだ。(p.80)

●僕の座右の書はマキャベリの『君主論』と『韓非子』だ。「権謀術数の書」「人間不信の書」として、世間ではいささか評判が悪いが、リーダーシップについて学ぶには史上最高の本だと思っている。(p.88)

☆論語は綺麗事というのが鈴木の信条。

▲自分の社員にゴマをすったり機嫌を取る必要はない。アゴで使うくらいの気概が必要。経営者になるというのは覚悟がいる。組織を引っ張っていくためには「自分がリーダーである」ということをガツンと示さなければならない。(p.106)
●英国海軍では、兵隊に塹壕を掘らせるときに将校は絶対に手伝わない。一方、陸軍の将校は兵隊と一緒になって塹壕を掘る。なぜか?陸軍は徴兵で、海軍は志願兵だからだ。みずから志願したのだから、命じられた仕事をするのは当然だ。気に食わなければ辞めればいい。そのかわり、リーダーは雨が降ってもコートも着ずに立ち続ける。そして、全体を見ながら大きな指示を出す。社員は志願してその会社で働いているのだから、海軍将校を見習うのが道理だ。社員と一緒になって「頑張れ」などと言ってる場合じゃない。(p.106)

▲営業で重要なのは、準備。お客様を訪問する前に、徹底的にその会社のことを研究する。有価証券報告書、新聞・雑誌の記事などを10年分みっちり読み込んで、相手の困ったことを調査する。その会社の社員よりも、その会社のことに詳しくなるくらいじゃないと通用しない。会ってくれる相手のことも、学歴、職歴、家族、趣味などをとことん調べ尽くす。そして、準備万端整えてから面会に向かう。
 営業はしゃべっちゃダメだ。立て板に水のように話す営業マンで成功している人は見たことがない。相手に気持ちよく話してもらう。これが営業の基本だ。そのために大切なのが「質問力」。ここで、準備が生きる。(pp.137-138)
 そして、最初の勝負は一言で決まる。相手が言ってほしいことを言うのだ。たとえばこんなことがあった。下調べで、相手が剣道4段であることを知った。面談中、その方が業界の問題点について分析を披露したときに、すかさずこう言った。「さすが剣道4段ですな。きっさき鋭い!」
 うれしそうな顔をされて、こっちまでうれしくなった。(p.138)

●社長が現場に出ると大局を誤る
 [東日本大震災の被災状況報告を受け] 僕は淡々と聞きおいた。騒いだところでどうにもならない。起きてしまったことは仕方がない。これからできることだけを考える。それが、それまでの人生で培って来た習慣だった。(p.203)
●バカと言われるかもしれないが、バカじゃなくて大将が務まるものか。心がズタズタでもホラを吹いて笑ってみせる。大将が元気でニコニコして、平気な顔してたら、たいていはうまくいくんだ。(pp.205-206)

●長く生きてきても、やっぱり世の中のことはわからない。意図せざる幸運とめぐり合うことはあるのだ。大切なのは、心意気を胸に行動を起こすこと。[大震災後1ヶ月での消臭力CMは] もしかしたらバッシングを受けていたかもしれない。しかし、他の会社と横並びで何もしなければ、何も起こらなかったことだけは確かだ。
 社長は群れちゃダメだ。海外企業のM&Aだ、アジア進出だ、などと一緒になって騒いでいるようじゃ話にならん。まとめてお陀仏になるのが関の山。だから、僕はいつだって「逆張り」だ。今回は、それが思わぬ幸運を引き寄せたのかもしれない。(p.223)

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『老荘思想』

『老荘思想』
安岡正篤
福村出版、2006/6/20、¥2,310(八重洲BC)

安岡による老荘思想の解釈書。難解。

●精神の一特徴は内分泌のように自ら思考するにある。故に一切の判断が自主直接でなければならぬ。他からの借物であってはならぬ。もし借りてきたように見えても、それは他における自己の発見、他による自己の立証でなければならぬ。(p.113)

●芸術は純真な生命の発露を尊ぶのであるから、最も俗世間の虚栄や、あらゆる因習的な束縛を嫌う。換言すれば裸を愛する。(p.121)


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『万能鑑定士Qの推理劇III』

『万能鑑定士Qの推理劇III』
松岡圭祐
角川文庫、2013/4/25、¥580(L)

凛田莉子にカード偽造を暴かれ、更生を約束した錦織英樹は、謎の招待状を受け取り、地中海を巡りながら彫像を作るツアーに参加する。優勝すれば過去の罪を消し、富豪との契約で大金が入ることに魅力を感じた錦織は参加を決意する。

松岡によく出てくる、そこで作らせているものではないところに主眼がある、というトリック。とりあえずいつも通りさらっと読める。

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『(株)貧困大国アメリカ』

『(株)貧困大国アメリカ』
堤未果
岩波新書、2013/6/28、¥798(有隣堂亀戸)

「貧困大国アメリカ」シリーズ完結編。コーポラティズムに飲み込まれたアメリカでは1%の富裕層と99%の貧困層への二極化が急速に進行している。民主・共和問わずアメリカ政府さえ金の力で自由に動かせるようになった多国籍企業がアメリカを食い尽くしたあと次に狙うのはTPPを枠組みにした日本など他国経済。

本シリーズ3冊の構成は単純で、
1) アメリカの二極化が進み貧困層が拡大している
2) それを推進しているのは多国籍企業で、政府も取り込まれている
3) 彼らに反対しようとするとことごとくつぶされ、収奪の構図を変えるのは絶望的に見える
4) 草の根運動により彼らに対抗していく動きがあり、それが希望である
これを繰り返している。ストーリー構成として非常にうまくできているので、何も考えずに読むと本当に納得させられてしまう。ルポを書くときの教科書的構成なのかもしれない。

前書同様インタビューを重ね、緻密に論を組み立てていく手法は、最近の軽薄な新書には珍しく内容の濃い本になっている。ただ、そもそも本書で取り上げているインタビュー対象者に偏りがあることと、引用内容をうまく切り貼りしているので、内容に絶対の信頼を置くことはできない。その点を留保して読めば大変良い本だと思う。

●SNAP [Supplemental Nutrition Assositance Program = 補助的栄養支援プログラム] 受給者は年々増加、2012年8月31日のUSDA(農務省)発表では、約4667万373人と過去最高に達した。1970年には国民の50人に1人だったのが、今では7人に1人がSNAPに依存していることになる。(p.3)

☆低所得者でも受給できるため、受給者を積極的に増やすことで食品会社や小売り大手が潤う一方、自治体の財政は悪化の一途をたどる。

●通商交渉委員会のスタッフディレクター、ジェイムス・ホワイトは、この状況をこう語る。
「国民の生活を大きく左右する通商交渉分野のトップ議員が、わざわざ法案まで出さなければならないほどすっかり蚊帳の外に置かれている。小野異常な状況が、今のアメリカをよく表していると言えるでしょう。TPP交渉一つとっても、日本を含む各国政府が交渉を進めている相手が、かつてのような国家としてのアメリカだと思わない方がいい。今政府の後ろにいるのは、もっとずっと大きな力を持った、顔の見えない集団なのです」(p.17)

●各国の農民たちは、毎年モンサントを筆頭に、世界四大多国籍アグリビジネスから種子を買うしか選択肢が与えられていない。トウモロコシや米、大豆、小麦といった、人類にとっての主要作物がたった四社の手に握られているのだ。
「ターミネーター種子 [発芽した段階で枯れる種子]」の特許成立は、世界のパワーバランスを大きく揺さぶることになるだろう。種子が手に入らなくなればその国の自給率はゼロになるからだ。アグリビジネスと共にこの政策を進めて来たアメリカ政府もまた、世界最強の軍事力に並ぶ、外交交渉の強力な武器を手に入れた。
 アールバッツ元農務長官は、外交における食の重要性をこう語っている。
「食料はアメリカが持つ外交上の強力な手段です。とりわけ、食料を自給できない国に対しては有効でしょう。脅威を与えたいときは、ただ穀物の輸出を止めるだけで良いのですから」(p.156)

☆アールバッツはニクソン政権時の長官なので、本書の文脈とは違うところからの引用であることに注意。彼の元発言は1999年「日本に脅威を与えたいときは」。

●[TPPが] 実施されればそれぞれの国が持つ規制や独自経済政策能力と言った主権が制限され、投資家と多国籍企業は完全に法治国家を超えた強力な力を持つことになる。(pp.165-166)

☆米韓FTAで丸裸にされた韓国の二の舞が危惧される。

●かくして2005年12月。人口10万人、全米初の「完全民間経営自治体サンディ・スプリングス」が誕生する。政府ではなく民間企業が運営する自治体。(p.200)

☆ハリケーンカトリーナの後、貧困地域への公共サービス税負担を嫌った富裕層が自分たちだけのために作った町。

●「アメリカという国を好きなようにしたければ、働きかけるべきは大統領でも上下院でもない。最短の道は州議会だ」
『ネイション』誌のワシントン特派員で、メディア改革推進団体「フリープレス」創始者のジョン・ニコラスは断言する。[略] 50州からなる合衆国は、それぞれの州に独自の法律と自治権が与えられている。[略] 「つまり」とニコラスは言う。「州を制する者は、国民生活の隅々まで及ぶ影響力を手にできるということです」(p.206)

☆アメリカの政治構造。

●企業によるイメージ戦略は、美しい名称をつけることによって、公益と逆行する法律内容を国民の目から隠している。たとえば2014年に施行される<オバマ・ケア(医療保険適正価格法)>は、病歴に関わらず民間医療保険への加入を義務づけるため、適正価格どころか月々の医療保険料を今より最大3倍値上がりさせてしまう。IRS(国税庁)の試算では、平均的な4人家族の場合、最も安い保険料は2万ドル(約200万円)、加入しなければ強制的に銀行口座から罰金が引き落とされるという。(p.274)

☆判断材料がないので何とも言えないが、本当に2万ドルなのかちょっと信じられない。かなり偏った試算のような気がする。

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『社長は「現場」に出るな! 』

『社長は「現場」に出るな! 』
平野 貴之
中経出版、2013/3/21、¥ 1,575(有隣堂亀戸)

売上10億程度で「エースで4番」型の社長に向けて、どうしたら成長を続けられるかを解説した本。著者自身経営・倒産等の経験があり、それなりに納得できるところが多い。

●経理と財務の違いは、「過去と未来の違い」といえます。(p.157)

☆経理は過去の整理で、財務はある程度自由に考えられるので未来について大枠をとらえるという考え方。

●将来への不安解消は「企業成長への物語」をつくること(p.161)
 過去も自分に起きたことであれば思い出して想像できるように、未来も自分が行動することを想像できるはずです。(p.162)
 物語は、スタート、ゴールも大事ですが、その途中で、何が起こるのかも非常に重要なのです。(p.164)
 
☆ストーリー戦略。

●物語を「紙」に書くと伝えることができる(p.169)
 [「企業成長への物語」は、] 「過去を含めた現状→目標とする将来像→現状と将来像をつなぐ途中経過」を書いていきます。(p.174)

☆書くことで具体的にイメージできる。頭の中だけではなかなか具体的にならない。

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『アメーバ経営』

『アメーバ経営』
稲盛和夫
日経ビジネス人文庫、2010/10/1、¥680(有隣堂亀戸)

京セラ、JALの経営をしてきた著者による経営手法の解説書。アメーバ経営の哲学とともに、具体的な管理手法が書かれている。大きな単位を小さく分けて独立採算にするという思想はある程度わかったが、具体的な手法については細かすぎてよくわからなかった。実践は指導者がいないと難しいのではないか。

●「『蟹は甲羅に似せて穴を掘る』という言葉があるように、会社というのは、その経営陣の器より大きくそんなならないものである。だから、みなさんが『ケチな了見で京セラをつくったのではない。われわれはこの会社を世界一へと発展させていこうと心に誓ったのだから、われわれの上に中途採用の幹部が来ても、全然構わない』と言ってくれるのなら、私は採用しようと思うのだが」と尋ねた。[略] そうした中途採用の優秀な人材が、やがて京セラの成長に大きく寄与してくれたことは疑いない。(p.84)

☆一人では経営できない。

●本来、種々雑多な経費からなり、他の科目に比べて金額が小さいから雑費なのであって、無視できないような大きな金額であればそれを一括りにすべきではない。[略] 会社経営において大切なことは、日頃より現場のことをよく知っておきながら、詳細な採算表により各部門の経営状況を客観的に分析し、経営にあたることである。(p.133)

☆何でも雑費ではいけない。

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