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『語学はやり直せる! 』

『語学はやり直せる! 』
黒田 龍之助
角川oneテーマ21新書、2008/2/10、¥720(三省堂本店)

神保町でものづくり補助金説明会があり、その後立ち寄った三省堂本店で平積みになっていたので、購入。NHKロシア語講座の講師。一言で言うと、語学は役に立つにではなく、純粋に楽しんでやったらいかが、という本.あまり理論的根拠が確かではないが、言いたいことはわかった。
 たくさんの外国語を学ぶのは楽しいが、一言語でも相当力を使うので、一度に一つずつにしてある程度たったら次に移れ、などの実践的アドバイスも役に立つ。

●語学の王道とは何か。それはもう決まっている。
 読書である。
 読書と語学は切り離せない。いや、切り離した語学もある。たとえば会話ばかりの語学もあるのだが、わたしは読書の方がいいと信じているし、読書以上に語学と結びつくものを他に知らない。(p.25)

☆最近の会話中心語学には自分も疑問があるので、言いたいことはわかる。

●テストの点数を基準に読書をする。悲しいね。そんなのは読書じゃないんだな。かつて友人がいっていた。「読書とは自分で本を選ぶことだ」。このことばには感動した。(p.26)

☆○才から、やTOEIC○○点以上、といった基準に縛られるのは愚か、と主張している。まぁ、楽しめるのなら自由に読んでよいと思う。

●必死に勉強して、根性で一時的に語学力をつけ、たとえば認定試験で好成績を収めても、語学はそれで終わりではない。放っておけば、どんどん忘れる。語学で意外に大変なのは、メインテナンス。そのメインテナンスがどうしてできないのか。やっぱり、つまらないからである。
 つまらないのはダメ。語学は文化であり、つまらない文化はいけない。(p.45)
●語学でもっとも大切なのは、やめないことだ。続けるのとは違う。それほど積極的でなくていい。ただ、やめない。それを心がけるだけで充分。ところが、これが意外と難しい。(p.49)

☆継続は力なり。語学では特に当てはまる。

●私の場合、振り返ってみれば、だいたい十年くらいやめないで一つの言語と付き合っていると、その全体像が何となく見えてくる気がする。しっかり自分の中に根ざしたなあと感じるまでには、さらに十年かかる。個人差もあるだろうから、この数字は目安にすぎないのだが。
 少なくとも「あっという間」に上達することは絶対にあり得ない。だから、そういうことを謳っている語学書とか会話学校は、はっきりいって詐欺である。(p.50)

☆同意。

●語学は時間がかかる代わりに、基本的にはかけた時間だけ返ってくる。うん、そんな気がする。過大な期待さえかけなければ、語学へ時間を投資することは、決して損をしない。ローリターンだけど、ローリスク。語学は正直だ。反対に、急ぐとどこかで欠陥が生じる。(p.52)

☆あまり時間効率はよくないのは同意。

●時間がかかること、復習を忘れないこと。この二つのことさえ納得していれば、心配はいらない。楽しい気分でクールに語学に打ち込めるはず。(p.57)

☆学校で受けた語学の傷は、英語以外の語学を一からやることで解決できる、と説く。

●外国の諺に「学んだ言語の数だけ、人間らしくなっていく」というのがある。広い視野を持っているのが、人間なのだ。(p.72)

☆名言。

●言語能力は数値で測れない。言語のような複雑な体系は数値化できないのだ。できるんだったら「日本一英語のできる人」とか、そういう人がマスコミをにぎわせてもよさそうなものではないか。通知化できるのは言語能力のうちのごくごく一部に過ぎない。そう考えるんだったら、検定試験も悪くない。 決められた時間内で、与えられた問題にどれだけ正解できるか。それはそれで能力には違いないが、一部分に過ぎないということを忘れると、とんでもない結果を招きかねない。数値化された結果は一人歩きをはじめる。とくに最近の語学検定試験は、昔みたいに○○級合格くらいのおおざっぱなものではなく、スコアが数字によって細かく出る。これが危険な誘惑なのだ。特に危険なのは、検定試験を何かの選抜に使うこと。競争になれば、点数は一点でも多い方が優れていることになる。だが、繰り返すが語学というものは本質的に能力が測れない。目の前に人間がいれば、そういうことが理解できる人も、たとえば応募書類だけを見ていると、TOEIC760点と770点を比べて、後者のほうが優れているような気がしてしまう。そんなの誤差の範囲だと考えられなくなってしまうのである。(pp.99-100)

☆まったく正論。

●語学のプロだって、いろんな性格の人がいる。かつての通訳仲間、親しい語学教師を思い浮かべても、本当にさまざま。にぎやかな人、おとなしい人、押しの強い人、遠慮深い人。でも、共通点が一つだけある。みんなよく勉強するのだ。それも「静か」に。勉強するのは当然だろう。知識は常に増やしていきたい。
 では「静か」とはどういうことか。自分一人の時間を作っているということである。資料を読むにしても、耳の訓練をするにしても、基本は一人でやること。時間をきちんと確保して、自分で決めたことをこなすのが、語学のプロであり、みんなこれを実行しているのである。(p.157)

☆まったく同意。

●語学のプロは、その言語が話されている地域のプロでもある。ふだんから言語外現実に関する知識を増やしていくことが肝心なのは、語学教師に限らない。でも、それだけでは足りない。語学のプロは、日本に関する知識が不可欠になってくる。(p.163)

☆たとえば外国に行くと急に動植物名を知りたくなる「にわかナチュラリスト」が多く、ガイドなどをしていると動植物の名前まで広範な知識が問われるとのこと。納得した。

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