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『寝ても覚めても本の虫』

『寝ても覚めても本の虫』
児玉清
新潮文庫、2007/2/1、¥580

児玉清による書評。洋書ミステリーが主。俳優業のかたわらこれだけの本を原書で読破していたことに驚嘆した。

●1997年12月にアメリカを訪れた際、書店の平台にうずたかく積まれたハードカバーの一つに『MEMOIRS OF A GEISHA』というタイトルがあるのにドキッとした。思わず手に取ってみると、表紙に半玉姿と思われるまだ幼さの残る美女の写真が載っていて、タイトルの下にはNOVELすなわち小説という但し書きがついていた。(p.116)

☆色々と曰くのある小説らしいが、機会があれば読んでみた。

●[お座敷の話では] かつての日本の連合艦隊司令長官、山本五十六元帥のお座敷での話が面白い。何ごとにも勝負強く負けることを知らない元帥に、勝つ秘訣は何かと質問したところ、元帥は「自分は決して相手を負かそうとして対峙したことはない。ただ相手の自信を打ち崩す術を模索するのだ。人間は自信が揺らぐと勝利への道に心を集中することができなくなる。勝負はどちらも対等なのだ。絶対に対等なのだ。双方が同じ自信さえ持っているならば…」と答えた。この山本五十六元帥の言葉をヒロインのニッタ・サユリは教訓とし、彼女に敵対する朋輩芸者の戦意を喪失させる話は大いに楽しめる。(p.121)

☆上述小説中のエピソード。通常の人間間では通用する話でも、太平洋戦争ではこれが裏目に出た、という意味で興味深い。アメリカは真珠湾で意気消沈するどころかむしろ戦意を燃え立たせてしまったわけで、逆効果にしかならなかった。


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