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『戦後史の正体』

『戦後史の正体』
孫崎享
創元社、2012/7/24、¥1,575(L)

しばらく前書店で平積みになっていたが、多分買うほどではないと思ったので、図書館で借りた。

太平洋戦争後の日米関係は、常にアメリカに従属した形で展開し、少しでも自主外交をしようとすると、アメリカに潰されてきた、というのが大筋の話。話自体はよく言われていることなので驚きはそれほどないが、書籍という形にしたことが、それなりに売れた理由と言えるだろう。

著者の思想的には、中国と手を組んでアメリカと対抗せよ、ということなのだろうが、自分はあまり共感できなかった。そもそも歴史的に日本は常に中国に圧迫を受けていて、中国は朝鮮半島と組んで日本に進出を図るというのが歴史的図式だから、日本と中国が組む、というのは歴史的地理的に考えづらい。また、今の時代にアメリカを外すということに実現性があると思うのは理想主義に過ぎる。状況が変われば外交も変わるだろうが、対米協調が今の日本にとって現実的で最も利益のある政策であることを否定するのは困難だろう。

●「在日米軍基地の見直し」と「中国との関係改善」。結局、日本にとって踏んではいけない米国の「虎の尾」とは、このふたつの問題につきるのです(本格的に踏んだ首相がいないので証明できませんが、これにおそらく「米国債の売却」が加わります)。(p.355)

☆これらの問題については状況の変化によって将来変わりうる。

●[自主派の首相を追い落とす] パターンのいずれにおいても、大手マスコミが連動して、それぞれの首相に反対する強力なキャンペーンを行っています。(p.370)

☆鳩山由紀夫もこのパターンの例として挙げられている。しかし民主党が勝利した総選挙前のマスコミ報道を見れば、「最低でも県外」と言っていた鳩山に対しマスコミは政権交代を煽りに煽った。この一例を見ても、著者の主張を一概に信じることはできない。


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