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『起業家』

『起業家』
藤田晋
幻冬舎、2013/4/12、¥1,575(有隣堂亀戸)

サイバーエージェント社長の回顧録。ネットバブル崩壊後からアメーバ立ち上げまでを描く。会社全体に目配りしながらアメーバにすべてを賭ける決断を下すところでは、経営者の孤独がよく伝わってくる。ベンチャーとはいいながらすでに数百億円を超える売り上げを持つ会社の話でもあるので、なかなか書けない部分もあったろうが、ここまでの本を出したということに意味があるのではないか。

M&Aが当たり前のIT業界で自前主義を貫くことで、スピードを犠牲にしながら品質を保つ経営方針、堀江との交友など興味深く読んだ。

▲2000年3月に上場したときにある投資家に
「営業利益率10%はほしいね」と言われ、それが中長期計画の数字に影響した。(p.22)

☆ひとつの目標値。

●合宿を始めたのは、リクルート創業者の江副浩正さんの著書『かもめが跳んだ日』を読んだことがきっかけでした。リクルートの役員合宿(じっくりT会議)について触れられていて、当社でもやってみようと考えたからです。(p.60)
 [ネットバブルが崩壊し、日本型経営を目指した頃] ソニーの盛田昭夫さんの『MADE IN JAPAN』と、ホンダの本田宗一郎さんの『得手に帆あげて』を読んで感銘を受けました。(p.75)

☆参考図書。右肩上がりの経営は、現在一般的には難しいが、IT産業は右肩上がりなので適用できる、と考えたのには納得した。

▲事業を自分たちで創っていくという宣言を2004年11月の決算発表で行った。
「これからは黒字化した利益の30%は新規事業への投資にあてます」(p.82)

最初から基準が決まっていればいくらでも新規事業の立ち上げの数を増やすことができる。
 この制度はシンプルで、「1年半で黒字化しないと撤退」ということと「赤字の下限を決めている」という2本の柱から成り立っている。これには、「1年半」という先行投資に期限を設け、「小さく生んで大きく育てる」という概念が盛り込まれていた。(p.84)

☆参考基準。

●[ライブドアの堀江の格をあげる戦略について] 社長の格をあげることは、会社の格を上げていくこと、そしてその会社が提供しているサービスがすごいものだと見せることにも繋がります。(p.127)

☆身だしなみもその一つ。

●新しいサービスやデバイスを自分で使って試さないのは、ネット企業の経営者としては失格です。(p.142)

☆どの業界でも同じ。

●流れが良いと判断した時期は仕事をさぼってはいけない。そういう信条が私にはあるので、集中力を切らさないように、寝る時間以外はすべて仕事に費やしていました。(p.162)

☆松本大も同じことを言っている。一つの考え方として参考になる。

●[アメーバ事業部の] オフィスに引っ越した私は、アメーバ事業部の社員全員をフロアに集め、黄色いメガホンを片手に声を張り上げて言いました。
「我々は一致団結、一蓮托生、アメーバがこけたら皆こける!」(p.228)

☆黄色いメガホンは使えるかも。

●([投資家が] どんなに無関心でもずっと同じことを言い続けるんだ)
(言い続けたことが現実になって初めて信頼を得るんだ)
 この考えは、上場してから黒字化するまで、投資家からの罵声を浴びながらも決算報告をしていた経験から学んだことです。投資家にとっては、社長の発言に一貫性があることが安心感に繋がるのです。(p.242)

☆投資家に限らず関係者にとっても一貫性は重要。

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