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『氷菓』

『氷菓』
米澤穂信
角川文庫、2001/11/1、¥480(TSUTAYA)

アニメがそこそこ面白かったので。

折木奉太郎は、姉の命により高校で古典部に入部する。そこに千反田える、同級生の里志、伊原とともに、33年前に起きた事件の謎を解く。

いわゆる「日常の謎」系の話で、アニメでも大体雰囲気はわかっていたが、どちらかというのミステリーというよりライトノベル。そこそこ楽しく時間をつぶせる小説。


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『デジタルネイティブの時代』

『デジタルネイティブの時代』
木村忠正
平凡社新書、2012/11/17、¥840

デジタル通信メディアを軽々と使う若者たちは、どんなコミュニケーションをしているのか? について、様々な調査をもとに推論を重ねる。

論文のような内容なので、さらっとは読めない。その割りに、あまり内容があるようにも見えない。デジタルネイティブといっても、ポケベル世代からPC・ブログ世代まで細かく見ると四世代に分けられ、それぞれにコミュニケーションの作法が違う、と言う内容なのだが、そこまで細かく見る必要があるか、と言う点に疑問を感じた。学会論文を書くためにわざと細かく分けました、という印象。

学術論文ならこれでよいだろうが、二時間程度で読めるのが新書のよいところであるので、もう少し新書向きに書き直せば読みやすくなっただろうと残念な一冊。そもそも新書というのは、ワンフレーズで「この本はこれを言いたい」とはっきり提示できるように書くものだと思うので、そういう意味では本書はその試みはよしとしても、新書の読者をターゲットとしている限りにおいて成功しているとは言い難い。

●ここで、「コミュニティ」「ソサエティ」「コネクション」というのは、人々がつながり、集団が形成される際の原理である。まず、コミュニティだが、これは、集団の成員同士が互いに顔見知り(「クリーク」)になり、情緒的親密さを含んだ長期継続的、安定的関係を形成するつながり原理である。伝統的な村落共同体や従来の終身雇用における「家族的経営」の企業組織などを念頭に置けばわかりやすい。
 ついで、ソサエティとは、近代社会、産業社会の進展に伴う都市化した空間におけるつながり原理を指す。近代化は、個人を村落共同体から引きはがし、都市的空間に再び埋め込んだ。その際、人々は、パブリックとプライベートを切り分け、ファミリア・ストレンジャー、他人が大多数を占めるパブリックな社会的環境においては、自律的、合理的個人として振る舞うことで社会的秩序を形成することを選択した。「友人・知人」に関しては、伝統的社会において重視される出自や血縁、地縁に囚われず、個人=市民として互いに関係を結び、尊重する。[略]
 それに対して、「コネクション」は、いわゆる「ポストモダン」的主体と関係性を示す。[略] 高度に個化が進展した消費社会の主体であるポストモダン的主体は、継続的で安定的関係を期待することが難しく、個々人の多面性、微妙な差異に鋭敏に配慮しながら、コミュニケーションを行い、互いにつながることで効用を得る必要がある。本書は、こうしたポストモダン的主体が他者や資源と取り結ぶつながりのあり方を、「コネクション」と呼ぶことにしたい。(pp.199-204)

☆この三種のコミュニケーションのあり方が、mixi、facebook、twitterに対応していると著者は説く。それ自体は面白い視点だと思うが、それをことさら難しく述べているところが学者らしい。

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『ザ・万字固め』

『ザ・万字固め』
万城目学
ミシマ社、2013/2/9、¥1,575

万城目のエッセイ第三弾。

森見が竹に執着するのと同じように、万城目はひょうたんに執着する。これでもかというくらいひょうたんへの愛を語る。ほかに、台湾の出版社に呼ばれて台湾のファンとのイベントに出た話など、相変わらずくだらない話を楽しく語る。

●六時間も続いた株主総会の間に、私は二度トイレに立った。
 しかし、七十一歳になる議長の勝俣会長は一度も中座しなかった。
 さすがに何も食べずに、ひたすら六時間も座っていると頭がぼんやりしてくる。それだけに私が素直に驚嘆したのは、六時間にわたり、ほぼひとりで怒号がやむことのない荒れる株主総会を差配し続けた、勝俣会長の頭脳と胆力だった。(p.151)

☆善し悪しは別にして、これだけの胆力のある人物はなかなかいないのではないか。

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『さよならドビュッシー 』

『さよならドビュッシー 』
中山七里
宝島社文庫、2011/1/12、¥590(TSUTAYA)

書店巡りをする度に目に入ったので購入。

「祖父と従姉妹とともに火事に遭い、全身大火傷の大怪我を負いながらも、ピアニストになることを誓う遥。コンクール優勝を目指して猛レッスンに励むが、不吉な出来事が次々と起こり、ついに殺人事件まで発生する……。」

という内容紹介自体が引っかけになっているわけだが、それにそのまま最後まで騙されて読んでしまった。ちょっと無理があるんじゃないか、という展開がかなりあるが、まあそれはそれと納得して読めばそれなりに楽しめる。

そんな簡単にコンクール優勝できないでしょう、とか、音楽描写がちょっと細かすぎる、など突っ込みどころは満載だが、そこには目をつぶってね、という小説。

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『ビブリア古書堂の事件手帖4』

『ビブリア古書堂の事件手帖4』
三上延
アスキー・メディアワークス、2013/2/22、¥599

江戸川乱歩のコレクションを譲る代わりに金庫を開けて欲しいと依頼される栞子。それまで犬猿の仲だったヒトリ書房とある程度和解したり、いよいよ母娘の対決が佳境を迎えたり、と物語が終焉に向かって動き始めた巻。

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『夜のピクニック』

『夜のピクニック』
恩田陸
新潮文庫、2005/9/5。¥704(BO¥350)

北高の「歩行祭」。夜通しただひたすら歩くイベント。そこで甲田貴子は西脇融に話しかけることを一つの目標にしていた。なかなか言えずにいるうち、同級生の恋の話や、別の女子が西脇を狙って迫ってきたりと色々な出来事が起こる。果たして貴子は融に話しかけられるか。

全校生徒が夜通しで80kmを歩き通すイベントということで、ありそうだが今だったら多分絶対ないな、という設定。万城目がどこかで、「いつかは小説で大学生の言葉をリアリティをもって使えなくなる」ということを言っていたが、恩田陸の小説に出てくる高校生同士の会話はリアリティがあるのだろうか、あるいは、年が離れても会話のリアリティを失わせないところが小説家の腕なのか、とつまらないことを考えながら読んだ。

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『ここに死体を捨てないでください! 』

『ここに死体を捨てないでください! 』
東川篤哉
光文社文庫、2012/9/20、¥680(借)

探偵・鵜飼シリーズ第5弾とのことだが、このシリーズは初めて読んだ。

『謎解きはディナーのあとで 』を書く前のシリーズということで、トーンは一緒でドタバタ喜劇風。『謎解き』より文章がこねくり回されていて、少し読みづらい店を除けば、時間つぶしにはよい。

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『万能鑑定士Qの短編集I』

『万能鑑定士Qの短編集I』
松岡圭祐
角川文庫、2012/10/25、¥580(L)

凜田莉子の短編集。一ヶ月限定で代官山の質屋ジャック・オブ・オールトレーダーズに出張鑑定士として勤める莉子に様々な事件が起きる。

いつも通りの内容で特に可もなく不可もなしといったところ。

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『ザ・万遊記』

『ザ・万遊記』
万城目学
集英社、2010/4/28、¥1260(L)

万城目学のエッセー集。ゆるい感じがいい。渡辺篤史の「建もの探訪」にこだわりがあるのも面白い。

●人間、年を取れば取るほど、あちこち角が立ち、好きなものより、嫌いなものが増えていく。
 それだけに、流行に左右されず、「これが好き!」と中長期間にわたり、ブレない嗜好を維持できる人は案外少ない。なぜなら、好きなものを見つけることは、嫌いなものを見つけるよりも何倍も難しいことだからだ。(p.180)

☆渡辺篤史の、番組で家を訪ねたときのこだわりを指して書いたこと。確かにその通りなので、なるべく好きなものを多く見つける努力をしながら年を取りたいものだ。

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