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『ハイ・コンセプト』

『ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代』
ダニエル・ピンク (著)、大前 研一 (翻訳)
三笠書房、2006/5/8、¥1,995 (L)

これからの時代は、左脳の論理的な思考ではなく、右脳の感性を重視した考え方をしろ、という本。

●「ハイ・コンセプト」とは、パターンやチャンスを見出す能力、芸術的で感情面に訴える美を生み出す能力、人を納得させる話のできる能力、一見ばらばらな概念を組み合わせて何か新しい構想や概念を生み出す能力、などだ。
 「ハイ・タッチ」とは、他人と共感する能力、人間関係の機微を感じ取る能力、自らに喜びを見出し、また、他の人々が喜びを見つける手助けをする能力、そしてごく日常的な出来事についてもその目的や意義を追求する能力などである。(pp.28-29)

☆これからの時代に必要だと著者が考える能力。

●美は重要です。美しく見えるものは機能もうまくいくものが多い。作家兼工学教授ドン・ノーマン(p.139)

☆まったく同意。

●デザインに関する備忘録 「気になったデザイン」は忘れずに記録
 小さめのノートを用意し、常に持ち歩くようにしよう。そして、良いデザインを見つけたら、それを書き留めておくのだ。(p.155)

☆デザインに目を向ける方法。

●観念的に言えば、人間は論理を理解するようにできていない。人間は物語を理解するようにできているのだ。(p.169)

☆人を動かす際のコツに使える。

●「[デザインの] 空白のスペース」を探す 
「ネガのスペース」とは全体像の中で、私たちが見落としがちな部分である。だから、それが見えるように、目のトレーニングをするのだ。(P.237)

☆ハーシーズのデザインのキスチョコが隠れているなど、意図的に空白を使ったデザインを見抜くことで右脳を鍛える。

●サセックス大学の調査によると、右利きか左利きかにかかわらず、大多数の女性が赤ん坊を体の左側であやすのはこのためだという。赤ん坊は話すことができないため、子供の欲求を理解してやれる唯一の方法は、表情を見て、直感的に感情を理解してやることなのだ。だから、右脳ーー左を向くと活動するーーに頼るのである。(PP.247-248)

☆人間の本能はそれがわかっているということ。

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『職業としてのAV女優』

『職業としてのAV女優』
中村淳彦
幻冬舎新書、2012/5/30、¥840(有隣堂亀戸)

AV女優の仕事についてその面接からデビュー、引退後までの流れを淡々と説明する。

最近はAV女優になりたくても競争率が厳しくてまず面接で落とされてしまう、ということに驚いた。また、90年代と00年以降では、遵法意識にしろ女優の質にしろまったく違う業界になっているということがわかり興味深かった。

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『ペンギン・ハイウェイ』

『ペンギン・ハイウェイ』
森見登美彦
角川文庫、2012/11/25、¥660(有隣堂亀戸)

小学校4年生のアオヤマ君は、歯科医院のお姉さんがペンギンを出す力の謎を研究することにした。ウチダ君とハマモトさんと探検をして森の中に不思議な海を見つけたアオヤマ君は、これがお姉さんと関係があることを突き止める。アオヤマ君はお姉さんのおっぱいのふくらみが頭を離れない。

小学校の頃、年上のお姉さんに憧れた気持ちを思いだして読んだ。少年の甘酸っぱい気持ちがよく表現されて、とてもよかった。萩尾望都の解説に「最後のページを読んだとき、アオヤマ君とこの本を抱きしめたくなる」とあるが、まさにそんな気持ちになる本。

●ぼくはお姉さんといっしょに夜ふかしもできるだろうし、眠ってしまった彼女をおんぶしてあげることもできるだろう。ぼくはたいへんえらくなっているから、彼女は感心することしきりかもしれない。「すごいね」とほめてくれるかもしれない。でも、「ふうん」と言ってくれるだけでも、ぼくはかまわない。
 もう一度、「ふうん」というお姉さんの声が聞きたいとぼくは思うものだ。(p.382)

☆アオヤマ君の気持ちが切ない。

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『屍者の帝国』

『屍者の帝国』
伊藤計劃、円城塔
河出書房新社、2012/8/30、¥1,890(有隣堂亀戸)

アヴァンティで書評家の大森望が薦めていたので購入。
若干34歳で亡くなった伊藤計劃のプロローグを書き継ぐ形で円城塔が完成させたSF小説。

19世紀末、死んだ人間にプログラムをインストールし、屍者としてよみがえらせ、あらゆる産業の安価な担い手として不可欠な存在となっている世界が舞台。医学生ジョン・ワトソンは、英国諜報員となってフランケンシュタインのクリーチャ(=ザ・ワン)の謎を追う。

ワトソン、ヴァン・ヘルシング、M(多分マイクロフト・ホームズ)、ダーウィン、グラント、カラマーゾフの兄弟、山沢静吾、フランケンシュタインの怪物、レット・バトラー、ノーチラス号、アイリーンアドラーなど実在架空問わず無節操に色々なところから登場人物を繰り出してくる。

円城の表現は難解で、反面大胆に描写を省いているところもあり、意味を取るのに苦労した。部分の理解にとらわれるうち、本筋の理解がおろそかになり、大きな流れをつかみ損なったところが何カ所も出た。結局、人間の意志とはどこにあるのか、というのが大主題で、意志は言葉を生み言葉が意志を生む、という循環になっている、というのが結論と読んだ。面白かったが疲れた。SFってこんなに頭を使うものだったか?

●「我々は原理に反し矛盾する行動をとるわけではない。矛盾の方が原理であり本質なのだ。原理などは人間があとからその場しのぎに付け加えた屁理屈にすぎん」(p.381)

☆そう言われればそうかもしれない。

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『バイリンガルは二重人格 』

『バイリンガルは二重人格 』
苫米地英人
フォレスト出版、2010/12/3、¥945(有隣堂亀戸)

日本語のときと英語の時で人格を変えることで臨場感を作り、英語を上達させよう、という本。
なるべく臨場感のある環境を作るためにアメリカのドラマをアメリカ版で見る、古典を読め、など。
苫米地さん最近多作すぎて内容が少し薄め。

●[英語でも日本語でも] 書くためには、大量に読書をすることが一番です。
 素晴らしい文章を大量に読み、それを自分の血肉として吸収するほかに、文章を書くための訓練はないといえます。ちなみに文章家としても誉れ高い、年配の直木賞作家のひとりは、かつて私にこういったことがあります。
「小説家修業の第一歩は、自分が愛してやまない先達の作品を、一字一句漏らさずに記憶し、暗唱することだ」
 彼は、ページ数にすると200ページ程度の中編小説10作品くらいを暗記しているといいます。風呂にはいるとき、散歩しているとき、毎日それを諳んじるわけです。中編小説を10作品も暗記すること自体が驚きかもしれませんが、私は、その10作品に行き着くまでに彼がこなしたであろう、それこそ膨大な読書量のほうに想像力がかき立てられました。(p.176)

☆そこまでする必要があるかどうかは別にして、一つの方法としては理解できる。

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『グループアイドル進化論』

『グループアイドル進化論』
岡島 紳士、岡田 康宏
マイコミ新書、2011/1/31、¥871

70年代ピンクレディー・キャンディーズからおニャン子クラブ、モーニング娘、AKB48、ももクロまで、女性アイドルグループの歴史を俯瞰する。『進化論』とはあるが、進化しているかどうかはよくわからない。

●コラムニストのナンシー関は、かつて著作『ハイファッション』96年7月号(文化出版局)のコラムの中で「有意識・無意識にかかわらず『銀蠅的なもの』に心の安らぎを覚える人は、老若男女の区別なく人口の5割w占めると私は見ている」と書き、エッセイストの酒井順子は『ヤンキー文化論序説』(河出書房新社)において「日本人であるならば、全ての人の精神の中に、濃淡の差こそあれ、ヤンキー的要素は存在する」と説いた。
 また、お笑いコンビ・浅草キッドの水道橋博士は、映像配信サイト「ミランカ」のトーク番組『博士も知らないニッポンのウラ』(07年10月15日配信)で「テレビ自体は95パーセントの人に向けてやっているメディアの典型じゃないですか?だから面白さっていうのは、ヤンキーに向けなきゃ駄目なんですよ」と語っている。
 つまり、日本において一般大衆に大きく支持されるには、ヤンキー文化圏の人々に受けなければならない、ということ。浜崎あゆみやEXILEなど、大ブレイクしたアーティストは、どこかにヤンキー的な要素を持っている。
 TV進出を果たしたアイドルにとって、最後はいかに「ヤンキーに見つかるか」がブレイクのポイントとなってくる。(pp.173-174)

☆大変鋭い指摘。アイドルに限らずすべての業種に当てはまるかもしれない。

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『阪急電車 』

『阪急電車 』
有川浩
幻冬舎文庫、2010/8/5、¥560(八重洲BC)

片道15分の阪急今津線の往復を舞台に、人が出会い、別れる物語。

いつも図書館で会い阪急電車でたまたま乗り合わせた若い男女、息子夫婦に孫の世話を押しつけられた女性、ウェディングドレスで元婚約者と寝取った女の結婚式に乗り込む女性、DV男となかなか別れられない女性、同級生にいじめられながら毅然としている少女など、それぞれ印象深い人物を描く。

女性の怖さ・切なさ・優しさなどがとてもよく描かれていて、女性作家ならではの物語になっている。『図書館戦争』も面白かったが、同じ作者とはなかなか信じられない。解説が児玉清というところでも、本書の評価がわかる。再読したい小説。

●「呪うには呪うだけの覚悟と贖いが要るものよ。あなたは我が身を傷つけてまで呪ったんでしょう、だとすればその決意に他人が賢しげに説教なんかできるものじゃないわ。そうでなくても私はただの通りすがりの野次馬なんだから」(p.46)
「今は気の済むまで呪うといいわ。[略] でも、気が済んだところでできれば会社を辞めなさい」(p.48)

☆年の功が感じられる忠告。

●白という色は花嫁だけの色ではない。時代劇なら、丑の刻参りの女性も仇討ちの女性も白装束を身にまとうのだ。祝いも呪いも恨みも飲み込む色だ。(p.50)

☆年の功。ある程度年齢のいった女性は理屈でなく理解していることかもしれない。

●こんな年でも少女たちはもう女だった。卑しく、優柔不断で、また誇り高い。
 あんな幼い、小さなコミュニティの中に、既に様々な女がいた。(p.213)

☆女の子は大変。小学校のモデルは小林聖心らしいが、本書がこれだけ売れてしまうと学校としても痛し痒しなのではないか。

●こんな年頃でも女は相手のランクを見抜いて接するが、翔子は自分が子供に舐められるほどちょろい女ではないことを知っていた。自分は老若男女を問わず大抵の相手には威嚇が利く女だ。牙を隠す術は知っているが、一度牙を剝いたら確実に相手の首を獲りにいく。見知らぬ老婦人に案じられ、諫められたほどに。(p.216)

☆ひとつひとつの物語がこういうふうにうまく繋がるところが上手い。

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『プラチナデータ』

『プラチナデータ』
東野圭吾
幻冬舎文庫、2012/7/5、¥760(八重洲BC)

国民の遺伝子情報から犯人を特定する高精度のDNA捜査システム。その開発者の兄妹が殺害される。共同開発していた神楽は、システムが自分を犯人として表示するのを見て愕然とする。なぜシステムが自分を犯人としたか、また真犯人は誰か、浅間警部補に追われながら少しずつ真相に迫る。

[ネタバレ]
本作はミステリーというよりファンタジー。謎解きを期待すると肩すかしをくらう。DNA検索から除外するVIPデータをプラチナデータとし、プラチナデータが犯人として表示される場合には別人を犯人として表示する、というのはありがちではあるが、そういう例外条件は現実的には破綻を来すし、冤罪のおそれもある。その例外条件を解除するプログラムを兄妹が作成していた、ということだが、新たなバグを生じる可能性のあるパッチを当てるよりはプラチナデータを全削除してしまえばすむことだ。

また、神楽の多重人格リュウが謎解きに重要な役回りを演じる。今邑彩『ルームメイト』で安直な多重人格を見せられて以来、この系統には信頼をおいていない。必然性があればよいのだが、安直な謎解きに使われがちで、本作もその例に漏れなかった。多重人格が出てきた瞬間かなりテンションが下がった。

同様に、神楽の逃避行中には謎の少女スズランが彼に同行する。スズランも幻影として現れているが、天童荒太『悼む人』で倖世が殺した夫の朔也の幻影をまといながら静人と旅をし、癒されることで幻影が消える、というプロットを思い出させる。が、『悼む人』に比べ、こちらも必然性があまり感じられない。

着眼点は現代社会の一断面をとらえていて、若干プロットは甘いが一気に読めるので、エンターテイメントとしてはよくできた小説。

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『動乱のインテリジェンス 』

『動乱のインテリジェンス 』
佐藤 優、手嶋 龍一
新潮新書、2012/11/1、¥756(八重洲BC)

中国・イラン・北朝鮮などを巡る情勢分析の対談。

本書刊行時はまだ民主党政権で、日米同盟を傷つけたり、鳩山元首相がイランのインテリジェンスに引っかかって出かけたり、と日本の国益を損なう政治を続けている時期だったので、二人の物言いも民主党に対する皮肉が多い。

ロシアとウクライナの微妙な関係が、結果としてウクライナから中国への空母売却に繋がった話は面白かった。(本来ウクライナには空母維持能力がないのに、ソ連崩壊時の財産分けで空母受領を主張し、結局管理できずに中国に売り払った)

また、手嶋による、TPPは単なる貿易協定ではなく、新しい安全保障の枠組みである、という指摘は一理あると思った。

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『恋文の技術』

『恋文の技術』
森見登美彦
ポプラ文庫、2011/4/5、¥651(BO¥350)

京都の大学院から能登の研究所に飛ばされた守田一郎は、寂しさを持てあまして知人友人妹に片っ端から手紙を送る。小説家は書簡体小説を一度は書いてみたくなるらしいが自分は夏目漱石の書簡体小説が面白くてまねしようと思っただけ、と著者自身あとがきで述べているように、本書は習作のような感じがする。だからといって、完成度が低いと言うことはなく、読み進める内に森見ワールドにくるくる巻き取られていくような、とても読み心地のよい小説。

大学院の先輩や妹、研究所の先輩になじられながらあこがれの伊吹さんに理想の恋文を書こうとする守田一郎。「森見登美彦」にも助言を求め、逆に愚痴を聞かされる始末。果たして理想の恋文は伊吹さんの心に響くのか。最後までわくわくどきどき、自分の大学時代を思い出して、そんなこともあったな、と羞恥に身もだえしながら楽しく読んだ。

何かと万城目学と比べられ、少しマジックリアリズムの色が濃いため、今まで自分はちょっと苦手だったが、本書はとても楽しく読めて、読了した瞬間、森見登美彦天才、と思わず呟いた。

●もっと根本的な問題に俺は直面しています。
 何遍も何遍も恋文を書いては破き、書いては破いている内に、俺は文章というものが何なのか分からなくなってきました。「文章を書く」という行為には、たくさんの罠がひそんでいる。俺たちは自分の思いを伝えるために文章を書くというように言われます。だがしかし、そこに現れた文字の並びは、本当に俺の思いなのか?そんなことを誰がどうやって保証するのか。書いた当人だって保証できるかどうかわからない。自分の書いた文章に騙されているだけかもしれない。じいっと考えては書き考えては書きしていると、不思議でならなくなってくるのです。自分の想いを文章に託しているのか、それとも書いた文章によって想いを捏造しているのか。(pp.189-190)

☆守田の言葉にのせて、森見自身の思いを吐露しているような部分。

●そのとき、天啓があったのです。
 おっぱいも恋心も、秘すれば花。
 そうなのだ。剥き出しの恋心を書き、書いたものにとらわれて、自分の情念に溺れるから恋文が腐臭を放つのです。つまり、俺が書くべき恋文、真に有効な恋文とは、恋文に見えない恋文ではないのか。俺はようやく発見しました。(p.197)

☆何か森見はおっぱいにこだわりがあるのか?「ペンギン・ハイウェイ」でもおっぱいは重要なキーワードであった。

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『出版・新聞絶望未来』

『出版・新聞絶望未来』
山田 順
東洋経済新報社、2012/11/2、¥1,575(八重洲BC)

電子書籍が広がらない理由、終わりの見えない出版不況、漫画アニメなどのクールジャパンの終焉、新聞の崩壊、デジタル化による格差拡大、などを様々なデータを用いて検証する。IT化がむしろ格差を拡大する、というのは面白い指摘だった。

出版・新聞がすでに崩壊途上にあるのは周知の事実だが、だからどうしたらよいのか、についてはやはりはっきりした処方箋は示せていない。

●「『WP』[ワシントンポスト]のスタイルブックを読んでいるなら分かるはずだが、原稿の原則はKISSだ。それに、ワンセンテンス・ワンアイデアだ。私はそう教わった」(p.179)

☆ワシントンポスト記者ハンドブックに書かれているスタイル。KISS=keep it simple, stupid。

●アメリカの新聞を支えているのは広告収入だが、アメリカ全新聞の広告収入はグーグル単体にさえおよばないという。これは2012年6月18日に「forbs.com」がそう報じている。(p.192)

☆広告媒体としての新聞はすでに終わっている。ただ、アメリカで新聞空白地帯で汚職が拡大している事実から、社会的意義は失われていない。そのあたりの経営的折り合いをつけられるかが、今後新聞が生き残れるかどうかの分岐点になる。

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『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』

『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』
遠藤誉
朝日新聞出版、2012/9/30、¥1,785(八重洲BC)

薄煕来失脚事件を、その生い立ちから丹念に拾い上げて推理する。常務委員入りを目前にして、谷開来がニールヘイウッドをイギリスのスパイと勘違いしたことで殺人事件に発展した、という著者の見立ては非常に説得力がある。(証拠はないからもちろん推測でしかないが)

中国事情に深く通じていなければ書けない内容で、大変面白かった。

●実はその[密告精神がはびこる]中国の心に媚び、仲間であるはずの日本人を中国政府に打った日本の外交官がいた。駐中国日本国大使館のチャイナ・スクールの一人だ。私が『チャーズ 中国建国の残火』(1984年、読売新聞社)を出版していることをひそひそと中国政府側に「密告」し、「遠藤には気をつけろ」とささやいたのだ。「私はあなた方、中国政府の味方ですから、どうぞ私には良くしてくださいね」という、相手の靴でも舐めますと言わんばかりの卑怯なまねをして、私を後ろから刺した。(pp.242-243)

☆丹羽前大使、加藤紘一・村山富市・二階敏博の諸氏にしろ、外務官僚にしろ、なぜ中国のことになると、まさに「靴を舐める」ような真似をする人々が多数出てくるのか不思議。自分も中国は嫌いではないが、そこまでするのはちょっとよくわからない。

●結局、[投資移民政策を通じて] イギリスもまた中国のマネーローンダリングを「熱烈歓迎」しているではないか。これではまるで「中国共産党の現支配体制が生んだ腐敗構造と不正蓄財」と、「欧米諸国の投資移民受入政策」が全地球規模でネットワークを形成し提携を結んでいるのに等しい。[略]
「チャイナ・マネー」が世界を制覇するーー。
中国は自ら積極的に戦争は仕掛けないだろうが、しかし、「チャイナ・マネー」によって「世界を制覇する」未来像は、見えているだろう。(pp.357-358)

☆この予言が当たるかどうかをよく見ていかなければならない。


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