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『中国「反日デモ」の深層』

『中国「反日デモ」の深層』
福島香織
扶桑社新書、2012/12/1、¥777(八重洲BC)

昨年来の中国で怒っている薄熙来失脚などの権力闘争や反日デモといった事象の背後に何があるのかを、中国駐在記者だった著者が読み解く。

反体制は知識人への熾烈な弾圧、国内で多発する民衆の暴動、農民工が中心の反日デモ、今まででは考えられなかった党中央の汚職リークなど、それぞれ無関係に見える出来事が、全体として共産党支配のほころびと危うさを示していることを指摘している。

一つ一つの事象の説明を積み上げていく著者の手法は、確かに丁寧ではあるが、かえって全体像をわかりにくくしているきらいがあった。また、例証についても噂レベルの話を根拠にしている部分もあり、若干信頼性に乏しいところがあったように思う。むしろある程度具体的な例を選択して大きな視点から描いた方がわかりやすい本になったのではないかと思った。

●国家としての尊厳を守れないような国の企業や人間の安全が、中国や中国人に重視はされない。中国人とビジネスをしたことがある人ならわかるだろう。彼らはこちらが引けば押してくる。弱みを見せれば攻めてくる。相手が反撃をしないと思えばいくらでも舐めた態度でくる。だが、こちらが実力を備えていたり、あるいは覚悟をもって強く出たりすれば、力が拮抗するところでとどまる。それが中国で言うところの交渉力なのだ。(p.235)

☆丹羽中国大使(当時)の公用車の国旗が奪われた事件に対し、丹羽氏がなあなあに済ませた態度に対する批判。著者の言う通りで、丹羽氏には日本の国益を守るという態度が終始一貫してなく、尖閣問題でも中国寄りの発言を続ける等、民主党外交の失敗の一例で大変残念だった。

●衝突を避けても、衝突の方が追いかけてくるのがこの国なのだ。きちんと衝突して、この一線を踏み越えてきたらお人好し国家•日本も本気で怒り少々やっかいなのだ、と相手に思い知らせることが、実は本当のリスク回避になる。(p.236)

☆昔から言われていたことではあるが、民主党の外交で特に顕著だった。

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