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『森崎書店の日々』

『森崎書店の日々』
八木沢里志
小学館文庫、2010/9/7、¥500

付き合っていたつもりの彼氏に、他の女性と結婚するといきなり言われて最悪の気分のときに、ながらく連絡をとっていなかった叔父のサトルから自分の古書店を手伝わないか、と電話が入る。流されるままに神保町の森崎書店に住み込みで手伝いをすることになり、次第に心が癒されていく、という話。
本書には題名の『森崎書店の日々』とその後日談である、サトル叔父の出て行った妻の桃子さんが帰ってくる『桃子さんの帰還』が収録されている。

書店や本を題材にした小説だとつい買ってしまうが、本書はそこまで「本」というものにこだわりがある小説ではないように感じた。たまたま神保町の古書店を舞台にしただけで、別にそれが「渋谷の喧噪を一歩離れて奥まった静かな場所にたたずむ喫茶店」でもよいような話だと思った。たとえば、古書店を舞台にしているわりに、古書の仕入れ・販売・古書関係の人間関係などは希薄で、特に買取を描いた場面が全く出てこないので、古書店という設定に説得力がない。

そのため、「古書店」という舞台に必然性がないという点でビブリア古書堂には及ばない。が、失恋から立ち直る若い女性の物語、や出て行った妻が戻ってきて夫との関係を再構築する、という話としては大変面白く読めた。

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