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『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』

『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』
岡崎琢磨
宝島社文庫、2012/8/18、¥680(有隣堂亀戸)

『このミス』大賞2012年応募作品で、大賞には及ばなかったものの、そのまま捨てるには惜しい作品を、大幅に改稿して発行した作品。ということで、一応ミステリーの体裁になっている。

内容は、『ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち』の設定を、古本屋を珈琲ショップに、男性主人公のアルバイト店員を客に、舞台を鎌倉から京都に移し替えた雰囲気の内容。ミステリーの分類で言えば、日常の謎解きに入るだろうが、ビブリアよりライトノベル寄りかもしれない。

どうしても比較になるが、ビブリアに比べ、本作の主人公切間美星(きりまみほし)のキャラ設定が今ひとつはっきりしないのと、登場人物がコーヒーの名前にちなんでいるためか不自然なものが多く、作中世界に入り込みづらい。

ミステリーとして読むには少し無理があるかもしれないが、軽い読み物としてはよかった。

●かつてフランスの伯爵は言ったー良いコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、そして恋のように甘い。
 彼の名を、シャルル=モーリス・ド・タレーラン=ペリゴールという。フランス革命期、主として外交に辣腕を振るい、かのナポレオン皇帝も一目置いたとされる偉大な政治家である。食通としても有名だった彼の残した言葉は、理想のコーヒーを語る上で欠かせない至言として、後世に語り継がれることとなった。(p.16)

☆面白い言葉。

●エスプレッソの本場イタリアでは、デミタスカップを満たした少量のエスプレッソにたっぷり砂糖を溶かしたうえで、数口で飲んでしまうのが一般的だ。カプチーノにするなどといったアレンジならともかく、ストレートで飲まれることはほとんどない。むしろ、底に溶け残った砂糖をスプーンですくって食べるくらいだ。(pp.64-65)

☆エスプレッソをあまり飲まないので、そういう飲み方であるとは知らなかった。

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