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『新日本フィル 第500回定期演奏会』

日時:2012/10/26 18:30-21:00
題名:第500回定期演奏会 トリフォニーシリーズ第1夜
場所:すみだトリフォニーホール ¥7,000
出演:ドミンゴ・インドヤン[指揮]
   新日本フィルハーモニー交響楽団[管弦楽]
曲目:ワーグナー作曲 楽劇『トリスタンとイゾルデ』より 前奏曲と愛の死
   ベートーヴェン作曲 交響曲第3番変ホ長調『英雄』 op.55

しばらくコンサートを聴かずにいて、硬くなった頭を刺激する必要を感じたので、当日券で入場。

『トリスタンとイゾルデ』は多分初めて。『英雄』は長調の曲なので、本当は自分の好みではないけれど、それはそれで前向きになれるので今聴いて正解。

指揮者はもともとハウシルトの予定で、急病でインドヤンの代役となったが、特に問題はなかった。
曲の出来云々よりやはりコンサートホールの中で、全身で音を受けられる環境で聴くことの方が自分には重要なので、音に身を任せられる演奏をしてもらえればそれでよい。

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『青雲はるかに〈上〉〈下〉』(再読)

『青雲はるかに〈上〉〈下〉』
宮城谷昌光
新潮文庫、2007/4/1、¥700(BO¥400)

宮城谷の小説を探していて、以前読んだのをすっかり忘れて、読んでいる途中で再読であることに気付いた。

中国戦国時代末期、魏に生まれた范雎が、魏の宰相魏斉に疑われて半死半生の目に合い、逃れて後に秦に仕える。宰相となった范雎は、遠交近攻の策を昭襄王に進言し、後の中華統一への開く。同時に、魏斉への復讐を果たす。引き際も鮮やかで、多くの例に見られる悲惨な最後ではなく、人生を全うする。

会う女性がことごとく范雎にメロメロになり、その人生を陰に日に助ける。その部分はすべて創作ということらしいが、課長島耕作を彷彿とさせる。これについては以前と同じ感想。

今回読み直して不思議に思ったのが、そもそもの発端である魏の宰相による范雎への仕打ち。小説でも登場人物の口を借りて書いてあるが、そこまでする必要がほとんどないにも関わらず、なぜ、むち打ちの上、厠に簀巻きにして放り込むことまでしたのかがわからない。その点は小説でもはっきりと理由を述べていない。

●「隹研[すいけん:范雎の弟子]、天というのは恐ろしい。悪をはびこるだけはびこらせておいて、一朝にして枯らす。悪徳の栄えは十年である、と古人はいった。十年後には陶候[=魏冄(ぎぜん)] は秦の宰相でいることはできまいよ」
 范雎はそういったが、ことばというのもおそろしい、まさに十年後に、魏冄は秦を逐われることになるのである。(下巻、pp.29-30)

☆十年一昔というように、社会の栄枯盛衰は十年を周期に動くと考えればよいのではないか。

●五行の思想である。若い頃になにかをはじめようとして東へゆくのはよいが、集大成しようとする者は西へむかうべきである。すなわち五行において、東は春であり、西は秋である。秋こそ、収穫のときなのである。(下巻、p.136)

☆年齢を考えるならば、自分もそろそろ西を見るときかもしれない。

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『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』

『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』
岡崎琢磨
宝島社文庫、2012/8/18、¥680(有隣堂亀戸)

『このミス』大賞2012年応募作品で、大賞には及ばなかったものの、そのまま捨てるには惜しい作品を、大幅に改稿して発行した作品。ということで、一応ミステリーの体裁になっている。

内容は、『ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち』の設定を、古本屋を珈琲ショップに、男性主人公のアルバイト店員を客に、舞台を鎌倉から京都に移し替えた雰囲気の内容。ミステリーの分類で言えば、日常の謎解きに入るだろうが、ビブリアよりライトノベル寄りかもしれない。

どうしても比較になるが、ビブリアに比べ、本作の主人公切間美星(きりまみほし)のキャラ設定が今ひとつはっきりしないのと、登場人物がコーヒーの名前にちなんでいるためか不自然なものが多く、作中世界に入り込みづらい。

ミステリーとして読むには少し無理があるかもしれないが、軽い読み物としてはよかった。

●かつてフランスの伯爵は言ったー良いコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、そして恋のように甘い。
 彼の名を、シャルル=モーリス・ド・タレーラン=ペリゴールという。フランス革命期、主として外交に辣腕を振るい、かのナポレオン皇帝も一目置いたとされる偉大な政治家である。食通としても有名だった彼の残した言葉は、理想のコーヒーを語る上で欠かせない至言として、後世に語り継がれることとなった。(p.16)

☆面白い言葉。

●エスプレッソの本場イタリアでは、デミタスカップを満たした少量のエスプレッソにたっぷり砂糖を溶かしたうえで、数口で飲んでしまうのが一般的だ。カプチーノにするなどといったアレンジならともかく、ストレートで飲まれることはほとんどない。むしろ、底に溶け残った砂糖をスプーンですくって食べるくらいだ。(pp.64-65)

☆エスプレッソをあまり飲まないので、そういう飲み方であるとは知らなかった。

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『防衛省』

『防衛省』
能勢伸之
新潮新書、2012/7/20、¥777(有隣堂亀戸)

防衛省の歴史・組織・憲法問題・集団的自衛権など今後の課題についてバランス良く学べる本。コンパクトではあるが、大変しっかりした内容で、最近の新書ではめずらしい作り。

防衛省が、旧海軍の掃海部隊を引き継いで始まり、戦後すぐに朝鮮半島への実戦を経験し、戦死者を出したことは、今まで知らなかった。また、当初米占領軍のお世話係から調達庁が作られ、それが時を経て防衛施設庁になり、その不祥事により、防衛省に統合された歴史や、警察予備隊とは言うものの、内容は旧軍の兵士によって構成されたことなど、大変勉強になった。

●掃海部隊は、日本国内で第二次大戦の後始末をしていただけではありません。1950年に勃発した朝鮮戦争で、掃海は米軍の上陸作戦に不可欠でした。そこで米軍は、日本に掃海部隊の出動を要請します。これをうけて海上保安庁は特別掃海隊を編成し、秘密裏に朝鮮半島・元山沖、仁川等で、掃海作業を実施しました。
 このうち一隻が触雷、沈没。犠牲者も一名出ました。その後も数次にわたって、述べ46隻の船艇、約1200人が朝鮮半島海域で掃海作業に従事。一隻が座礁したと伝えられています。(p.19)

☆海上保安庁・海上自衛隊の重要な歴史。

●2006年9月に就任した安倍晋三首相は「防衛庁の省移行については、我が国の危機管理体制を万全にするため、ぜひとも必要であると考えています」(衆院本会議2006/10/13)と発言。省昇格は必要と言い切ったのです。こうして同年12月15日、「防衛庁発足以来の宿願」と言われた「防衛省への昇格」のための防衛庁設置法一部改正が成立しました。(p.116)

☆安倍首相の功績の一つ。

▲自衛隊隊員数は23万人(p.249)

☆国家の規模に比してコンパクトな組織。

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