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『反ポピュリズム論 』

『反ポピュリズム論 』
渡邉恒雄
新潮新書、2012/7/20、¥735(有隣堂亀戸)

食わず嫌いもよくないと思い、手に取った。ナベツネ氏による小泉・橋下現象への批判本。
大衆迎合は戦前の近衛文麿、イギリスのロイド=ジョージなど、なんども繰り返されてきて、危険は方向へ政治を誘導する。それを防ぐため、新聞は衆愚政治と戦わなければならない、という主張。

読売新聞は常に会議によって社論を決めているから一人の独裁ではない、という意味のことを書いているが、その部分は色々なことを想像して面白く読んだ。また、新聞記者や報道関係者は自分がいかに政治家と親しく、政治に影響を及ぼしたかを吹聴したがる傾向があるが、著者もその例に漏れず、さまざまな場面や自民党の歴代連立政権の成立に裏側で関わったことを滔滔と述べているのが残念。

相続税免除の代わりにマイナス利子国債を購入させることで、30兆円程度のタンス預金を流通させようという試案は面白かった。


●[1997年の消費税] 5%引き上げが日本に不況をもたらしたという説がある。しかし実際は[略] タイのバーツ危機に端を発したアジア通貨危機から金融収縮の波が日本にも押し寄せ、消費税率引き上げのタイミングと運悪く重なったためであって、消費税のために不況になったと断定するのは誤りだ。(pp.170-171)

☆一つの見方として興味深いが、数字による分析が必要。現に1989年3%導入以降景気は低迷した。

●厚生労働省所管の医療経済研究機構が2004年にまとめた報告書も示唆に富んだ内容である。
 医療、介護、社会福祉の各分野に投資した場合の経済効果を試算したもので、原材料の購入や従業員の給与増などが日本経済全体に需要拡大をもたらし、一億円の投入で、いずれも4億4千万円前後の生産誘発効果が生じるとしている。公共事業の効果(約4億1500万円)よりも高い数字だ。同様に雇用を誘発する効果も、介護で26人、社会福祉では20人にのぼり、公共事業(10人)より多いという結果が出た。
 国民の医療・介護・福祉を守るためにも、日本経済を活性化するためにも、社会保障分野で必要な投資を惜しむべきではない。(p.180)

☆社会福祉分野の経済効果が結構大きく、意外に感じた。

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