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『「知」の十字路---明治学院大学国際学部付属研究所公開セミナー3 』

『「知」の十字路---明治学院大学国際学部付属研究所公開セミナー3 』
原武史
河出書房新社、2011/5/20、¥2,310(L)

明治学院大学国際学部が主催している公開セミナーをまとめたもの。表紙に書かれた講師が面白そうだったので読んだ。昨年の講演なので比較的新しく、講師がバラエティに富んだ人選なので、楽しく読んだ。
その中で、佐野眞一と佐藤優は特に面白く読んだ。反面、東浩紀は迷路にはまった感じの話で少し残念だった。

●[佐野眞一:] ノンフィクション作家としての清張について話すならば、当然、清張の金字塔とも言うべき「二・二六事件」(『昭和史発掘』文藝春秋、1968、のちに文春文庫)について触れざるを得ませんが、その前に『神々の乱心』について言いますと、「清張というのはすごい男だな」と一読して思いました。(p.25)

☆そのうち読む。

●[佐藤優:] 今、中国では、負の連帯意識によって、中華帝国時代の「漢人」とは異なる「中国人」という近代的な民族が作られています。このとき、我々日本人が「敵のイメージ」にされてしまっているため、日本と中国は、国家という位相では、ぜったいに仲良くならないことを前提として、お互いの関係を組み立てないといけない。(p.54)

☆大変に難しい問題。

●[佐藤:] 原 [武史] 先生は、『大正天皇』(朝日選書、2000)と『昭和天皇』(岩波新書、2008)の中で、宮中で今行われている祭祀のほとんどが近代になって創られた、「創られた伝統」であることを明らかにしています。しかし、この「創られた伝統」は日本に限ったことではありません。先程挙げた『民族とナショナリズム』に書かれていますが、ナショナリズムをめぐって「古からある」と言われる表象の多くが近代になってから創られたものなんです。つまり、原先生の指摘は、普遍的な性格を持っている。(p.56)

☆知らなかったこと。

●[井上章一:] たとえば、料理番組で、中華料理を作っているのに、ガスの炎をいっさい見せない演出になっている映像がある。これはもう、間違いなく東京電力がスポンサーになっています。彼らはガスの炎が見えることをいやがるんです。そしてテレビマンはガスの炎を見せなくても料理の画を美しく撮ります。これはほとんど、スターリン体制の中で、何もできない中で表現にたずさわったソビエトの社会主義リアリズムの作家と同じです。(p.229)

☆スポンサーの絶対権力。

●[井上] 私がもっともみみっちいテーマに挑んだものに『パンツが見える。羞恥心の現代史』(朝日選書、2002)という本があります。(p.231)

☆そのうち読む。

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