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『たかが英語!』

『たかが英語!』
三木谷浩史
講談社、¥2012/7/1、¥1,050(東京国際ブックフェア)

東京国際ブックフェアの三木谷社長と野間社長の講演を聞いたので、お布施のつもりで買った。

本書の要旨は次の通り。

日本の対世界のGDP比は今後12%から3%に減少し、今まで日本語に訳されていた技術書などは英語のままで読むようになる。だからグローバル展開を視野に入れている楽天は、英語を公用語にすることで世界とのビジネスを加速することが必要になる。そのためのベンチマークとしてTOEICを使用し、昇進の必要条件として利用する。学習を支援するために、社内での英語教室、本社周辺の英会話教室への補助、未達社員への仕事としての英語学習命令、など様々な施策を打っている。日本の英語学習は「英語をできなくするための時間」になっていて全く役に立たない。今必要なのは厳密な英語よりもシンプルな「グロービッシュ」である。受験英語はすべてTOEFLにするべきである。

書かれていることは至極もっともなことで、特に反対する理由は見あたらない。ただ、楽天の場合は、それ以前にもう少し取り組むべき課題があるような気はする。今回の電子書籍端末Kobo発売時の不手際やそれに対する三木谷社長の「トラブルはユーザーの使い方が悪い」といったコメントを見ても、ビジネスの展開には興味があっても、技術に対する敬意があまりないように感じられる。

社員に英語公用語化を強いてその先に何を得るのか失うのか、これからの展開が楽しみ。

●しかし、僕は心ひそかに「たかが英語じゃないか」と考えていた。どうしてみんな、できない理由をあれこれ並べ立てるのだろう。とにかくやってみなければわからないじゃないか。(p.3)

● [ゴールドマン・サックス・グルー経済調査部が作成した「More Than An Acronym(2007年3月)」によれば] 2006年時点で、日本のGDP比率は世界の約12%を占めていた。ところが、このレポートは、2020年に8%、2050にはわずか3%に落ち込むと予測していた。(p.15)

☆そこまで落ちれば、無理矢理英語をやらせなくても、必要不可欠になってやらざるを得なくなるような気はする。

●ビジネスにおいて重要なことは、仮説を立て、実行し、検証した上で、仕組化することだ。このプロセスを愚超につづけていけば、必ずビジネスは成長する。僕はそう信じて、これまでやってきた。(p.26)

●社内公用語英語化について、僕は一つの仮説を立ててみた。
 一般的な日本の社会人が英語を習得するのに、どれだけの時間が必要だろうか。
 1000時間。それが、この答えに対する僕の仮説だ。
 なぜ1000時間なのか?参考にしたのは、やはり楽天のインド人、中国人社員が、コミュニケーションレベルの日本語を習得するのにかかった時間だ。彼らはだいたい約3ヶ月で日本語を習得していたのだった。
 日本の会社で働き、日本で生活している彼らは、朝起きて、夜寝るまで、毎日10時間程度は、日本語に触れていると考えることが出来る。3ヶ月経つと、彼らの日本語漬け時間はだいたい1000時間となる。
 1000時間、必死になって英語を身につける努力をつづければ、必ず誰だって英語を身につけることができるだろう。(pp.26-27)

●日本の英語教育の根本的な誤りとは何か。その一つは、英語教師が英語をしゃべれないことだ。
 少なくとも中学校、高校の英語教師はすべて、外国人か、英語がペラペラの日本人と入れ替える必要がある。それだけで日本の英語教育は劇的に良くなる。

☆これについては全く同意。中学レベルの動詞の活用もろくに覚えていない人間が英語教師をやっているのは犯罪的とすら言える。

●現在の受験英語は、日本にしか存在しない特殊な英語だ。英語を学ぶ本来の目的は、英語圏で通用する英語を身につけることであるはずだ。だったら最初から、そうすべきだ。日本にしかない英語の勉強に時間を費やすのはムダでしかない。(p.174)

☆ほぼ同意。ネイティブではないので、文法学習は必要だと思うけれど。


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