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『勝ち続ける経営 日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論』

『勝ち続ける経営 日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論』
原田泳幸
朝日新聞出版、2011/12/7、¥1,470(八重洲BC)

業績不振に陥っていた日本マクドナルドの社長に就任し、いかに業績を改善させたか、その経営理念と手法について語った本。「らしさ」「アウトスタンディング」「イノベーティブ」をキーワードにしてわかりやすく書いてあり、大変参考になる。

●意外に思われるかもしれませんが、マクドナルドでクォーターパウンダーが売れると、ビッグマックが売れるんです。コーヒーが売れると、ビッグマックがもっと売れるんです。
 これがわれわれの戦略であり、正しい姿なのです。基幹ビジネス、コアのメニューをもっと売っていくために、新しいメニューを出していくのです。どの業界でも同じだと思いますが、その会社の「らしさ」をより強化するために、いろいろなことをやるわけですね。[略]
 そういう意味で私の改革の第一歩とは、マクドナルドらしさを取り戻すための基本に立ち返るものでした。[略]
 次の成長のためには、目の前のおいしいものも捨てることが必要なのです。(pp.25-26)

☆星野リゾートの社長も「らしさ」の重要性を強調していた。経営者にとっては常に意識すべき言葉。

●私はたとえでよく使うのですが、公園の木が大きく成長するときは、同時に深く根を張っていきます。それと同じように、業績が上がれば上がるほど、一番下のレイヤーであるQSC [=Quality, Service, Cleanliness] がより強固でなければいけないのです。
 スポーツでも音楽でも何か新しいことをやるときは、必ず基礎を練習しないと上達しません。ビジネスも同じです。[略] やはり基本、基本、基本です。(p.35)

☆基本は何か、何を根にするか、できるところから着実に。

●「アウトスタンディング」顧客の期待をどのように超えるか
 顧客の期待を超えて行くには、やはりその企業でしかできない「らしさ」が大事です。
 世の中、ダメになった会社はすべて「らしさ」を失っていると思います。その企業でしかできないことを忘れてしまっている。自分らしくないことをやって、失敗している例がたくさんあるわけです。逆に自分らしさを取り戻して、回復した会社もたくさんあります。(p.46)

☆自社の「らしさ」は何かを明確化。

●私は常々マーケティング部のスタッフに「お客さまをマニピュレート(操縦)するようなことは絶対してはいけない」と言っています。操るようなことをいくら試みても、操れるはずがないのです。ですが、「ナビゲーション(誘導)はきちっとやれ」とくどいくらい言っています。(p.49)

☆ナビゲーションの例=買ったことのない人にどのように買っていただくかの方策。

●厳しい状況の日本でも成功している企業は、価値と価格を上げる戦略を貫いているのではないかと私は解釈しています。(p.68)

☆できないというのは簡単だが、現にやっている会社がある以上、どのようにそれを目指すかを意識すること。

●コストリダクションで一番大事な視点は、同じコストで売上を上げることです。もう一つは、同じ人・物・金をどのように戦略的に使うか。つまり、どのようにシフトするかです。[略]
 コストを減らすとは、そういう考え方ではありません。「もっとお金を使って、もっと売る提案を持ってこい」という意味なのです。そういう提案ができて、初めて何が必要で何が必要ないかを判断できる社員が育つと思います。(pp.78-79)

☆単なる費用削減は自分の首を絞める。

●お客様が慣れ親しんだ商品で、しかも独自性がある。それしか成功しません。(p.85)

☆細かい独自性によるポジショニング。

●原田泳幸のビジネス理念
・基本に立ち返る
・強さをより伸ばす
・リサーチで企画をするな
・サイエンスとサイコロジー
・リスクを取らないリスク、リスクを取る体力
・ビジネスに終わりはない。成功したときこそ危機
・周りの変化に合わせるのではなく自ら変革を起こす
・非常識を常識に。できない理由はチャンスである
・ビジネスはスピード。決定する前に実行せよ
・文化を浸透させるには3年必要。繰り返し何度も伝える
・解決のリーダーシップが執れない人材は要らない
・職位ではなく、職種
・組織とは戦略をスピーディーに実行するためのもの
・後継者育成はマネジメントの使命である
・売上の伴わないブランド政策は無意味
・世界のルールで戦え
・日本の文化を知り世界の文化を知る(p.101)

☆参考できるところを参考に、できないところも参考に。

●窮地に立ったときは、誰よりも冷静になる。それが自分の役割だと自分に言い聞かせます。大震災のときもそうですね。私が一番冷静にやらないと、社員が冷静になれるわけがないですから。[略]
 震災時のスローガン「Keep serious smile」「Think better than usual」(p.128)

☆自分が一番苦手な部分。

●「昨日の売上はこうでした」と社員から報告があったとき「それは売れたのか、売ったのか」と私は聞きます。売れたというのと、売ったというのではまったく違います。すなわち、マーケットを創ったかどうかだと思うのです。
 すでに存在するマーケットに同じ商品で競争していくのは、価格競争にしかなりません。しかもともするとお互いに無駄な戦いをして、お互いに疲れて、誰も得しないという結果になります。したがって、どうやって付加価値をつけていくか。どうやって新しいマーケットをつくっていくか。どのような業種でも、そういったところが一つの視点です。(p.143)

☆今まで考えたことがなかったので一つの考え方として参考にする。

●弱点をリカバリーする・強化するのではなく、強いところをもっと強化するべきです。弱点が弱点と見えないぐらい、独自の強さを強化するというところに気持ちを持っていかなければいけません。(p.153)

☆弱点に目をつぶる重要性。

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