« 2012年6月 | トップページ | 2012年8月 »

『彼女を言い負かすのはたぶん無理 4 』

『彼女を言い負かすのはたぶん無理 4 』
うれま庄司
スマッシュ文庫、2012/6/29、¥680

ディベートラブコメシリーズ第4弾。

夏のディベート合宿のはずがソフトテニス部の新村希まで主人公桜井に告白してハーレム状態が加速。
そろそろ方針転換してほしい気がするようなしないような。

●「練習した時間はウソをつかないわ。練習量と上達量は必ず比例する」(アイラ、p.66)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『浜村渚の計算ノート』

『浜村渚の計算ノート』
青柳碧人
講談社Birth、2009/7/21、¥1,050(L)

最近流行っているらしいので読んでみた。

役に立たないことを理由に義務教育から数学が消えた世界。数学教育の復活を求めて天才数学者高木源一郎率いる組織「黒い三角定規」は様々なテロ活動を開始する。それまで数学教育に20年間使われた数学ソフトを一度でも使った人間は、洗脳プログラムを仕込まれているためにいつテロリストに変身するかもしれない。そのため、警察は普通の中学生•浜村渚を助っ人として起用する。彼女の大活躍で事件は次々と解決する。

とても読みやすく、中高生向けという感じがするが、あまりにも簡単に人をぽんぽん殺すので、その点だけ違和感を覚えた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ 』

『ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ 』
三上延
アスキー・メディアワークス、2012/6/21、¥578(八重洲BC)

ビブリア古書堂シリーズ第三弾。古書市場で本が盗まれる話、昔読んだ絵本を探す話、宮沢賢治の自筆校正本が盗まれる話、の三話。

栞子と五浦の関係は進展したようなしないような。そして栞子の母親がなぜかビブリア古書堂に五浦がバイトで入ったと知っていることがひょうんなことでわかり、最後にその理由が明かされる。次は栞子の母智恵子が多分登場する展開で、いよいよ佳境に入ってきた感じ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『特等添乗員αの難事件I 』

『特等添乗員αの難事件I 』
松岡圭祐
角川文庫、2012/2/25、¥540(L)

凜田莉子の万能鑑定士シリーズの姉妹編としてスタート。莉子がロジカルシンキングで事件を解決するのに対し、本シリーズの主人公朝倉絢奈は直観から物事をつかみ取るラテラルシンキングで事件を解決する。

中卒で頭が悪く、メンター役壱条那沖(なおき)によって勉強に目覚め、ツアーコンダクターの試験を合格して事件解決をしていく、というのは万能鑑定士シリーズと同様の設定。反面、絢奈は家族の愛情が薄い、直接の指導役は那沖ではなく、那沖のお目付役の能登がスパルタ指導をする、那沖とすぐ恋仲になる、と言った点は対照的な設定になっている。そのあたりで個性を出していくつもりなのだろう。

事件は、今まで公開されたことのないコランティーヌ島で管理されているヒスイの聖母像を見られるツアーが組まれるが、それは何かの企みであると気づいた莉子と絢奈がそれぞれ客とツアーコンダクターとして参加するというもの。二人を出してそれぞれの特徴を出そうとしているのはわかったが、今ひとつ役割分担が不明瞭というか、絢奈主人公なので、莉子がいつもより頭の回転が遅く描かれていて不満の残る展開だった。

ラテラルシンキングについてはロジカルシンキングの対極という説明なのだけれど、「視点を変えたロジカルシンキング」にしか見えず、今ひとつよくわからなかった。

●「私[能登] が恒に教育の信条としてきたロジカル・シンキングと対極に位置します。ロジカル・シンキングにおいては、真理を積み上げながらAからB、そしてCへと順序立てて答えに迫ります。判明した事実からロジックを掘り下げるため、垂直思考と呼びます。対するラテラル・シンキングはAからG、あるいはZへと自由な発想でじゃん@宇します。横方向に視野を広げることから、水平思考とも呼ぶのです」(p.23)

☆ロジカル・シンキングを展開するためにはその前に問題に対して何らかの仮説があって、それを論理的に証明していくわけだから、その仮説を大胆に展開していくことをラテラルと呼ぶならば、それはロジカルシンキングの一プロセスといえないだろうか。

●[海外添乗によって絢奈は] かつてはマネキンのごとく耽美に思えた白人の男女も、性悪もいれば犯罪者もいるただの人間にすぎないと感じるようになった。意思の疎通が可能になったが最後、結局は国内と同様、信頼関係がすべた。単純な事実をようやく理解するに至った。(p.167)

☆観光でも同様の目に遭うのだから商売ではなおさらだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『勝ち続ける経営 日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論』

『勝ち続ける経営 日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論』
原田泳幸
朝日新聞出版、2011/12/7、¥1,470(八重洲BC)

業績不振に陥っていた日本マクドナルドの社長に就任し、いかに業績を改善させたか、その経営理念と手法について語った本。「らしさ」「アウトスタンディング」「イノベーティブ」をキーワードにしてわかりやすく書いてあり、大変参考になる。

●意外に思われるかもしれませんが、マクドナルドでクォーターパウンダーが売れると、ビッグマックが売れるんです。コーヒーが売れると、ビッグマックがもっと売れるんです。
 これがわれわれの戦略であり、正しい姿なのです。基幹ビジネス、コアのメニューをもっと売っていくために、新しいメニューを出していくのです。どの業界でも同じだと思いますが、その会社の「らしさ」をより強化するために、いろいろなことをやるわけですね。[略]
 そういう意味で私の改革の第一歩とは、マクドナルドらしさを取り戻すための基本に立ち返るものでした。[略]
 次の成長のためには、目の前のおいしいものも捨てることが必要なのです。(pp.25-26)

☆星野リゾートの社長も「らしさ」の重要性を強調していた。経営者にとっては常に意識すべき言葉。

●私はたとえでよく使うのですが、公園の木が大きく成長するときは、同時に深く根を張っていきます。それと同じように、業績が上がれば上がるほど、一番下のレイヤーであるQSC [=Quality, Service, Cleanliness] がより強固でなければいけないのです。
 スポーツでも音楽でも何か新しいことをやるときは、必ず基礎を練習しないと上達しません。ビジネスも同じです。[略] やはり基本、基本、基本です。(p.35)

☆基本は何か、何を根にするか、できるところから着実に。

●「アウトスタンディング」顧客の期待をどのように超えるか
 顧客の期待を超えて行くには、やはりその企業でしかできない「らしさ」が大事です。
 世の中、ダメになった会社はすべて「らしさ」を失っていると思います。その企業でしかできないことを忘れてしまっている。自分らしくないことをやって、失敗している例がたくさんあるわけです。逆に自分らしさを取り戻して、回復した会社もたくさんあります。(p.46)

☆自社の「らしさ」は何かを明確化。

●私は常々マーケティング部のスタッフに「お客さまをマニピュレート(操縦)するようなことは絶対してはいけない」と言っています。操るようなことをいくら試みても、操れるはずがないのです。ですが、「ナビゲーション(誘導)はきちっとやれ」とくどいくらい言っています。(p.49)

☆ナビゲーションの例=買ったことのない人にどのように買っていただくかの方策。

●厳しい状況の日本でも成功している企業は、価値と価格を上げる戦略を貫いているのではないかと私は解釈しています。(p.68)

☆できないというのは簡単だが、現にやっている会社がある以上、どのようにそれを目指すかを意識すること。

●コストリダクションで一番大事な視点は、同じコストで売上を上げることです。もう一つは、同じ人・物・金をどのように戦略的に使うか。つまり、どのようにシフトするかです。[略]
 コストを減らすとは、そういう考え方ではありません。「もっとお金を使って、もっと売る提案を持ってこい」という意味なのです。そういう提案ができて、初めて何が必要で何が必要ないかを判断できる社員が育つと思います。(pp.78-79)

☆単なる費用削減は自分の首を絞める。

●お客様が慣れ親しんだ商品で、しかも独自性がある。それしか成功しません。(p.85)

☆細かい独自性によるポジショニング。

●原田泳幸のビジネス理念
・基本に立ち返る
・強さをより伸ばす
・リサーチで企画をするな
・サイエンスとサイコロジー
・リスクを取らないリスク、リスクを取る体力
・ビジネスに終わりはない。成功したときこそ危機
・周りの変化に合わせるのではなく自ら変革を起こす
・非常識を常識に。できない理由はチャンスである
・ビジネスはスピード。決定する前に実行せよ
・文化を浸透させるには3年必要。繰り返し何度も伝える
・解決のリーダーシップが執れない人材は要らない
・職位ではなく、職種
・組織とは戦略をスピーディーに実行するためのもの
・後継者育成はマネジメントの使命である
・売上の伴わないブランド政策は無意味
・世界のルールで戦え
・日本の文化を知り世界の文化を知る(p.101)

☆参考できるところを参考に、できないところも参考に。

●窮地に立ったときは、誰よりも冷静になる。それが自分の役割だと自分に言い聞かせます。大震災のときもそうですね。私が一番冷静にやらないと、社員が冷静になれるわけがないですから。[略]
 震災時のスローガン「Keep serious smile」「Think better than usual」(p.128)

☆自分が一番苦手な部分。

●「昨日の売上はこうでした」と社員から報告があったとき「それは売れたのか、売ったのか」と私は聞きます。売れたというのと、売ったというのではまったく違います。すなわち、マーケットを創ったかどうかだと思うのです。
 すでに存在するマーケットに同じ商品で競争していくのは、価格競争にしかなりません。しかもともするとお互いに無駄な戦いをして、お互いに疲れて、誰も得しないという結果になります。したがって、どうやって付加価値をつけていくか。どうやって新しいマーケットをつくっていくか。どのような業種でも、そういったところが一つの視点です。(p.143)

☆今まで考えたことがなかったので一つの考え方として参考にする。

●弱点をリカバリーする・強化するのではなく、強いところをもっと強化するべきです。弱点が弱点と見えないぐらい、独自の強さを強化するというところに気持ちを持っていかなければいけません。(p.153)

☆弱点に目をつぶる重要性。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

三木谷・野間・マッコイ講演『人々が求める書籍/出版に私たちはどう応えていくのか』

12/07/04
演題:『人々が求める書籍/出版に私たちはどう応えていくのか』
講師:講談社社長 野間省伸、楽天社長 三木谷浩史
   国際電子出版フォーラム(IDPF)事務局長ビル・マッコイ
   丸善CHI社長 小城 武彦(司会進行)
主催:国際電子書籍EXPO

国際電子書籍EXPO初日オープニングの国際講演。楽天Koboの発表直後ということもあり、2800名申込とのことで関心の高さが伺えた。

内容は大きく3つに分けられる。楽天のKobo戦略、日本の電子書籍化の状況と課題、EPUB3・HTML5など電子書籍フォーマットの統一化。音楽産業がiTunes等海外勢に支配されたことを引き合いに、「電子書籍は国内のコンテンツを海外に輸出するチャンスだ」と挑戦的に捉えて事業に取り組んでいく姿勢に感銘を受けた。

また、野間社長の「個人的感触では電子書籍は5〜10年後に書籍市場の20〜30%になる」との見通しは、昨年東京国際ブックフェア講演での大沢在昌の見通しとも重なる。出版業界で電子書籍に携わっている関係者のコンセンサスは恐らくそのあたりだろう。

・楽天Koboの戦略(三木谷)
 読書革命ーEPUB3を採用。UIはカナダで開発。
 日本のコンテンツを海外(海外邦人、外国人)へ広く展開。
 Koboは190カ国900万人240万冊の規模。日本では150万冊目標。
 音楽産業がiTunesでどうなったかがケーススタディ→既存の枠組をうまく使って展開
 日本の企業として世界で戦い、コンテンツを輸出するために電子書籍市場に参入
 →日本の子どもの読書離れは危機的
 →電子によって市場は拡大している。読書量の増加を期待。

・健全な競争環境の構築(野間)
 ガラケーよりスマホの売上が多くなった。
 楽天Koboの7000万人の市場が普及に貢献することを期待。
 デジタル化によって紙の売り上げに上乗せになっている。→紙と電子の相乗効果
 6月以降ほぼ全てのタイトルについて紙と電子の同時刊行をする。
  ex. 先行事例 京極夏彦「死ねばいいのに」、「スティーブ・ジョブス」
 著者の意識はすでに電子書籍に対応している。

 プロジェクトアマテラス:ネットで新しい企画を募集

 電子書籍市場600〜700億中コミック・ガラケーが500億
 コミック市場4000億中1割が電子になっている→近い将来2〜3割になる。
 書籍・コミックは5〜10年後に2〜3割が電子になるだろう。
 一番流れが変化するのが2020年頃に予定されている教科書の電子化。
 →これで流れが一気に変わるだろう。

・EPUB3について(野間)
 Open化の欠点で、様々なEPUBができていて、読めないものが出てきている。
 →出版社として多数のフォーマット対応は困難→統一フォーマットの策定

 現状最新はHTML5・EPUB3(BM)
 日本はアメリカ等のフォーマット問題を回避して最新フォーマットで統一するチャンスがある。
 紙の書籍を単に電子化するのではなく、「電子書籍とは何か」がReinventされることを期待。

・電子化と著作権の問題(野間)
 世界の出版業者の課題は著作権をどうするか。
 GAFMA=Google, Apple, Facebook, Microsoft, Amazonとの付き合いをどうするか。
 ヨーロッパの業者は楽天のKobo買収をむしろ歓迎している。
 
・パリの書店の1Fの一番よい棚に日本のマンガが置いてある。(三木谷)
 →Koboによっておフランスの田舎の人でもマンガを買えるようになる。
 →マンガ・文学等日本の書籍コンテンツを輸出するチャンス。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年6月 | トップページ | 2012年8月 »