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『特等添乗員αの難事件I 』

『特等添乗員αの難事件I 』
松岡圭祐
角川文庫、2012/2/25、¥540(L)

凜田莉子の万能鑑定士シリーズの姉妹編としてスタート。莉子がロジカルシンキングで事件を解決するのに対し、本シリーズの主人公朝倉絢奈は直観から物事をつかみ取るラテラルシンキングで事件を解決する。

中卒で頭が悪く、メンター役壱条那沖(なおき)によって勉強に目覚め、ツアーコンダクターの試験を合格して事件解決をしていく、というのは万能鑑定士シリーズと同様の設定。反面、絢奈は家族の愛情が薄い、直接の指導役は那沖ではなく、那沖のお目付役の能登がスパルタ指導をする、那沖とすぐ恋仲になる、と言った点は対照的な設定になっている。そのあたりで個性を出していくつもりなのだろう。

事件は、今まで公開されたことのないコランティーヌ島で管理されているヒスイの聖母像を見られるツアーが組まれるが、それは何かの企みであると気づいた莉子と絢奈がそれぞれ客とツアーコンダクターとして参加するというもの。二人を出してそれぞれの特徴を出そうとしているのはわかったが、今ひとつ役割分担が不明瞭というか、絢奈主人公なので、莉子がいつもより頭の回転が遅く描かれていて不満の残る展開だった。

ラテラルシンキングについてはロジカルシンキングの対極という説明なのだけれど、「視点を変えたロジカルシンキング」にしか見えず、今ひとつよくわからなかった。

●「私[能登] が恒に教育の信条としてきたロジカル・シンキングと対極に位置します。ロジカル・シンキングにおいては、真理を積み上げながらAからB、そしてCへと順序立てて答えに迫ります。判明した事実からロジックを掘り下げるため、垂直思考と呼びます。対するラテラル・シンキングはAからG、あるいはZへと自由な発想でじゃん@宇します。横方向に視野を広げることから、水平思考とも呼ぶのです」(p.23)

☆ロジカル・シンキングを展開するためにはその前に問題に対して何らかの仮説があって、それを論理的に証明していくわけだから、その仮説を大胆に展開していくことをラテラルと呼ぶならば、それはロジカルシンキングの一プロセスといえないだろうか。

●[海外添乗によって絢奈は] かつてはマネキンのごとく耽美に思えた白人の男女も、性悪もいれば犯罪者もいるただの人間にすぎないと感じるようになった。意思の疎通が可能になったが最後、結局は国内と同様、信頼関係がすべた。単純な事実をようやく理解するに至った。(p.167)

☆観光でも同様の目に遭うのだから商売ではなおさらだろう。

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