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『雑巾がけ: 小沢一郎という試練』

『雑巾がけ: 小沢一郎という試練』
石川知裕
新潮新書、2012/4/20、¥714(有隣堂亀戸)

著者は小沢一郎の公設第一秘書で陸山会の献金疑惑に関係したとして政治資金規正法違反容疑で逮捕された人物。テレビを通してではわからない経歴や考え方などが書かれていて、やはりマスコミの報道を真に受けてはいけないな、と思いながら興味深く読んだ。

小沢一郎が上司としては非常に仕えづらいタイプであること、その下で雑巾がけを何年もすることで培われる経験知の重要性が読む中で伝わってくる。著者は大成する人物ではないかと思わせられた。

●高速道路の開通や公共事業による箱物の記念式典などの挨拶でも、鈴木[宗男] さんの作法は随分勉強になった。挨拶の中に、現役の政治家、首長の名前を織り込む程度のことは誰でもするだろう。しかし実際にその事業を誘致したのは、先代や先々代の首長だということも珍しくない。鈴木さんは挨拶の際に必ず歴代の貢献者の名前を織り込む。それだけではなく、名前を呼んだ際に「ちょっとお立ち下さい」と言って目の前で立って貰って、参列者から見えるようにした上で紹介をする。
 もちろん、全員について憶えているはずがない。移動の車中等で、直前まで鈴木さんが名刺入れや名簿を見ている姿を見たことがある。こういう努力があってこそ、いろいろな伝説を作っているのだな、とつくづく感心したものだ。(p.72)

☆自分の仕事などでも参考にできる部分。

●人と会うのでも同じ。一所懸命汗をかいて一軒一軒回ることは美しいかもしれないが、組織のトップに立った以上は、ポイントとなる相手に時間がかかってもアポイントを取ってきちんと会う。そのほうが効果的なことが多いのである。オセロ・ゲームで目先のポイントではなく、いかに角をとっていくかに注力するのと同じ事だ。(p.74)

☆会う人を最初から選ぶ必要はないが、どのような人物かを認識して会うこと。

●こういう [トラブル] の時に、どう円滑に事を進めるか。第一に、もめごとがあっても「最終的にはこの人が言うのなら仕方がない」と皆が思う人を見定めて、そこに根回しをしておくことだと気づいた。そうすればある程度クレームや反論が出て、皆が鬱憤も晴らした後に、着地点を見いだしてもらえる。きつい現場ではどうしてもフラストレーションがたまるので、それを発散させる必要もある。
 それだけではなく、いかにも文句を言ってきそうな人にも事前に情報を与えておく必要がある。「事前に聞いていない」というだけでクレームは激しくなるからである。逆に言えば、同じ内容であっても「貴方だけに先にお伝えしておきますが」とやっておくだけで、その後のスムーズさがまったく変わってくることがあるのだ。(pp.77-78)

☆人間関係の要諦。実体験に基づいているので説得力がある。

●辞めたいと辞めようの違い
「石川、もう何人も事務所を辞めていった。でも、いいか。『辞めたい』と『辞めよう』とには大きな違いがあるんだ。『辞めたい』でいるうちはそういう気持ちがあるだけだが、『辞めよう』になったら、もう行動になってしまう。こうなったら駄目なんだ。[略] 辞表を書いて辞めていった人たちは、このあと『昔、俺は小沢事務所に居たんだよ』というのが唯一の自慢になる。そんなたそがれた人生を送るんだ。それじゃ駄目だ」[略]
 樋高さんが言いたいのは、「辞めたい」と思っているうちはいいが、「辞めよう」となると徐々に具体的な行動に移るようになってしまう。辞表を書き、次の行き先を探し、さていつ切り出すか…と。そうなっては止まらない。だから「辞めたい」の段階で思いとどまれ、ということだった。(p.87)

☆自分に言い聞かせる言葉でもあるし、辞めようと思っている人に伝えられる言葉でもある。

●選挙運動で最も大切なことは講演会等の組織作りであり、「空中戦」はその次だというのが小沢事務所で学んだことである。「三役をしっかり作っておけばいい」というのも、この考え方の延長にある。(p.133)

☆自分が組織を編成することになったら参考にできる手法。

●スピーチでは感謝の気持ちを忘れない
 ありがたいことに刑事被告人となった後でも、地方で講演などを依頼されることがある。そういうときには必ず、その地域で今何がホットな話題なのかについては必ず予習して、話の中に織り込むようにしている。地域が同じでも聴く人が異なれば、また話題も変えなくてはいけない。農業団体でも建設業界でも同じネタでは話にならない。[略]
 そういう場で話すべきは、主役の政治家が、どれだけ優れた政治家かと言うことと、その人にどれだけお世話になっているか、突き詰めればその二点でいい。(pp.163-164)

☆本来主催者が話したいところに時間を割いて話をさせてくれるのだから、感謝の気持ちを忘れず、主催者を立てること。政治パーティのみならず、あらゆるスピーチの場に通用する。「感謝の気持ち」を忘れずに。

●原則として、相手が怒っているときは一区切りがつくまでは絶対に反論しないこと。これは相手が小沢さんのような人でなくても、共通の原則である。(p.167)

☆つい反論したくなるので、我慢することの大切さを知る。

●読書することの意味をいつも実感させてくれるのが佐藤優さんだ。[略]
佐藤さんにお尋ねすると、大事な本について三回は読むようにしているとのことだった。一回目は速読で概要をつかみ、その後にポイント部分を注意しながら読んでいくという。(pp.181-182)

☆獄中記にも記載があったと思うが、再度確認。

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