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『テレビは見てはいけない』

『テレビは見てはいけない』
苫米地英人
PHP新書、2009/09/29、¥735(BO¥350)

一言で言うと、テレビは最高の洗脳装置だから、見てはいけない、という本。

●人間は、カレーを食べれば「辛い!」と思ったり、恋人と楽しい時間を過ごしているときは「幸せだなあ」と感じるといったように、つねに意識の中で「表現」しています。これを心の内部の表現という意味で「内部表現」と呼びます。[略]
 人間は脳の進化の結果、物理的な空間饒辺かだけでなく、自分の心の中の変化においてもホメオスタシス [恒常性維持機能=温度や湿度といった外部の環境変化が起こっても、生命を同一の状態に維持するために自動的に体が反応すること] が働くようになっているのです。
 洗脳という行為を一言で説明するなら、人間の内部表現を書き換えることによって、「ホメオスタシスの状態を変える」こと。(pp.25-26)

●テレビは私たちの心の中に、臨場感を感じる空間をつくりだします。そしてその空間に、映像と音声を介して絶え間なく情報を書き込んでいく。その情報が私たちの内部表現に変化をもたらし、自分が感じている空間の認識を変えさせて、結果的に自分自身をも変化させてしまう。
 だからこそいまの世の中でヘア、テレビが最高の洗脳装置なのです。(p.28)

●では私たちは、どのようにテレビというメディアと向き合えばよいのでしょうか。
 一言で言えば、「多面的な視点をもつ」ことです。
 一つのニュースを見たら、つねにその反対側の考え方を探してみましょう。そして「なぜこのようなニュースが報道されたのか?」との視点をもつようにする。[略]
 可能ならば、番組の担当ディレクターはだれか。その人はどんな番組をこれまでつくってきたのか。[略] こういったことにも目を向けてみる。すると、簡単には情報操作に引っかからなくなるはずです。[略] そのような立体的・複眼的な視点で番組を見る週間がつくと、世の中の見方自体が立体的・複眼的になってきます。テレビを視聴するときにかぎらず、生活のあらゆる側面、目の前で起きている出来事すべてに応用できるものの見方が養われるのです。(pp.64-65)

●じつは英語の問題は、私がテレビ局の人と話すたびに必ず議論になるテーマの一つでもあります。
 「日本のテレビは、日本語で日本人に向けたコンテンツしか放映していない。それはいったいどういうわけなのだ」
 このように質問すると、彼らから「それは、日本人が日本のことにしか興味がないからです」との答えが返ってくる。それは全く違います。彼ら自身がテレビ放送を通じて、そういう日本人をつくりだそうとしているのです。
 世界的に見たときに、リアルタイムで起きているたいへん重要度の高い問題について、日本人の多くは知らずに過ごしている。それはテレビ局が、愚にもつかないくだらない番組を放映し続けているからです。日本人が外国に興味がないというなら、それはテレビ局の社員が海外に対して無知だからにほかなりません。(pp.76-77)

●ルー・タイスがつくりあげたプログラムは、一言で言えば、「いかに高い自己イメージを構築するか」という思考の技術になります。徹底して自己のイメージを高く保ち、その自分にそぐわない行動をとることを不快に感じる自我を構築する。
 いいかえれば、すべての行動を「have to」(やらなければならない)から「want to」(やりたい)に変えること。それがルー・タイス・プログラムの根本です。
 さきほどのタイガー・ウッズの場面では、通常であれば、やはり相手の失敗を祈るのがふつうでしょう。しかし、ウッズの自意識は、相手の失敗を願うような自分を許さないのです。
 「世界最高のゴルファー」である自分にふさわしいライバルであれば、この程度のパットは決めて当然だ—。このように考えるのです。

●人間はいま大切なものしか見ようとしない
 知らないものは見えない。そのうえ知っているものであっても、そのときのリアルタイムで重要性の高いものしか目に入らないようにできています。[略] たとえば年収300万円がコンフォートゾーンにある人にとっては、年収600万円の稼ぎ方・使い方が見えません。600万円という金額はリアリティがないため、見えなくなっているのです。もし人間が、自分が存在する世界をすべて認識できたら、脳がパンクしてしまいます。[略] だから人間は、自分にとっての重要性を基準に世界を分類し、重要度が高いものしかみえないようにできているのです。自分の安住するコンフォートゾーンから外れたところにあるものは、重要度が低いために見えなくなっている。
 コンフォートゾーンをズラす意味はそこにあります。コンフォートゾーンをズラすことで、いままで見えなかったスコトーマ [=心理的盲点] を見ることが可能になるのです。(pp.130-31)

▲現状の外側に成功イメージ(コンフォートゾーン)をおき、未来から現在に向かって時間が流れていると想定する。(p.140)


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