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『国家は破綻する――金融危機の800年』

『国家は破綻する――金融危機の800年』
カーメン・M ラインハート、 ケネス・S ロゴフ
日経BP社、2011/3/7、¥4,200(丸善日本橋)

"This time is differnt"という原題が示すように、「今回は違う」と言ってバブルを引き起こし、あるいは借金を膨らませて、金融危機を繰り返してきた人類の歴史をデータに基づいて解き明かす。

膨大な内容で、やっとのことで読み通したが、内容はとてもシンプル。つまり「『今回は違う』というのは間違いだ」ということ。そして、現在日本が置かれている状態、すなわち借金がGDPの二倍に膨れて無事だった国家は歴史上ない、ということ。日本がこの危機を消費税増税によって乗り切ることができるかどうかは不確実だけれど、やらないよりはマシなのだろう、と本書を読んだ後ではそう思わせられる。

●「今回はちがう」シンドロームの本質はごく単純である。この症状は、金融危機はいつかどこかで誰かに起きるもので、いまここで自分の身に降りかかるものではない、という強固な思いこみに根ざしている。われわれは前よりうまくやれる、われわれは賢くなった、われわれは過去の誤りから学んだ。それに、昔のルールはもう当てはまらない、という具合である。だが残念ながら、巨額の債務に依存する経済はきわめて脆い。しらないうちに断崖絶壁を背にして座っているようなもので、偶然が重なって信頼が失われると、あっという間に谷底に転落する。(p.30)

●新興市場国で公的債務総額の対GNP比が高いとき、たとえば100%を上回るようなときにデフォルトを起こすリスクが大きいと言うことは、マクロ経済学者の間では半ば常識である。先進国であっても、債務の定義にもよるが日本のように170%近くに達していれば、問題が多いと考えられる(日本の外貨準備は極めて潤沢だが、その点を考慮するにしても、純債務がGNP比94%というのはやはりひどく高い)。しかし実際には新興市場国のデフォルトは、大概サムGNP比率がもっと低いときに起きている。(p.61)

●この世の中に新しいものなど存在しない。新しくみえるのは、忘れていたからだ。
                              ーーローズ・ベルタン(p.394)


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