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『彼女を言い負かすのはたぶん無理3』

『彼女を言い負かすのはたぶん無理3』
うれま庄司
PHP研究所、2012/2/16、¥650

ディベートライトノベルシリーズ第3巻。
今まで脇役だった橘詩織が表紙を飾り、主人公桜井祐也と急接近。九重崎アイラと火花が散るような散らないような。高校生が読んだらそれなりに楽しいのだろうが、自分の年齢ではかなり辛い展開だった。

ディベートの内容そのものは、生暖かく見守るレベルだが、一応作中三回は議論させているので、「ディベート・ライトノベル」の筋ははずしていない。

本作のクライマックスは、生徒会主催で、「ディベート部を廃止すべきである」を論題に元ディベート部所属の生徒会長が肯定、一年の桜井と橘が否定で全校生徒を前にディベートする場面。その設定も相当無理だと思ったが、最後の最終反駁で橘に自身の過去を告白させるというのは、どこかのディベート映画で見た手法で既視感を覚えた。また、ディベート終了後にディベート部の廃止について生徒が投票するが、「ディベートの試合結果と現実の意思決定は無関係である」ということを表現している点は評価できるのだけれど、聴衆の生徒がそれをわかっていて、当のディベート部部員がわかっていないというのは、設定として多少説得力に欠けた。生徒会長がその点一言説明を加える場面などがあれば説得力が増しただろう。

総じてラブコメとディベートのバランスの取れた第3巻になっている。

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