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『仲達』

『仲達』
塚本青史
角川文庫、2012/1/25、¥660(有隣堂亀戸)

三国時代末期、曹操なきあと初代魏皇帝曹丕を補佐してから、孔明の北伐に相対し、三代魏皇帝曹芳の時の内紛を収めて亡くなるまでの司馬仲達の一生を描く。

多少文章に読みづらく硬い部分があるのと、多岐にわたる登場人物を説明しなければならないため途中で説明不足で人物関係がよくわからなくなる部分がある。それ以外は、「死せる孔明、生ける仲達を走らす」という人口に膾炙した物語が実際にはそうではなく、仲達にはそこまでして蜀を追う理由がなかっただけ、という解釈と、孔明の戦略物資が麻薬または阿片であったという解釈に基づく、仲達の視点で描く三国志のストーリーで、大変面白く、最後まで読ませた。

▲『善く戦ふものの勝つや、智名なく勇功なし』=『戦いが巧いとは、勝っても、知謀や勇気が人目につかぬこと』(『孫子』)(p.204)

●この景初二年(238年)には、帯方郡太守劉夏のもとへ珍客があった。それは、海の彼方からやってきた倭人である。彼らは、邪馬台国の女王卑弥呼の使節と称していた。そして、洛陽にいる魏皇帝(曹叡)に挨拶したいと、土産を持って、まず劉夏を訪った(おとなった)のである。(p.230)

●だが本書の真骨頂は、戦略物資としての麻薬([略] 阿片と思われる)に着目し、諸葛亮が三国に麻薬を流していたことを前提に、歴史を読み替えたことにある。[略] 曹操の御典医になった華陀が開発した麻酔薬・麻沸散には阿片が含まれていたといわれている。(p.356)

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