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『コンサルタントの仕事力』

『コンサルタントの仕事力』
小宮一慶
朝日新書、2011/11/30、¥798(丸善本店)

コンサルティングの仕事は
1.お客さまの状況を正確に理解する
2.お客さまの状況を分析しながら、問題点の本質を探る
3.経営の原理原則や経営手法に照らし合わせながら、解決策や改善策を提案する
の三つであり、それを支えるのが
1.お客さまの話をよく「聞く」
2.お客さまの話を「理解する」
3.物事をこれまでの知識や経験と「関連づけ」て、問題解決のひらめきを得る
4.お客さまに解決策や改善策を「話す」
5.解決策や改善策を「書く」
6.お客さまに提案する際、「説得する」
という6つのスキルだと述べ、それはコンサルタントだけでなくすべてのビジネスマンに必要なスキルだと説く。

小宮の著書には同じ話が何度も出てくるが、それは本当に重要だと考えているからで、何度読んでも納得する話なので、その都度反省を迫られる。

●大切なことは、バイアス(偏見)がかかるとモノは見えない、ということです。異聞の意見が絶対だとか間違いないと思いこんでしまうと、「こうあるべきだ」という「べき論」のバイアスがかかってしまいます。しかし、そういう頑なな態度ではお客さまの話をきちんと聞くことはできません。(p.26)

●「アイデア社長は会社を潰す」
 その通りだと思います。アイデアはしょせん仮説ですから、検証しないままどんどん実行していたのでは、会社がおかしくなってしまいます。コンサル力を鍛えるのに下手なアイデアは一切不要です。素直さとすべてを仮説検証する姿勢が必要なのです。(p.29)

●新聞のなかで気づいたことはすかさずメモる
 ビジネマンなら、毎日、新聞を読むぐらいのことは当然、やっていることでしょう。ここで言いたいのは、その際に、分からない言葉やキーワードが出てきたらすぐに調べることを習慣化してほしいということです。
 これは基礎知識を身につけるための基本動作ですから、必ず実行してください。先程の記事でいえば、「レアアース」や「貿易収支」、「QE2」という言葉です。これらのキーワードを、なんとなくではなく、語彙や意味をきちんと他人に説明できるようになるまで、調べて勉強してほしいのです。
 また、新聞を読んでいて、気になったことは必ずメモする習慣もつけてください。一日ひとつでもかまいません。メモすることがコンサル力の強化に欠かせないのです。[略]
 記事のメモを続け、項目が増えてきて、ときどきそれを見返すことを行っていると、そのうちに記事間の関連づけが見えてくるようになります。そうなると先程説明したように、「レアアースが高騰した背景には何があるのだろう」と、"その先"を考えるクセがついていきます。いろいろな事を関連づけて考えた結果は「仮説」ですから、今度はそれを検証していけばよいのです。(pp.89-90)

●新聞は1面から読む [略]
 新聞は1面から読むことが大切です。なぜかというと、新聞社が読者に知ってほしい順番で1面のトップ記事から紙面の配列を行っているからです。[略] 皆さんの関心事が社会の多くの人が関心を持つことと同じとは限りません。ぜひ皆さんの関心を、社会の関心事に合わせてください。(PP.91-62)

●これまで経営コンサルタントとしてたくさんの会社を見てきて実感するのは、失敗する会社の経営者には共通のパターンがあることです。
・公私混同が激しい
・私利私欲が強い
・「CS(お客さま満足度)よりもES(従業員満足度)」を優先させている
・和気あいあいを良しとし、社内に切磋琢磨の気風がない
 もちろん、これらは私の体験に基づいた仮説です。ただし、さまざまな会社で検証を繰り返してきていますので、私は「ほとんどの会社に当てはまる」と結論づけています。(P.106)

●ところで私は、「お客さま志向の小さな行動を徹底している会社は、成功しているところが多い」という仮説も持っています。この仮説もかなりの確率で当たっていると感じています。「小さな行動の徹底」とは、次のようなことです。
・社内でも「お客さま」という言葉遣いを徹底しているか(大切なお客さまを「さん」づけしていないか)
・電話は3コール以内でとっているか
・自分の机は自分で片付けているか
・来客は玄関先まで「出迎える、見送る」を徹底しているか(P.108)

●私は講演会などで、成功する人に共通す5つの特色を話すことがあります。
1.せっかち
2.人を心から褒めることができる
3.他人のことでも自分のことのように思える
4.怖いけど優しい
5.素直
これらは、「成功する人に共通するものは何だろう_」と考え、さまざまなKせつを立てて検証した結果、得られたものです。(P120)

●まず、多くの人に会うことです。友人、知人、お客さま…。直接、人に会って、人の生き様を見たり生の情報を得たりすることはとても大事です。
 勉強で知識を得るのと並行して、時間の許す限り億劫がらずに人に会いに行ってください。多くの現場を見て、ときには見るだけでなく経験してください。その際に、自分の好きな人やウマの合う人だけに会うのではなく、さまざまな人と会うことが大切です。(P.153)

●今のアメリカの景気を考える上で、最も重要な指標の一つがこの住宅着工件数です。アメリカの景気が本格的に回復するには、雇用の数字が改善し、個人がモノを買い始めなければなりませんが、そこに至る道はまだ遠いようです。(P.157)

●一つは、「お客さま翻意の言葉遣いがきちんとできている会社はお客さま志向の会社である」という仮説です。何度か述べてきましたが、「お客さま」という言葉や大切なお客さまを「さんづけ」で呼ぶことを幹部クラスの人間が徹底して行う会社でなければ、その言葉遣いが社員一人ひとりに浸透しているとは思えません。(P.162)

●経営者も同じです。リーダーとして人を動かすには、まずは自分が動かなければ成りません。経営者が楽をしていて、あれこれと指図してばかりでは社員がついてくるはずがありません。「指揮官先頭」の心構えが大切なのです。(P.182)

●[時間を上手にコントロールする] コツは大きく分けて二つです。
 一つは集中力を高めることです。私は銚子が避ければ、1200字程度の文章なら15分から20分で書けます。そのためには、自分にとってやる気の出る時間帯を把握し、その時間に大事な仕事を一気に片付けるように心がけるべきです。
 もう一つのコツは、自分にしかできない仕事が何であるのかを見極め、それ以外は他の人に任せることです。(P.193)

●世の中、何が評価の対象になるか分かったものではありません。だからこそ、どんな仕事であろうと全力投球で真剣に取り組むべきなのです。最後は、その積み重ねがものをいいます。(P.203)

●時間をコントロールする感覚を持つ、その訓練になるのが目標管理です。[略] といっても、大げさなものではありません。私が昔から実行していて皆さんにもおすすめしたいのが、「毎月1日に『月間目標』を立てる」ことです。仕事とプライベート、それぞれ一つずつ目標を立てるのです。ハードルの高い目標である必要はありません。(P.204)

●少しずつ努力を積み重ねる
 私はこれまでもたくさんの人に、「騙されたと思ってやってみては?」と月間目標を立てることをすすめてきました。でも実戦している人は、ほんの一握りです。
 実はこれこそが、人の成功を分ける「紙一重の差」だと思っています。人が良いとすすめることを、一歩踏み込んで素直にやれるかどうかです。
 月間目標を立てるか立てないか。それをやるかやらないか。さらに続けるか続けないかーこのちょっとした差が、いつしか大きな差になり、成功する人とそうでない人に分かれていくのだと思っています。(PP.209-210)

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