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『憂鬱でなければ、仕事じゃない 』

『憂鬱でなければ、仕事じゃない 』
見城 徹、 藤田 晋
講談社、2011/6/13、¥ 1,365(ブックフェア¥1,090)

書店で見城と藤田のちょっと強面風の表紙写真が目を引いたのでいつか読みたいと思っていたところ、ブックフェアで2割引で販売していたので購入。
対談本というのはお手軽に作れるため内容が薄いことが多く今回もあまり期待はしていなかったが、今年読んだ中では一二を争う大当たりだった。手書きで書かれた仕事や人生に対する見城の信条と説明の後、藤田がそれに対してさらにコメントを書く、という方式で、単純な対談本ではない。二人の経験に裏打ちされた言葉に力が宿っていて、読んでいると自分の心も燃えてくる。『編集者という病い』で書かれている言葉も多いが、それだけ見城の血となり肉となっている言葉だということの証明だろう。ぜひ繰り返し読みたい本。ただ一カ所校正漏れのため意味が通らない部分があったのが大変残念。

●苦境こそ覚悟を決める一番のチャンス [略]
[見城] 苦境に立たされると、人は腹を括り、覚悟ができる。腹を括るという行為は、長い人生の中で、一度きりのものではない。辛酸をなめると、そのたび、一つ覚悟ができる。その積み重ねが人間力を作り、ぶれない経営者を育てるのだ。(pp.64-67)

☆できれば腹を括る経験をしたくないと思う自分はまだまだ甘いのだろう。

●これほどの努力を、人は運という [略]
[見城] 結局、人は自分のスケールでしか、物事をはかることがでいない。圧倒的な努力は岩をも通す。そのことを彼らは知らないのだ。(pp.70-73)

☆人に運がいい、と言われる努力をしてみたいものだ。

●ふもとの太った豚になるな 頂上で凍え死ぬ豹になれ [略]
[藤田] 凄く過激な言葉だけど、安定を求める会社はたいてい衰退してしまうというのは事実です。立ち止まったら終わりなのは、世界が常に変化し、動いているからです。歩みをやめたものは、自分では止まっているだけのつもりでも置いて行かれてしまう。[略] 努力して、成長し続けている会社は、外から見ると、安定しているように見えるものです。でも、それは錯覚にすぎません。静止して見える独楽が、実際は素早く回っているようなものです。(pp.84-87)

●憂鬱でなければ、仕事じゃない [略]
[見城] 僕は、朝起きると、必ず手帳を開く。自分が今、抱えている仕事を確認するためだ。そして、憂鬱なことが三つ以上ないと、かえって不安になる。ふつう人は、憂鬱なこと、つまり辛いことや苦しいことを避ける。だからこそ、あえてそちらへ向かえば、結果はついてくるのだ。 [略] 「迷ったときは、やめておく」という人がいるが、僕はそれとは正反対だ。「迷ったときは、前に出ろ」これが僕の信条だ。迷った時こそ、大きなチャンスだ。迷わないものは結果が小さい。(pp.88-91)

☆タイトルになるだけあって、本当に心に突き刺さる言葉。

●初対面の相手と、カラオケに行くな [略]
[見城] とくに編集者は、相手の作品について語らなければならない。作家なら、作品をきちんと読み込んで批評し、作家自身が気づいていないことを指摘する。歌手ならアルバムを聴きまくって感想を言い、女優ならできる限り出演作を見て、そこでの演技の話をすべきである。会社の取引相手でも同じ事だ。努力すれば、話はいくらでもつくれる。(pp.114-116)

☆人と会うときに通り一遍の会話で済ませようとしていないか、よく考えなければいけない。

●顰蹙は金を出してでも買え [略]
[見城] 常識というのは、その業界のリーディングカンパニーが作ったものだ。それを崩す一番シンプルな方法は、外から風穴を開けることである。崩される側は、守勢になり、やがて悲鳴を上げ始める。つまり、顰蹙とは、くずおれる者の、悲鳴にほかならない。(p.166-169)

●勝者には何もやるな [略]
[見城] 僕は今でも、社長室のデスクと自宅の書斎に、「勝者には何もやるな」と書いた紙をはっている。圧倒的な努力を傾け、とてつもなく高い壁を乗り越えたとき、僕は何の褒美もほしくない。また、褒美を前提にする努力など、努力とはいえないと思う。[略] 「俺はまだ闘える」と思えること、それだけが大切である。(pp.198-201)

●ノーペイン・ノーゲイン [略]
[見城] 自分の力で獲得した結果であっても、そのことに寄りかかって生きることは、自分を堕落させる。それをゼロに戻してこそ、そのつぎのいきいきとした生の実感が味わえる。自分には届かないものをあえて選んで、それに届くように圧倒的努力をすればいいではないか。(pp.204-206)

●スポーツは、仕事のシャドー・ボクシングである
[見城] 思考は、思いのほか、生理に影響されるものだ。それは、経験的に誰もが知っている。いい考えを持ちたければ、肉体をコントロールしなければならない。(pp.210-211)

☆週に6日、ジムに通うというのは、生半可な気持ちではできない。ほとんど修行に近い。

●男子たるもの、最後の血の一滴が流れるまで、戦い抜け [略]
[見城] 2010年、僕の還暦の誕生日に、京都造形芸術大学と東北芸術工科大学の理事長徳山詳直さんから、こんなお祝いの電報をいただいた。
「『男子たるものは、一度戦って負けても、やめてはならない。二度目三度目の戦いの後でも、やめてはならない。刀折れ、矢尽きてもやめてはならない。骨が砕け、最後の血の一滴まで流して、初めてやめるのだ。—新島襄』誕生日おめでとう」(pp.228-230)

☆この言葉もすばらしいが、MBOで苦境に立たされている見城の状況にぴったりの言葉を贈る、徳山氏の見識を見習いたい。

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