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『“文学少女”と死にたがりの道化』

『“文学少女”と死にたがりの道化』
野村美月
ファミ通文庫、2006/5/10、¥588(L)

文芸部3年天野遠子は、読んだ本を食べる自称"文学少女"。一年前無理矢理入部させられた井上心葉は、彼女のためにおやつを書く。シリーズ第一作の本書は、太宰治の『人間失格』をモチーフに、十年前に起きた事件と、さらに現在起きている事件を絡ませながら描いている。

十年前の事件の当事者と、心葉の容貌が似ていることが一つの鍵になっているが、十年も経ってからしかも本人でないことがわかっている人間を見たことが引き金になって新たな事件を起こそうと思うものだろうか、とかなり疑問に感じたが、まあラノベで中高生対象ならこれでオッケーなのだろう、ととりあえず自分を納得させた。しかし、同タイトルのアニメのレビューにも書いたが、かなりの厨二展開で、すでに中年も後半にさしかかろうかという自分には読み通すのはかなり辛かった。

「本を食べる」という行為は、もちろん「読書を血肉としたいほど愛している」ということを寓意しているのは理解できるが、それは別の見方をすれば本に対する冒涜と捉えることもできる。真の文学少女であるならば、本を大切にして何度でも読み返すのが王道で、同じ読書狂を描くのであれば、『R.O.D』の読子に自分は共感する。

時間があればシリーズ続編も読もうかとは思うが、どうしても読みたいとまでは思わない、評価が難しい本。

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